アストン、第三のミッドエンジンモデルを公開|Aston Martin
Aston Martin Project 003|アストン マーティン プロジェクト003
第三のミッドエンジンモデルをワールドプレミア
アストン マーティンは3月5日(火)に開幕したジュネーブモーターショーでミッドエンジンモデル「プロジェクト003」を世界初披露した。
Text by YANAKA Tomomi
航空宇宙技術を自動車に初採用
アストンマーティンが「ヴァルキリー」や「ヴァルキリー AMRプロ」に搭載されているミッドエンジンのコンセプトとテクノロジーをフィードバックさせた第3のモデル「コンセプト003」を発表した。
基本的なシャシーやエアロダイナミクスをヴァルキリーと共有しているものの、個性を主張するフロントエプロンと大型のリアディフューザーが特徴で、フロア下を流れるエアが強力なダウンフォースを生み出すという。
これらを可能にするのが、自動車業界で初採用される航空宇宙技術、モーフィングテクノロジーだ。翼全体をなめらかに変形させながら飛行する技術により、クルマのエレメント全体の物理的な角度を変えずに走行中のダウンフォースを変化させ、パフォーマンスや効率の向上を果たしつつ、風切り音の少ないシームレスかつ、独自性のあるデザインにも寄与するという。
ほかにも利便性と快適性を向上させるデザインコンセプトにより、ドアは前方に開くLMPスタイルを備え、ルーフセクションもドアと一緒に移動するため、乗り降りが容易になった。
Aston Martin Project 003|アストン マーティン プロジェクト003
第三のミッドエンジンモデルをワールドプレミア(2)
デリバリーは2021年後半
また、運転席と助手席の間隔をとるためセンターコンソールの幅が拡げられ、ラゲッジスペースはシート後方のフロアからアクセスできるようになったほか、財布や携帯電話といった小物を収納するスペースも設けられた。
コックピットは視覚的な複雑さを排除し、運転に集中できるよう“アペックス エルゴノミクス”と呼ばれる新デザインを採用。水平方向の幅広いセクションに主要なスイッチやディスプレイなどを集中することで走行中のドライバーの操作性を向上させている。
パワートレインは、自社で新開発するターボチャージャーV6ハイブリッド エンジンを採用。これによりエンジンを自社製造するメーカーへ復活を遂げるという。
さらに、このパワーユニットにはサーキット専用モデル「バルカン」に初搭載されたネクセル シーリング オイル システムを装着。オイルカートリッジを90秒以内に交換でき、使用済みのオイルはその後精製され、再利用できるというサスティナブルなもので、公道走行可能車両に搭載されるのは世界初だとアストンマーティンでは謳う。
デリバリーは2021年後半が予定されているというプロジェクト003。詳細なスペックや価格など、さらなる続報を待ちたい。