アウディA3に525psのモンスターコンセプト|Audi
CAR / NEWS
2014年12月24日

アウディA3に525psのモンスターコンセプト|Audi

Audi A3 Clubsport quattro concept
アウディ A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプト

アウディA3セダンに最高出力386kW(525ps)のモンスターコンセプトモデル

アウディは、5月28日からドイツ・ケルンテン州ライフミニッツで行われるヴェルターゼー ミーティングで、アウディ「A3 セダン」の超ハイパフォーマンスバージョンコンセプト、アウディ「A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプト」を発表する。このモデルは、最高出力386kW(525ps)を発揮する超ハイチューンの2.5 TFSIエンジンを搭載するほか、ブリスターフェンダーや専用フロントスポイラーなど数々のスポーティな装備を採用している。

Text by SAKURAI Kenichi

A3 セダンがここまで進化

ベースモデルはCセグメントのスポーティモデル、アウディ「S3 セダン」である。アウディ S3は、ご存知のようにただでさえ最高出力206kW(280os)、最大トルク380Nm(38.8kgm)を発揮する2リッターの直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボを搭載するハイパフォーマンスマシンなのだが、ヴェルターゼー ミーティングで発表される、ウルトラハイパフォーマンスモデルのスタディ、アウディ「A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプト」は、そのスペックでさえも何でもないもののような錯覚を覚えさせる。

セダンボディは、エンジンフードのカーボン化のほか、カーボン製のサイドシルやエアロエクステンションなどの採用により、わずか1,527kgにまで軽量化。ひと目でただ者ではないと理解させるブリスターフェンダーやアグレッシブなフロントフェイスをもった大型のエアダムで武装する。

全長は4,490mm、全幅はブリスター化によって1,856mmにまで拡大。全高は1,382mmで、アウディ「S3 セダン」よりも10mmだけ低いが、それ以上の迫力とレーシーな雰囲気を伝える。大型のシングルフレームグリル上には誇らしげに「quattro」の文字が掲げられる。端正なデザインのヘッドライトは、もちろんLED方式を採用した。

ホイールは9.5J×21インチで、これに275/25R21サイズのタイヤを装着。隙間無くブリスターフェンダーに収められている。反対に言えば、このボディサイズに似合わない極太のタイヤのためのブリスターフェンダー化である。単なるルックスのためのコスメチューンではないということだ。

フロントブレーキは370mm径、すべてのディスクはカーボンセラミック製で、絶大なストッピングパワーを提供。さらに高速ブレーキング時に安定した姿勢を保ち、制動距離を短縮するために、エアブレーキも装備した。これは、ランク部分にあるリアスポイラーがブレーキング時には通常ポジションから垂直にまで稼働し、空気抵抗を増すとともにダウンフォースを確保するというシステムで、250km/hからのブレーキングでは制動距離が約12m短縮されるのだという。

Audi A3 Clubsport quattro concept
アウディ A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプト

アウディA3セダンに最高出力386kW(525ps)のモンスターコンセプトモデル (2)

本格スポーツカー並みの性能

しかし、アウディ A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプトのハイライトはここからだ。フロントボンネットに収まるパワーユニットは、アウディ「RS Q3」に搭載されている最高出力228kW(310ps)、最大トルク420Nm(42.8kgm)を誇る5気筒の2.5リッターTFSIをベースに、なんと最高出力を386kW(525ps)、最大トルクは600Nm(61.1kgm)にまで向上させた。

パワーウェイトレシオは、スーパーカー並の2.9kg/psである。ポルシェ「911 ターボ S」のパワーウェイトレシオが2.86kg/psだといえば、アウディ A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプトの数値が、いかに驚異的な数値なのかが理解できるはずだ。繰り返すが、エンジンはわずか2.5リッターの排気量しかない5気筒エンジンなのだ。リッターあたりの出力は155.6kW(211.7ps)、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は310km/hと、これはもはやCセグメントセダンの値ではない。

この386kW(525ps)という最高出力を支えるのは、お馴染みのクワトロシステム。トルクの増大に合わせ、後輪に駆動力を伝える油圧式のマルチプレートクラッチは特別設計されているという。トランスミッションは7段Sトロニックと呼ばれるデュアルクラッチを組み合わせた。もちろんフロアシフトレバーのほか、ステアリング脇にあるパドルシフトでスピーディなギアチェンジが可能になっている。

サスペンションは、フロントにマクファーソン式、リアに4リンク式と、形式そのものはベースモデルと同様だが、専用のスプリングとダンパーを装着。硬めの設定を施し、公道でもサーキットでも最高のパフォーマンスを発揮できるようにセッティングされているという。コーナーリング時の安定性を確保するために、ESC(エレクトロニック スタビリゼーション コントロール)のほか、内側のホイールにブレーキをかけ、アンダーステアやオーバーステアを防ぐトルクベクタリングシステムも標準装備する。

カーボンシェルのフロントシートや、スタータースイッチを備えたフラットボトムのDシェイプステアリングホイール、フットペダルやフットレスト、ドアオープナーにステンレス素材を採用するなど、インテリアもスポーティに演出。シートのパイピングやブラッシュトアルミのアクセントパネルのほか、「Clubsport」のロゴの入ったカーボン製のバッジなどもスペシャルだ。そのいっぽうで大人4人が乗れるキャビンスペースは、ベース車そのままに健在である。

市販化は未定だが、2.5リッター5気筒のTFSIエンジンの潜在的な戦闘力と可能性をアピールするコンセプトモデルとしてはもちろんのこと、ライバルと目されるAMGの45シリーズのライバルとしても、アウディ A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプトには全世界から熱い視線がおくられそうだ。

Audi A3 Clubsport quattro concept |アウディ A3 クラブスポーツ クワトロ コンセプト
ボディサイズ│全長 4,490 × 全幅 1,856 × 全高 1,382 mm
ホイールベース│2,631 mm
重量│1,527 kg
エンジン|2,480cc 直列5気筒DOHC ターボ
最高出力│386 kW(525 ps)
最大トルク│600 Nm/ 2,300-6,000 rpm
トランスミッション│7段オートマチック(Sトロニック)
タイヤ|275/25R21
駆動方式│4WD
0-100km/h加速|3.6 秒
最高速度|360 km/h

           
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