ルノー・カングー(後編)毎日が充実しているひとへ
RENAULT KANGOO|ルノー・カングー(後編)
毎日が充実しているひとへ
日本でもっとも売れているルノーである、多目的車のカングーがフルモデルチェンジを受け、ルノージャポンよりリリースされた。その真価を、自動車ジャーナリスト、小川フミオが確かめた。
文=小川フミオ写真=ルノー・ジャポン
ポルシェ・ケイマンに迫るブレーキ耐久性
新型ルノー・カングーのエンジンは1.6リッター4気筒で、前輪駆動方式を採用。日本仕様のトランスミッションは、5段マニュアルか、4段オートマチックとなる。意外に4段オートマチックが気持ちよく、変速のタイミングなども的確で、エンジンのトルク特性を上手に使う設定となっている。ちなみにオートマチック変速機のさらなる多段化は将来にわたってもおそらく望めず、デュアルクラッチシステムか、CVT(無段変速機)が採用されることになるだろう。
自動車ではブレーキがもっとも重要、というのは自動車に興味あるひとなら先刻ご承知だろうが、カングーもブレーキの耐久性の高さを誇る。欧州のメディアで、時速100kmからのフルブレーキングを10回繰り返した後に最短停止距離を計測したところ、ポルシェケイマンの35mに迫る39mという数字を記録している。これは先代より11mも短い。
さすがF1にも熱心なメーカー
車両重量は旧型より増したとはいえ、比較的軽い1.4トン台に抑えられており、105馬力の1.6リッターエンジンで、意外に活発に走ることができる。コーナリング時の操縦安定性も高く、1.8メートルを超える全高のクルマとは思えないほど安定感がある。操縦を積極的に楽しむには別の選択肢を考えたほうがいいかもしれないが、それでも運転する楽しみが残されているのは、さすがF1にも熱心なメーカーだけある。
日常が充実しているひとにとって、ある意味「高性能」車といえる新型ルノー・カングー。毎日が楽しくなりそうな可能性を秘めている。
RENAULT KANGOO|ルノー・カングー
ボディ|全長4215×全幅1830×全高1830mm
エンジン|1.6ℓ 直列4気筒DOHC
最高出力|78kW[105ps]/5750rpm
最大トルク|148Nm[15.1kgm/3750rpm]
駆動方式|全輪駆動
トランスミッション|5MT/4AT
価格|219万8000円(5MT)、229万8000円(4AT)
ルノーコール
0120-676-365(受付時間9:00~18:00 年中無休)
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