ダイヤをちりばめた豪華絢爛なファントム|Rolls-Royce
CAR / NEWS
2015年4月3日

ダイヤをちりばめた豪華絢爛なファントム|Rolls-Royce

Rolls-Royce Celestial Phantom|ロールス・ロイス セレッシャル ファントム
Rolls-Royce Alpine Trial Centenary Collectioni|アルペン トライアル センテナリー コレクション
Rolls-Royce Chicane Phantom Coupe|ファントム クーペ シケイン

446個のダイヤモンドをちりばめた贅沢なロールス・ロイス

ロールス・ロイスは、特別仕様の「セレッシャル ファントム」と「アルペン トライアル センテナリー コレクション」、そして「ファントム クーペ シケイン」を11月5日に開幕したドバイ・モーターショーで発表した。

Text by SAKURAI Kenichi

豪華絢爛さは、さすが中東向け

中東はドバイ モーターショー。20世紀後半からいまに至るまで、ここは世界の富が集中するまるで別世界のような場所だ。数年前に景気の落ち込みを経験したものの、リーマンショックも欧州経済危機も何するものぞ、ピークこそ越えた感はあるが未だに建設ラッシュはつづき、豪華なリゾート施設やショッピングモールは盛況だと聞く。豊かなオイルマネーを背景に、世界の春を長きにわたり謳歌しつづけている。


そうした場所に集まるのは、クルマもおなじ。プレミアムカーやラグジュアリーカーは、この地で存在感をみせてこそ本物。ロールス・ロイスとて例外ではない。いや、むしろ、ロールス・ロイスこそがドバイ モーターショーの主役であっていいはずである。


ロールス・ロイスモーターカーズ最高経営責任者(CEO)のトルステン・ミュラー・エトヴェシュが、「世界でも特別なドバイ・モーターショーのために、我々は記念して“本当に特別な何か”をつくろうとしました。ここは、ビスポーク(別注)の最大の市場でもありますから。そこでロールス・ロイスは、世界でもっともも希少で価値の高い素材をつかい、星空の夜をテーマに天体をモチーフにしたファントムをつくり出したのです」と述べるように、ドバイ モーターショーでセンターステージに置かれた「セレッシャル ファントム」は、まさにビスポークの中のビスポーク、さながら高級ジュエリー店のショーケースのような存在であった。

Rolls-Royce Celestial Phantom|ロールス・ロイス セレッシャル ファントム

Rolls-Royce Celestial Phantom|ロールス・ロイス セレッシャル ファントム

車両は、フランクフルト モーターショーでデビューした「セレッシャル ファントム」がベース。このクルマのルーフ内側やシートセンターコンソールなどには、無数のLEDが埋め込まれ、車内に座ると、そこはまさに満天の星空の下にいるようだった。時計には4つのダイヤモンドが埋め込まれ、豪華さはまさに天下一品。特別な中の特別を見せてくれた。


しかし、ロールス・ロイスは、これで満足しなかった。中東の顧客のためにこの特別な「セレッシャル ファントム」に、あらたに446個ものダイヤモンドを埋め込み、さらに特別な存在に仕立て上げたのだ。ダイヤモンドは細心の注意を払い、ドアパネルや、センターコンソール、そしてリアプライバシー デバイダーセットされている。


ちなみに、雲のない真っ黒な“夜空”をほのめかす外装色、“夕暮れ”をイメージさせるインテリアにもちいられた最高級皮革のカラーも特別なしつらえ。LEDがキャビンにつくりあげる星空には、星座も配置されているという凝りようだ。有名な磁器メーカーの作となるピクニックセット(食器類)も車内に用意され、もはやこれ以上望むものはないというほどの演出だろう。

Rolls-Royce Celestial Phantom|ロールス・ロイス セレッシャル ファントム
Rolls-Royce Alpine Trial Centenary Collectioni|アルペン トライアル センテナリー コレクション
Rolls-Royce Chicane Phantom Coupe|ファントム クーペ シケイン

446個のダイヤモンドをちりばめた贅沢なロール・スロイス

アルペン トライアル センテナリー コレクション

過去のロールス・ロイスからインスピレーションを得て開発された、あたらしい別注モデルが「センテナリー コレクション」である。約一世紀前、4台のロールス・ロイス「シルバーゴースト」がオーストリアのアルプスを舞台に耐久テストをおこなった。ここでロールス・ロイスは非常に優秀な結果を出し、以降、英国王室御用達の“世界で最高のクルマ”という評判を確立した。

この別注モデル「アルペン トライアル センテナリー コレクション」は、こうした史実を持つ1913年のロールス・ロイス「ゴースト アルペントライアル」のオマージュとして製作。たとえば、ボディカラーは、1913年アルペン トライアル オーストリアのオリジナルシルバーゴーストとおなじであり、ブラックのグリルとホイールの意匠もコレクションに採用されている。


ポイントは、過去の名車たちをモチーフとした車両を現代のロールス・ロイスのラインナップで再現し、それを手に入れられるということ。オーナーの中には、オリジナルの車両をコレクターズアイテムとして所有し、そのDNAを受け継いだクルマを別注し現代で使用するということもありそうだ。

Rolls-Royce Alpine Trial Centenary Collectioni|ロールス・ロイス ファントム アルペン トライアル センテナリー コレクション

ファントム クーペ シケイン

「ファントム クーペ シケイン」は、かのロールス・ロイスの家と隣接する、英国グッドウッドのコースをイメージさせる特別な車両。グッドウッドは、毎年夏に開催される世界中の名車が集う「グッドウッド フェスティバル オブ スピード」の会場としても有名だ。


インテリアにはカーボンを使用し、ボンネットとフロントガラスがガンメタルカラーにペイントされるほか、レーシングイメージを表現するマットブラックもアクステリア上で効果的に使用されている。また、チェッカーフラッグをモチーフにしたシートやグローブボックス内にグッドウッドのコースレイアウトをデザインした金属製のプラークもそなえている。

Rolls-Royce Chicane Phantom Coupe|ロールス・ロイス ファントム クーペ シケイン

Rolls-Royce Chicane Phantom Coupe|ロールス・ロイス ファントム クーペ シケイン

過去、ロールス・ロイスがレースの世界でも名をはせていたように、「ファントム クーペ シケイン」は、現代のモデルにレーシーなイメージを投影するとこんなコレクションが生まれるというショーケースであろう。


今回ここで紹介したモデルは、ビスポークによるデモンストレーションの一例だが、車両の仕様がどうこうではなく、「ロールス・ロイスの世界には、不可能という言葉は存在しない」というコンセプトが伝わりさえすれば、おそらくじゅうぶんなのであろう。そう、ロールス・ロイスとは、発注できる金額とアイデアさえあれば、どんな望みでもかなえてくれる、そんな唯一無二のブランドなのである。

           
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