市販モデルをベースとするレースの頂点へ|Bentley
CAR / NEWS
2017年8月28日

市販モデルをベースとするレースの頂点へ|Bentley

Bentley|ベントレー

市販モデルをベースとするレースの頂点へ

ベントレーはラグジュアリーだけのブランドではない。歴史的に見てもモータースポーツに相当に力をいれており、現代でも、各地のレースにおいて輝かしい成績を残している。

Text by SAKURAI Kenichi

完璧なレース運びで勝利

ブランパンGTシリーズは、市販スポーツカーをベースにしたGT3カテゴリーのマシンで戦われる年間12ラウンドのシリーズ戦だ。2014年シーズンにスタートし、ステージとなるサーキットは、例えばポール リカール(フランス)やモンツァ(イタリア)、ブランズ ハッチ(イギリス)、そしてスパ フランコルシャンなど、欧州の名だたるサーキットがリストに載る。レースは耐久レースの「エンデュランス カップ」と比較的距離の短いレースの「スプリント カップ」というふたつのプログラムから構成されている。

ベントレーは、コンチネンタルGT3で、このブランパンGTシリーズにワークス体制で参戦。初年度の2014年シーズンはシリーズを通したチームランキングで7位、2015年シーズンは年間チームランキングが2位、昨年の2016年シーズンは年間チームランキングが5位という結果を残しており、つねに上位争いを繰り広げている。

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シリーズ戦の中でも人気、注目度ともに高いスパ フランコルシャン24時間レース(7月27-30日)の前哨戦として位置づけられる今年のポール リカール1000km(6月23-24日)では、ベントレー チームMスポーツの8号車、ベントレー・コンチネンタルGT3(アンディ・ソウセック/マキシム・スーレ/ビンセント・アブリル)が参加50台を超えるなか、予選を8位で通過。8番目というまずまずの決勝グリッドスタートで、上位進出を狙った。

レース本番。5番手まで順位を上げていた8号車のベントレー・コンチネンタルGT3は、スタートから20分後、ポルシェとフェラーリが絡むアクシデントでフルコース イエローが出されたタイミングでピットイン。ベントレー チームMスポーツのレースディレクターであるブリアン ガッシュをして「完璧なピットストップだった」と言わしめ、その後8号車は見事にトップに立った。4時間後に一度トップを他者に譲ったものの、ふたたび首位を奪い返し、安定したレース運びを展開。「完璧なレース」とブリアン ガッシュが振り返るように2位に30秒もの差を付けて堂々トップでチェッカーをくぐった。

ドライバーのヴィンス・アブリルは、「それは信じられないほどのレース展開だった。このレースは私の最初の耐久レースの勝利でもある。チームは完璧に機能した。この勝利は過去最高の歓びに値するもので、次戦のスパが楽しみでしかたがない」と語り、また同じくドライバーのマキシム・サウレットは、「それまでは無我夢中だったが、8周を走って2位に30秒の差をつけたので、プレッシャーを取り除くことができた。暑さとの戦いもあって厳しいレースではあったものの、この勝利は素晴らしい」コメント。アンディ ソウセックに至っては、「完璧だった!クルマは完璧だった、戦略は完璧だった、ピットクルーは完璧だった、私のチームメイトも完璧だった。私たちが持てるすべての要素が集まって、私たちが常に最高の能力を発揮していることが再確認できた」と歓びを爆発させた。

しかし、ベントレー モータースポーツの活躍はこれでは終わらなかった。それは大西洋を挟んだ北米で起こった。

Bentley|ベントレー

市販モデルをベースとするレースの頂点へ(2)

直後に北米でも勝利

ポール リカール1000kmにおける歓喜の勝利から約6時間後、米国はウィスコンシン州ロード アメリカで同日に開催されたピレリ ワールド チャレンジのラウンド4において88号車のベントレー チームアブソリュートが見事に優勝を果たしたのだ。

ピレリ ワールド チャレンジはGT3マシンが中心となる北米を転戦する人気のレースカテゴリーで、全11戦で競われる。88号車ベントレー チームアブソリュートは、予選2位つうかで獲得したフロントロウのグリッドから決勝をスタート。50分のスプリントレースを制したこの栄光は、2位のポルシェ911GT3を0.239秒抑えたスリリングなバトルの末の勝利。タフなレースを制した同チームは、今後の自信にも繋がったはずだ。

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88号車をドライブしたアデリー・フォンは、「去年何度も勝利に近づいてきたので、今年こそはというその気持ちが結果に結び付いて本当に嬉しい。チームクルーの努力に応えることもハッピーだ。ベントレー コンチネンタルGT3は、このコースで素晴らしパフォーマンスを発揮した。次のラウンドでも、好調を維持できれば、勝利の女神は我々に微笑むだろう」と語った。

6月の最終週は、ベントレーに世界を股にかけた幸福な時間をもたらした。

そして迎えた7月の最終週、ブランパンGTシリーズのなかでも1、2位を争う人気レース、スパ フランコルシャン24時間(7月27-30日)では、決勝に進出した全63台中、ベントレー チームMスポーツが2位でフィニッシュ。見事に表彰台をものにした。この勝利は、アクシデントでフロントセクションを大きく損傷しながらももぎ取った会心のリザルト。ベントレーの強さは、誰もが本物だと疑わないだろう。

歴史あるラグジュアリーブランドとして知られるベントレーは、レースでの活躍もまた伝統である。文武両道ともいえるこの強さと存在感がもたらすレースでの勝利は、ベントレーが単なるラグジュアリーブランドではない比類なき存在であることを無言にうちに示しているのだ。

           
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