ジープ チェロキー、6年ぶりのフルモデルチェンジ|Jeep
Jeep Cherokee|チェロキー
チェロキー、6年ぶりのフルモデルチェンジ
フィアット クライスラー ジャパンは、第4世代となる新型「チェロキー」を、5月17日(土)より日本発売を開始する。6年ぶりのフルモデルチェンジとなったニューモデルは、これまでのタフなイメージをもたらす箱形の「ジープ」らしいデザインから一転、都会派ともいうべきモダンなフォルムを採用したのが特徴だ。
Text by SAKURAI Kenichi
大変身を遂げた第4世代
ジープの「チェロキー」といえば、これまで一貫して車高の高いボクシーなフォルムが特徴だった。ラングラーのイメージを投影した2代目こそ、若干丸みを帯びたデザインを採用していたが、一貫していえるのは、道や天候を選ばないオフロードモデルらしいタフな走りをエクステリアからも表現していたことである。
しかし2013年のニューヨーク モーターショーでワールドプレミアされた4代目となるニューモデルでは、そうした誰もがチェロキーだとわかるデザインからスタイリッシュな方向に大きく舵を切り、都会の街並みが似合うような洗練されたフォルムを手に入れた。
あまりの変身ぶりに北米ではデビュー当初、既存の「リバティ(日本名チェロキー)」ユーザーからの戸惑いの声も多かったと聞くが、昨年11月の米国発売以来好調な販売をマークしつづけ、このフルモデルチェンジが成功だったことを証明した。ちなみに、北米では2世代にわたってチェロキーを「リバティ」の名で販売していたが、この4世代目では「チェロキー」のネーミングが復活している。
新型ジープ チェロキーを紹介する上で、まずはこの革命的ともいうべきエクステリアデザインに触れないわけにはいかないだろう。ジープ伝統の「7スロットグリル」や、台形をモチーフとした前後のフェンダーデザインが、ジープのDNAを感じさせてくれるものの、車高の高さやそうしたジープのアイコンともいうべきデザイン要素を取り除けば、新型「ジープ チェロキー」はまるでワイルドなスポーツカーともいえそうなルックスだ。
極端に寝かせたAピラーにつづくグリーンハウスは、SUVのそれとは思えないほどスムーズにリアエンドにまでのびる。フロントのエンジンフードとグリルが一体化しているのも、ジープでは初めてのデザインである。ジープではこの形状を「ウォーターフォール フード(水が滑らかに流れ落ちるようなフード形状)」をと呼んでいる。
一見どこがヘッドライトかわからないようなライト周りも、新型チェロキーの特徴だろう。
正面から見て一番上がLEDクリアランスランプ、ベンパー上部にヘッドライトを置き、バンパーに埋め込まれた一番下のポジションがフォグランプとなる。
さらにテールランプは、これまでのジープと共通性を見いだすことが難しい、新世代をイメージさせるにふさわしいあたらしい意匠を採用している。
そうしたエクステリアにたいして、インテリアではエモーショナル(感情的)なデザイン、高品質な素材、最先端のテクノロジー、 機能的な収納スペースの4つにフォーカスして開発をおこなったという。大胆な変身を遂げたエクステリアにくらべればオーソドックスなイメージでもあるが、内装のクオリティは格段に進化を果たしている。
Jeep Cherokee|チェロキー
チェロキー、6年ぶりのフルモデルチェンジ (2)
定評あるエンジンに、最新の4x4デバイスを装備
左右のメーターはアナログ表示だが、その中心部にはさまざまな機能を表示する液晶ディスプレイを装備している。さらにクライスラーでお馴染みとなった、スマートフォンやデジタルオーディオプレーヤーの接続のほか、ナビやエアコン、シートヒーターなどの調整を一元管理できる「Uconnect」用の8.4インチタッチスクリーンディスプレイをセンタコンソール中央に配置、さまざまな操作が直感的におこなえるようになっている。
エンジンは、エントリーモデルとなるFFのLongitude(ロンジチュード)に搭載した最高出力130kW(177ps)、最大トルク229Nm(23.4kgm)を発生する2.4リッター直列4気筒の「タイガーシャーク マルチエア 2」と、4WDのTrailhawk(トレイルホーク)とLimited(リミテッド)に搭載した最高出力200kW(272ps)、最大トルク315Nm(32.1kgm)を発生する3.2リッターV型6気筒の「3.2L ペンタスターエンジン」の2機種をラインナップ。
この「3.2L ペンタスターエンジン」は、「グランドチェロキー」や「ラングラー」にも搭載され、3年連続で米国ワーズ社の「10ベストエンジン」を受賞した3.6リッターエンジンがベースになっているという。2.4リッター、3.2リッターともに、クライスラーグループとして初となる9段オートマチックトランスミッションと組み合わせている。
いっぽう、「ジープ」を語るうえではずせない4WDシステムも、最新デバイスを投入している。新型ジープ チェロキーの4×4システムは、グレードによって2種類用意している。2段パワートランスファー ユニットによって泥濘路や岩場での使用も可能とした4Lowモード(副変速機)をもつ「ジープ アクティブドライブ II」をLimited(リミテッド)に搭載し、Trailhawk(トレイルホーク)にはさらに強力なオフロード性能を発揮する「ロッキング リア ディファレンシャル」を装備する「ジープ アクティブドライブロック」を採用した。
なお、この両4×4システムを採用するLimited(リミテッド)、Trailhawk(トレイルホーク)ともに「ジープ セレクテレイン システム」を搭載。セレクテレインは、路面状況や天候、走行シチュエーションに合わせ“オート”“スノー”“スポーツ”“サンド/マッド”“ロック”という5つのモードから選択できるようになっている。「ジープ」を名乗る以上、あらゆる天候や路面状況においてもクラストップの性能を確保する必要があるのは当然だ。これらの電子デバイスは、チェロキーをまさにジープとして走らせるためのキーメカニズムなのである。
Jeep Cherokee|チェロキー
チェロキー、6年ぶりのフルモデルチェンジ (3)
高評価の安全機能
安全性の面でも新型チェロキーは、大きく進化を遂げた。ジープとして最多である70点を超える安全機能を搭載しているほか、ボディでは高張力鋼板の使用率が実に65パーセントにも達し、米国道路安全保険協会(IIHS)における「Top Safety Picks+」に選定されると同時に、米国衝突試験の最高評価を獲得している。さらに、ジープとして初めて、Euro NCAP (ヨーロッパ新車アセスメントプログラム)において最高評価の5スターを獲得したのもアピールポイントである。
これらにくわえ、一般乗用車のような「STOP&GO機能付アダプティブクルーズコントロール」や「レーンセンス 車線逸脱警報プラス」 のほかに、「パークセンス 縦列/並列パークアシスト」など、最新の安全装備や、ドライバー支援装置が採用され、日常の使い勝手も大幅に向上している。
すべてのラインナップが、これまでどおり右ハンドル仕様で導入されるのも、日本のユーザーにとってはうれしいニュースだろう。
「ジープ」と聞くと、タフで男臭いデザインやハードな乗り心地を想像してしまう人も多いだろうが、新型チェロキーはこれまでにないモダンな内外装と、現代レベルの安全性を確保し、乗用車からの乗り換えにもじゅうぶんに対応するモデルに仕上げられている。ただし、フィールドや天候を選ばない、自慢の4×4は健在。公道を走ることができる乗り物として最高のパフォーマンスをもちながらも、日常のアシとしても手軽に使えるまさにオールラウンダーというべき存在なのだ。
Jeep Cherokee Longitude|ジープ チェロキー ロンジチュード
ボディサイズ|全長 4,630 × 全幅 1,860 × 全高 1,700 mm
ホイールベース|2,700 mm
トレッド 前/後|1,580 / 1,620 mm
最低地上高|180 mm
重量|1,730 kg
エンジン|2,359cc 直列4気筒 SOHC
ボア×ストローク|88.0 × 97.0 mm
最高出力| 130 kW(177 ps)/ 6,400 rpm
最大トルク|229 Nm(23.4 kgm)/3,900 rpm
トランスミッション|9段オートマチック
ギア比|1速 4.700
2速 2.842
3速 1.909
4速 1.382
5速 1.000
6速 0.808
7速 0.699
8速 0.580
9速 0.479
後退 3.805
変則比 |1.000
最終減速比|3.734
駆動方式|FF
サスペンション 前|マクファーソン
サスペンション 後|マルチリンク
タイヤ 前/後|225/60R17
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
燃費(JC08モード)|10.4 km/ℓ
最小回転半径|5.8 m
燃料タンク容量|60 リットル
価格(税込)|379万800円
Jeep Cherokee Trailhawk|ジープ チェロキー トレイルホーク
ボディサイズ|全長 4,630 × 全幅 1,905 × 全高 1,740 mm
ホイールベース|2,720 mm
トレッド 前/後|1,620 / 1,625 mm
最低地上高|220 mm
重量|1,990 kg
エンジン|3,238cc V型6気筒 DOHC
ボア×ストローク|91.0 × 83.0 mm
最高出力| 200 kW(272 ps)/ 6,500 rpm
最大トルク|315 Nm(32.1 kgm)/4,300 rpm
トランスミッション|9段オートマチック
ギア比|1速 4.700
2速 2.842
3速 1.909
4速 1.382
5速 1.000
6速 0.808
7速 0.699
8速 0.580
9速 0.479
後退 3.805
変則比 高/低|1.000 / 2.917
最終減速比|3.251
駆動方式|4WD(オンデマンド方式)
サスペンション 前|マクファーソン
サスペンション 後|マルチリンク
タイヤ 前/後|245/65R17
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
燃費(JC08モード)|8.8 km/ℓ
最小回転半径|5.8 m
燃料タンク容量|60 リットル
価格(税込)|429万8,400円
Jeep Cherokee Limited|ジープ チェロキー リミテッド
ボディサイズ|全長 4,630 × 全幅 1,860 × 全高 1,700 mm
ホイールベース|2,700 mm
トレッド 前/後|1,580 / 1,585 mm
最低地上高|180 mm
重量|1,880 kg
エンジン|3,238cc V型6気筒 DOHC
ボア×ストローク|91.0 × 83.0 mm
最高出力| 200 kW(272 ps)/ 6,500 rpm
最大トルク|315 Nm(32.1 kgm)/4,300 rpm
トランスミッション|9段オートマチック
ギア比|1速 4.700
2速 2.842
3速 1.909
4速 1.382
5速 1.000
6速 0.808
7速 0.699
8速 0.580
9速 0.479
後退 3.805
変則比 高/低|1.000 / 2.917
最終減速比|3.251
駆動方式|4WD(オンデマンド方式)
サスペンション 前|マクファーソン
サスペンション 後|マルチリンク
タイヤ 前/後|225/55R18
ブレーキ 前/後|ディスク / ディスク
燃費(JC08モード)|8.9 km/ℓ
最小回転半径|5.8 m
燃料タンク容量|60 リットル
価格(税込)|461万1,600円
ジープ フリーコール
0120-712-812(9:30-18:00、月~金、祝日はのぞく)