Cd値0.27 CO2排出量98g/km 価格は23,978.50ユーロ

「白紙の状態からスタートできることは自動車の開発ではほとんどない。我々のエンジニアは、大きなチャンスを得た」

メルセデス・ベンツのDieter Zetsche博士が語るように、凹凸のあるボディ、V字型を強調した長いフロントノーズ、スリーポインテッドスターから伸びる2本のストラット、スムーズなルーフラインなど、大きく印象を変えたことで話題を呼んだ、あらたな「Aクラス」の詳細をメルセデス・ベンツは発表した。

全長4,292x全幅1,780x全高1,433 mmのボディサイズは、BMW 1シリーズ（全長4,340×全幅1,765×全高1,411mm）やアウディ A3スポーツバック（全長4,290×全幅1,765×全高1,430mm）が直接のライバルとなるだろう。

インテリアはアーキテクチャを共有し、「メルセデス・ベンツ2020」と称される、メルセデス・ベンツの今後の事業計画においてともに牽引役を果たす、「Bクラス」に近く、電気メッキ処理をしたパネル、5つの丸いエアコンの吹き出し口、ピアノフィニッシュの液晶パネルなどが特徴だ。

デザインとエアロダイナミクスを融合させたというボディは空力的にすぐれ、Cd値は0.27を達成。ディーゼルエンジンモデルの「A 180 CDI」でCO2排出量98g/kmという環境性能を誇る。ディーゼルモデルではさらに「A160 CDI」、「A200 CDI」とトップモデルとなる「A220 CDI」がラインナップされ、「A220 CDI」は最高出力120kW（170ps）、最大トルク350Nmを発生しながらも4.3ℓ/100kmという燃費になるという。この「A220 CDI」のドイツでの市場への登場は12月が予定されている。

ガソリンエンジンモデルは「A200」がハイライト。最高出力115kW（156ps）と最大トルク250Nmを誇りながら、5.4ℓ/100kmという燃費になる。CO2排出量は127g/km。これは先代のモデルと比較して26パーセントの環境性能の向上だ。また、ガソリンエンジンモデルのトップグレードは最高出力155kW（211ps）、最大トルク350Nmを発生しつつも、燃費は6.1ℓ/100km、CO2排出量は143g/kmになるという。

トランスミッションは6段マニュアルと7段デュアルクラッチオートマチック「7G-DCT」が用意される。またメルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデルを手がけるAMGが開発当初から参加している今回のAクラスには、AMG色の濃い「A250 Sport」と「A220 CDI Sport」というバージョンも存在し、こちらは光沢仕上げの黒、あるいはシルバーの5スポーク軽量合金ホイール（235/40 R 18）と、赤いブレーキキャリパーを装備。フロントグリルも「ダイヤモンドグリル」と名付けられた特殊なフロントグリルとなり、仕上がりはコンセプトモデルにもっとも近いものになるようだ。

その他、Urban、Style、AMG Sportという3つのスタイルオプションとNight、Exclusive、AMG Exclusiveという3つのデザインパッケージを基本に、多数のカスタマイズオプションを用意し、ユーザーは個性的なAクラスを生み出せるという。一例として、インテリアライトシステム、スポーツシート、コントラストステッチなどが挙げられている。

いっぽうで、安全性は価格にかえられないと語るメルセデス・ベンツは、全モデルにレーダー技術を使った「衝突予防アシスト（COLLISION PREVENTION ASSIST）」システムを標準装備。

ドイツでの販売価格は1.6リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力122psを発生する「A180 BlueEFFICIENCY」で2万3,978.50ユーロだ。（最高出力136ps（100ｋkW）、6段マニュアルトランスミッションのBMW 116iは2万3100ユーロ、最高出力125ps（92kW）、6段マニュアルトランスミッションのアウディ A3 スポーツバック 1.4 TFSIは2万3,800ユーロ）