ハイパフォーマンス コンセプト「M4 GTS」を公開|BMW
BMW Concept M4 GTS|ビー・エム・ダブリュー コンセプトM4 GTS
ハイパフォーマンス コンセプト「M4 GTS」を公開
BMWのモータースポーツ部門を担うBMW M GmbH.は、カリフォルニアで13日から開催されているモントレー カー ウィークエンドにおいて、「M4」をベースとした特別モデルのコンセプト「M4 GTS」を公開した。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
サーキットの技術を公道へ
BMW「4シリーズ クーペ」をベースにしたハイパフォーマンスモデル「M4」の登場から1年。BMW M GmbH.は公道でもレーストラックでも使えるさらに過激な「M4 GTS」のコンセプトを発表した。
今回公開されたコンセプトM4 GTSは、後日公開されるプロダクションモデルに向けた、技術的なショーケースだという。その技術はサーキットから転用されたものであり、たとえば「M4 MotoGP セーフティーカ—」でもちいられた画期的なウォーターインジェクションシステムや、有機LEDのリアライトなどが挙げられる。
このウォーターインジェクションシステムは、インテークマニフォールドに水を噴射して気化熱で温度を下げるシステム。エンジンがノッキングするのを抑え、ターボ圧をあげることができ、出力やトルクの向上につながるという。また、温度を下げることができるので、直列6気筒ターボエンジンの耐久性や安定性への効果ももつ。パワートレーンの温度管理には、追加の高温用と低温用の回路をそなえたラジエーターや、ターボチャージャー冷却用の電動ウォーターポンプも採用されている。
公開されたモデルは、ボディカラーにフローズン ダークグレー メタリックをもちい、アシッドオレンジがフロントスプリッターに差し込まれるスポーティなもの。ホイール内側にもおなじくオレンジがアクセントとしてあしらわれる。タイヤはフロント265/35R19、リア285/30R20という前後異形サイズのミシュラン スポーツカップ2を装着。市販時には、オプションでCFRP複合のホイールも用意される予定だ。
CFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)製のフロントスプリッターと固定式のリアウィングは手動で調整が可能。このCFRPはボンネットにも採用され、低重心化に貢献している。
「M4クーペは、モータースポーツの遺伝子と日常使いのモデルとしての性格をあわせもったクルマですが、コンセプトM4 GTSは特別パワフルでエクスクルーシブなエディションであり、先駆的なテクノロジーを搭載し、激しいスポーツ走行にも適したモデルです。そして、その高いサーキット走行性能にもかかわらず、公道での使用も問題なく可能なのです」とBMW M GmbH.では説明する。
M4 GTSは、モデル名こそ変わったものの、1988年の「M3エボリューション」からはじまり「M3スポーツ エボリューション(1990年)」「M3 GT(1995年)」「M3 CSL(2003年)」「M3 GTS(2010年)」、そして2011年に登場した「M3 CRT」と、受け継がれてきたM3の特別モデルたちの系譜に連なることになる。