マセラティ2018年モデルを発表|Maserati
Maserati Ghibli|マセラティ ギブリ
Maserati Levante|マセラティ レヴァンテ
Maserati Quattroporte|マセラティ クアトロポルテ
マセラティ2018年モデルを発表
マセラティ ジャパンは先日発表した「グラントゥーリズモ」「グランカブリオ」に続き、「ギブリ」「レヴァンテ」「クアトロポルテ」の2018年モデルを発表した。
Text & Photographs by UCHIDA ShunichiPhotographs by UCHIDA Chizuko
新たなトリムラインを導入
マセラティの3車種が2018年モデルにアップデートされ一挙同時に披露された。
今回発表された3モデルに共通しているポイントは3つある。ひとつは「グランルッソ」と「グランスポーツ」という2種類のトリムオプションが設定されたこと(クアトロポルテには既に設定済)。次に先進運転支援システム「ADAS」が2に進化し、それに伴い電動パワーステアリングを採用。最後はソフトクローズドア(オートクロージャ—)が装備されたことである。
グランルッソはマセラティのラグジュアリー性をより強調したもの。グランスポーツはその名の通り、スポーティイメージをより強調したものである。これらトリムオプションとは別に、通常の標準仕様も設定されており、合計で3つの仕様が選べることになる。
ギブリ──2つのトリムオプションとADAS2により、さらに進化
今回最も変更が大きかったのは4ドアサルーンの「ギブリ」だ。2つのトリムオプションを採用するにあたり、フロント及びリアバンパー形状が変更された。これによりCd値が0.31から0.29へ改善され、同時に燃費も向上している。
そのトリムオプションのひとつ、グランスポーツでは、よりスポーティな印象を与えるため、グリルがブラックとなり、またバンパー形状が変更されている。さらに、リアコンビネーションランプも変更されたほか、フロントフェンダー下の部分にグランスポーツのロゴが配された。
インテリアでは、スポーツシート、スポーツペダル、パドルシフトを備えたスポーツステアリングを採用し、よりスポーティな印象をより強めている。
一方グランルッソのフロントグリルはクロームが配されるほか、フロントバンパー形状が変更され、よりエレガントなデザインとなっている。そして、サイドは同じようにグランルッソのバッジを装備。テールランプの形状はグランスポーツと同様に新しいデザインが採用された。
インテリアでは「クアトロポルテ」と同様に、エルメネジルド ゼニアとのコラボレーションで誕生したシルクとレザーのコンビネーションのシートが標準装備となっているほか、ウッドトリム、ハーマンカードンのプレミアムサウンドシステムなどを搭載し、マセラティが持つエレガントさをさらに強調する仕様となっている。
Maserati Ghibli|マセラティ ギブリ
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マセラティ2018年モデルを発表 (2)
運転支援システムが進化
2018年モデルとして導入されるエンジンは、ディーゼルとガソリンエンジンで、ガソリンエンジンは2種類。そのひとつ、「SQ4」に搭載されるV6エンジンはこれまでの410psから430psにアップグレード、トルクも30Nmプラスされた。駆動方式に変更はなくFRとAWD(ガソリンのみ)である。トランスミッションも8段オートマティックが引き続き採用されている。
テクノロジー面としては、これまでのスタビリティコントロールを進化させた車両統合制御システム(IVC)を搭載。車両の不安定な動きを事前予測し、不安定な動きを修正する。そのほか、マトリックステクノロジーを採用したアダプティブ フルLEDヘッドライトが新規に装備。これによりデザイン面で精悍さが増したと同時に、視認性が20パーセント向上したという。
最後は先進運転支援システムが「ADAS2」になったことだ。2017年モデルよりADASは搭載されており、アダプティブ クルーズ コントロール、レーン デパーチャー ワーニング、フォワード コリジョン ワーニング、サラウンド ビュー カメラという機能が備わっていた。そこに 2018年モデルからはアクティブ ブラインド スポット アシスト、レーン キープ アシスト、標識認識という新しい3つの機能が加わったのだ。
グレード構成は、ディーゼルエンジンの「ギブリ ディーゼル」、ガソリンエンジンは「ギブリ」「ギブリ S」「ギブリ SQ4」で、このすべてにグランルッソとグランスポーツのトリムオプションが選択可能である。
さらに、内外装のカラーの組み合わせでは、エクステリア10種、ホイール9種、ブレーキキャリパー5色、インテリアカラーは9色、トリム6色と2万5,000通りに近い組み合わせが可能で、ユーザーの好みに合わせた1台を作り上げられるという。
この新型ギブリについてマセラティジャパン代表取締役グイド・ジョバネッリ氏は、「私が個人的に最も美しいマセラティだと思っているモデルです。マセラティジャパンにとっても販売の1/3を構成するモデルなのです」とコメントしていた。
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マセラティ2018年モデルを発表 (3)
レヴァンテ──右ハンドルガソリンエンジン投入
2016年末より日本にも導入が開始されたSUVモデル「レヴァンテ」も、2018年には若干の改良が施された。最大のポイントは左ハンドルのみの設定であったガソリンモデルに、新たに右ハンドルが設定されたことが挙げられる。これによりジョバネッリ氏は「これまで非常に高かったディーゼル比率は下がるだろう」と述べる。
レヴァンテにもグランルッソとグランスポーツのトリムオプションが用意される。グランスポーツは、フロントグリルがクロームになり、保護プレート(フロントアンダーカバー)もメタリック仕上げになるなど、よりエレガンスを強調するようなエクステリアだ。インテリアはギブリと同様、エルメネジルド ゼニアがシルクとレザーのコンビネーションを使ったインテリアとなり、ウッドトリム、ハーマンカードン サウンドシステムなどを搭載している。
グランスポーツはフロントのグリル、保護プレート、ブレーキキャリパーが黒になるなどスポーティな印象を高めている。インテリアはスポーツシート、スポーツペダル、スポーツステアリングホイールが装備される。
クアトロポルテ——パワーユニット強化
マセラティのフラッグシップサルーン「クアトロポルテ」も2018年モデルでは、パワーユニットを強化。「クアトロポルテ S」「クアトロポルテ SQ4」に搭載される3リッターV型6気筒エンジンは、430ps、580Nmと20ps、30Nm向上。これにより0-100km/h加速もクアトロポルテSが5.0秒(前年モデル5.1秒)、クアトロポルテSQ4は4.8秒(前年モデル4.9 秒)を記録した。
また、車両統合制御システム(IVC)およびレーン キープ アシスト(LKA)、アクティブ ブラインド スポット アシスト(ABSA)、交通標識認識(TSR)などの先進運転支援システム、電動パワーステアリング(EPS)も搭載され、運転支援システムもADAS2となった。ヘッドライトにはアダプティブフルLED 技術を採用し、視認性を向上させている。
世界、日本とも順調なマセラティビジネス
マセラティの販売状況はグローバル、日本とも非常に順調だ。マセラティジャパン代表取締役グイド・ジョバネッリ氏によると、「2009年から2012年のあいだ、グローバルでは年間6,000台余りでした。そこから2013年以降ギブリやクアトロポルテといった新しい商品レンジを投入することで約1万2,000台になり、2014年と2015年には3万2,000台、2016年には4万2,100台に上昇。そして、2017年はレヴァンテが通期で販売されるので5万5,000台近くになるでしょう」と見通しを述べる。
一方日本市場にマセラティは1957年に参入。「2012年の販売台数は300台あまりでした」とジョバネッリ氏。しかし、「新しいプロダクトレンジを投入し2014年、2015年には1,500台あまりと順調に販売を伸ばし、2017年は1,900台から2,000台のあいだに到達する見込みです」と述べ「新しい商品レンジを投入したということが大きな成長要因です」と話す。
特にレヴァンテは「日本での販売台数の50パーセントをカバーしています。さらにそのユーザーの90パーセントは初めてマセラティを購入される方で、既存のマーケットをカニバリゼーションすることなく新しいお客様を増やすことができています。その結果、ボリュームにつなげることができたのがとても重要なことなのです」とコメントし、マセラティビジネスが日本においても好調であることをアピールした。