新しい時代のグランドツーリングカー──マクラーレンGTに試乗|McLaren
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2019年10月30日

新しい時代のグランドツーリングカー──マクラーレンGTに試乗|McLaren

大型SUV並みの静粛性

さて、マクラーレンGTとは、どんなクルマなのか?
詳しくは、発表会のリポート記事を読んでもらうとして、ひとことで表すとすれば、このクルマによってマクラーレンはブランドの幅を広げることになるだろう。これまで、F1レーステクノロジーに裏打ちされた先進技術によって、そのレーススタイルと同じようにストイックなまでに走行性能を追求してきたマクラーレンが、初めてそれと同等に“実用性”と“快適性”を重視したのが、マクラーレンGTなのだ。
実際、運転してみて初めにそれを感じるのは静粛性の高さだった。他のマクラーレンと変わらない、620psものハイパワーを発生する4.0リッターV8ターボエンジンを搭載し、大きなタイヤを装着しているのにも関わらず、大型SUV並みに車内は静粛が保たれている。静けさは疲労に直結するので、長距離を走る場合には無視できない。
荷物の積載量も、うたい文句通りだった。国際線の機内持ち込み可能サイズのグローブトロッターがフロントに2個とプラスアルファの荷物が入り、リアにも同じスーツケースを収められ、その前後左右に複数のボストンバッグやトートバッグなどを収めても、まだ余裕があった。
「リアのトランクスペースは中央部分を凹ませてあり、ゴルフバッグや185cmのスキー2セットやスノーボードなど長いものも積み込むことができます」(デザインディレクターのロブ・メルヴィル氏)
そのフロアには「スーパーファブリック」という特許を取得した布がオプションで用意されている。染みや傷、刻み目などができにくく、汚れも付きにくく、洗濯可能で速乾性に優れているというものだ。
それはホンの一例に過ぎなくて、GTにはさまざまなオプションや選択肢が用意されている。ボディカラー、ボディトリム、ホイール、インテリアのカラーや素材、シートなど書き切れないくらいの選択肢が存在していているのもGTの特徴だ。
中でも注目は、「クルマ用としてはおそらく世界初のカシミア素材」(同メルヴィル氏)を用いたインテリアだろう。スコットランドの名門ミルMOON社のカシミアを独自の加工方法でクルマ用素材として用いていて、オプション装備として採用した。
「その狙いは、カシミアならではのラグジュアリーなタッチです」(同メルヴィル氏)
トリムも3種類用意され、それぞれ異なった趣きのクルマを仕上げられるように準備されている。仕立て上げる喜びも用意されているのだ。
快適な乗り心地のために、720S譲りのプロアクティブ・ダンピング・コントロール(PDC)やステアリングシステムなどにはGT用に最適化が施されている。
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