iシリーズにマッチする太陽光発電カーポートを提案|BMW
CAR / NEWS
2014年12月29日

iシリーズにマッチする太陽光発電カーポートを提案|BMW

BMW Solar Carport Concept|BMW ソーラー カーポート コンセプト

iシリーズにマッチする太陽光発電カーポートを提案

EVを主軸としたサスティナブルモビリティを提案するBMWの新ラインナップ「i シリーズ」の発売に合わせ、BMWはソーラー発電をおこなうカーポートをデザインした。車両の開発だけでなく、こうしたクルマ周りの“必需品”でもCO2の削減を図るあたりに、BMWの先進性と他ブランドにはないキラリと光るアイデアが感じられる。

Text by SAKURAI Kenichi

EVに太陽光発電のグリーン電力を供給

BMWは、ゼロエミッション モビリティのために専用設計した、世界初のプレミアムEV&ハイブリッドモデル「i シリーズ」の本格的な販売を全世界でスタートさせている。日本では、レンジエクステンダー用のエンジンをオプションで搭載可能な純EVモデル「i3」からデリバリーを開始。EV走行にウェイトを置いた、プラグインハイブリッドモデルの「i8」の発売も目前に迫っている。

そうしたクルマの“電化”で、持続可能なモビリティを推進するのと同時に、BMWでは、さまざまなアイデアでEVやPHEVなどを用いた未来的なカーライフをサポートしていく予定だ。今回発表された太陽光発電機能をもつ「ソーラー カーポート コンセプト」もそのひとつで、これはBMW i8やi3にマッチするデザインと発電機能をそなえたカーポートを自動車メーカー自らが設計し、車両とともに提供しようというスタディである。

このソーラー カーポート コンセプトは、BMWグループの「デザインワークス USA」が開発。その名の通り太陽光発電のためのソーラーパネルをルーフ部分にはめ込み、日中に発電した電力をバッテリー内蔵のウォールボックスに溜め車両に充電できるようにした、発電システムと蓄電システムを一体化したカーポートだ。ポイントは、BMW iシリーズにマッチしたエクステリアデザインを採用している点で、素材にはカーボンのほか、成長の早いサスティナブルな素材として注目されている「竹」を、屋根を支える支柱部分に使用している。

BMW Solar Carport Concept|BMW ソーラー カーポート コンセプト

iシリーズにマッチする太陽光発電カーポートを提案 (2)

発電量の過不足を自動調整

電力を生成する太陽光パネルは、ハイグレード ガラス オン ガラスソーラーモジュールと呼ばれる半透明の製品で、非常に耐久性がありエネルギー収量が大きいのも特徴だ。ヨーロッパで使用されるパネルの場合、30年間の製造保証付きになるという。

晴天などの条件が整えば、車両の充電を太陽光発電によるグリーン電力だけでまかなえるが、もちろん不足分は既存のグリッド電力を使用可能。ウォールボックスが太陽光発電による電力量のほかグリッド電力の必要性を判断し、最適な充電プロセスの分析をおこなう。

反対に、ソーラーパネルを用いた太陽光発電量が車両充電の必要量を超えた場合は、余剰の電力を家庭用として供給、通常電力として使用することができる。

環境意識の高いi シリーズのオーナーであれば、充電用の電力も極力CO2フリーのグリーン電力を使用したと思うのが人情。BMWグループのデザインワークスUSAがデザインしたソーラー カーポート コンセプトは、そうした先進的なカーライフに、デザインもコンセプトもマッチした“周辺装置”といえそうだ。走行距離の短いユーザーであれば、100パーセント カーボンフリーの日常走行も不可能ではないのである。

ちなみにデザインワークスUSAは、カリフォルニアに本社を置くBMWグループの子会社だが、BMWグループだけでなく、さまざまな国際的クライアントをもち、産業分野の広範囲におよぶデザインを手がけている。以前に紹介したPC用マウスをはじめ、オリンピックに出場した米国チームのボブスレーや、シンガポール航空のファーストクラスキャビン、米国BART(ベイエリア高速鉄道)の車両などもこのデザインワークスUSAの作品である。

           
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