アウディとクライムワークス社が大気中のCO2を回収し、地下に貯蔵|Audi
CAR / NEWS
2020年9月30日

アウディとクライムワークス社が大気中のCO2を回収し、地下に貯蔵|Audi

Audi|アウディ

アウディとクライムワークス社が大気中のCO2を回収し、地下に貯蔵

アウディは、スイスの環境スタートアップ企業クライムワークス社が手掛ける大気中のCO2を直接回収し、「石」に変えて貯蔵するプロジェクトに賛同。クライムワークスを通し、年間1,000トンのCO2を除去していくことを発表した。

Text by YANAKA Tomomi

自然の作用で鉱化されたCO2は永久に地下に貯蔵

2013年からクライムワークス社によるCO2回収技術の開発をサポートしてきたアウディ。18年には両社がスイスのヒンヴィールに施設を建設し、大気からCO2をろ過し、炭酸飲料を生産している飲料業界に提供する活動も展開してきた。
そして今回、より多くのCO2を回収し、地下で自然のプロセスにより鉱化できる世界最大の施設をクライムワークスがアイスランドに建設。アウディもクライムワークスと提携、プロジェクトを結成し、テクノロジーを推進していくことが発表された。
CO2を鉱化させる仕組みは、ダイレクトエアキャプチャー技術により、周囲の大気からCO2を抽出しCO2を含まない空気を大気に戻すことから始まる。空気からろ過されたCO2を、近くの地熱プラントからの廃熱を利用して100度に加熱し、回収したCO2分子を放出。
次に、アイスランドで最大規模の地熱発電所であるヘトリスヘイジ発電所から施設に流れてくる水を利用して、CO2を地表から約2,000メートルの地下に送りこみ、玄武岩と自然の鉱化作用により反応させ、数年をかけて炭酸塩に変換するというもの。鉱化されたCO2は永久に地下に貯蔵されることになり、利用した水も地熱発電所のサイクルに戻されるなど、環境にも優しい仕組みとなる。
この施設は24時間年中無休で稼働し、毎年4,000トンのCO2を大気からろ過。クレジット制度により、その4分の1がアウディに付与されており、実質的に毎年1,000トンのCO2をアウディがろ過していることとなる。
2050年までにあらゆる面で完全にCO2ニュートラルな企業になることを目標にしているアウディでは「科学的な観点から見て、大気からCO2を吸着することは、車両や工場のCO2排出量削減とともに、グループの気候目標を達成するための重要な対策。私たちはクライムワークス社のCO2回収プロジェクトへの参加を通じて、脱炭素化に貢献します」とコメントしている。
問い合わせ先

アウディ コミュニケーションセンター
Tel.0120-598-106
https://www.audi.co.jp/

                      
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