Mercedes-Benz SLS AMG|ジャーマン・スーパースポーツのEVバージョン
Mercedes-Benz SLS AMG|メルセデス・ベンツ SLS AMG
ジャーマン・スーパースポーツのEVバージョン
メルセデスは、9月に発表が予定されている高性能スポーツカー「メルセデス・ベンツSLS AMG」に、電気自動車(EV)バージョンを開発していることを発表した。
文=ジラフ
AMG製6.3リッターV8と遜色のないハイパフォーマンス
このSLS AMGのEVバージョン、詳細についてはまだあきらかにされていないが、4つのモーターをそれぞれホイール近くの車体側に搭載するという。インホイルモーターは、バネ下重量を抑えるためにあえては見送られたようだ。バッテリーにはリチウムイオン電池(電力量48kWh、電圧400V)が採用され、シートと床下のあいだのスペースに配置される。
この4つのモーターから発揮される最高出力は392kW(533ps)。最大トルクでも880Nm(89.8kgm)を記録する。このスペックから予想される0-100km/h加速は、なんと4秒と言われている。ガソリンエンジンのモデルにはAMG製の6.3リッターV8が搭載されるが、それと比べても遜色ないハイパフォーマンスが約束されているのだ。
市販についてはまだ明らかにされてはいないが、ガソリンモデルと同時に開発が行われていることからも、その可能性は高い。インフラが整っていけば、さらにその可能性は高まるだろう。
BRAND HISTORY
自動車の歴史をひもとくとき、その先駆者として辿りつくのがゴットリープ・ダイムラーとカーツ・ベンツというふたりのドイツ人だ。1885年から86年にかけて、このふたりがべつべつにガソリン自動車を生みだし、クルマ社会の礎を築いたことは、いまさら説明するまでもない。それぞれが興した自動車会社はライバルと目されていた時期もあったが、第一次世界大戦後の不況を乗り切るために手を結び、1926年に合併によってダイムラー・ベンツ社が設立されている。
製品に与えられるメルセデスの名は、ダイムラーの顧客であったエミール・イェリネックが、ドイツ国外での販売を引き受けるかわりに長女の名前をつけさせたのがはじまりで、1902年にはダイムラー社により商標登録されている。
こうして生まれた、メルセデス、そして、Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)は、その後もセーフティパッセンジャーセル、エアバッグ、ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)、ナイトビューといった最新技術を積極的に導入するなど、自動車発展の牽引役としてつねに時代の先頭を走りつづけているのだ。