ポルシェのレーシングカー911 GT3R、2019年モデル登場|Porsche
PORSCHE 911 GT3R|ポルシェ911 GT3R
ポルシェのレーシングカー911 GT3R、2019年モデル登場
ポルシェAGは、公道仕様のスポーツカー「911GT3RS」をベースとしたレーシングカー「911GT3R」の2019年シーズン用モデルを発表した。
Text by HARA Akira
さらなるパワーアップとエアコン標準装備
アルミとスチールの複合材による骨格を備えた市販スポーツカー「911GT3RS」をベースに、強力な自然吸気エンジンと軽量化されたボディを搭載して2016年にデビューしたレース専用モデルが「911GT3R」だ。ニュルブルクリンク24時間レースや、日本のスーパーGTでもおなじみのマシンであり、今回その2019年モデルの詳細が発表された。
新型は、エンジンのパワーアップ、より効率的なエアロダイナミクス、最適化された安全性、サービスとスペアパーツのコスト削減に特に注意が払われたという。
新型911GT3Rがリアに搭載するエンジンは、911GT3RSとほぼ同じとなる自然吸気の水冷水平対向6気筒エンジンで、最大200balで燃焼室へ直接噴射するダイレクト フューエル インジェクション、インテークおよびエキゾーストの可変バルブタイミング機構、6つの電子制御スロットル バタフライなどにより、最高出力は550psにパワーアップ。
トルク発生域もさらに広範囲となり、パドル式の6段コンスタントメッシュ シーケンシャル トランスミッションを介して310mm幅のリアホイールに伝えられる。
ブレーキは、剛性とABSの制御精度が高められたフロントの対向6ピストン式アルミ モノブロック レーシングキャリパーと390mm径スチール製ベンチレーテッド グルーブド ブレーキディスク、リアの対向4ピストンキャリパーと370mmディスクを採用。
フロントのホイールアーチ エアベントや、幅1,900mm、奥行き400mmのリアウイングなどによる強力なダウンフォースも相まって、レース中の最大限のブレーキ性能と安定性を保証するとした。
軽量化では、ルーフ、フロントフードとフェンダー、ホイールアーチ、ドア、サイドおよびテールセクション、リアリッド、インテリアトリムに軽量な炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用したほか、全てのウインドウをポリカーボネート製としている。
安全面では、サーキットレイアウトに応じて左右から給油できる120リッターのFT3安全燃料タンクを採用。ドアとサイドウインドウは取り外し可能で、バケットシートは、衝突時にドライバーの保護性能を改善する6ヶ所のボルト留めとした。
また、コックピットをドライバーに適合する人間工学センターコンソールに再設計。エアコンディショナーも初めて導入した。ポルシェでは、理想的な室内冷房を行うとともに、シートとドライバーのヘルメットに直接接続することで、ドライバーの効率的な冷房を可能にするほか、レース中の集中力と安定したパフォーマンスが維持される、と説明する。
価格は459,000ユーロ(約5,995万円)で、2018年12月以降に納車予定という。