新型フィアット「500」が登場|Fiat
そのアイデンティティは不変
新型フィアット「500」が登場
フィアットは7月4日、コンパクトハッチモデルのフィアット「500」をはじめて刷新。ニューモデルを披露した。2007年のデビュー以来全世界で150万台を売り上げるヒットモデルの最新型はどんな仕上がりか。
Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
アイコン的モデルを熟成
フィアット「500」があたらしく生まれ変わった。といってもそのルックスのちがいは、2007年に発売された現行(フィアット500としては3代目)と、ほとんど見分けが付かない。が、それにはもちろん理由がある。
今回の刷新にあたりフィアットは、「ボディサイズを大きくすることはしませんでした。より多くのテクノロジー、エンジンバリエーション、そしてカスタマイゼーションのアイディアを用意し、このアイコン的存在のモデルをさらに名車とすべく、進化させ洗練させることを選びました」と、公式リリースの冒頭で述べている。
新型フィアット500のボディサイズは、全長357×全幅163×全高149cm、ホイールベースも230cmとほぼおなじ寸法。それでも今回のフェイスリフトで、フィアットは1,800もの箇所で改良を施したという。フロントのエクステリアでまず目に付くのは、あたらしいヘッドライトと、その下に配置されたLEDのデイタイム ランニングライト。そしてリデザインされたフロントグリルまわりだ。
これまで“FIATのエンブレム”をセンターに水平基調のクロームバーが1本入れられていたが、新型ではその真下にあるエアインテークと、ラジエターグリルの両サイドにも追加。またラジエターグリル自体も、オプションとはなるが、これまでのブラックアウトされたハニカム状のものから、ダイヤモンドフィニッシュドと呼ばれる3次元デザインのものへと変更された。ひっそりフォグランプも追加されている。
リアセクションでは、テールライトをリング状のデザインに変更し、リアフォグライトとバックライトはバンパー下部へ移動となった。15インチまたは16インチで用意されるホイールも、ラジエターグリルと同様の意匠をもったデザインで一新されている。
そのアイデンティティは不変
新型フィアット「500」が登場 (2)
インフォテイメントを充実
新型フィアット「500」のインテリアにかんしても、基本的にはキープコンセプトだが、ステアリングホイールは新デザインとなり、シートには9つのカラーコンビネーションがあらたに用意された。人間工学に基づいた新設計で快適性をアップしただけでなく、後席への移動も容易にしているという。
またその他の大きなトピックスとしては、「Uコネクト」と呼ばれるフィアット・クライスラー・オートモービルズの最新のドライバーインターフェースを全車標準で装備したことだろう。大型タッチスクリーン式モニターを中心としたこのシステムは、ナビゲーションや各種メディアに対応するオーディオシステム、電話や各種情報を統合的にコントロールするものだ。
欧州仕様車にラインナップされるエンジンは、CO2排出量や燃費が若干改善されてはいるものの、こちらも先代と基本的におなじだ。もちろんすべてユーロ6をクリアする。
最高出力85psと105psという2つの仕様が用意される0.9リッターの直列2気筒ツインエアエンジンをはじめ、69psを発揮する1.2リッター直列4気筒のガソリンエンジンとバイフューエル(LPG&ガソリン)、95psを発揮する1.3リッター直列4気筒マルチジェット IIディーゼルが設定され、これに5段または6段MTのほか、シングルクラッチ式AT「デュアロジック」が組み合わされる。駆動方式はすべてのモデルでFFだ。
新型フィアット「500」のラインナップは、3ドアハッチバックモデルにくわえ、従来通りソフトトップを備えるオープンモデル「500C」も引き続き販売される。バリエーションはそれぞれ「Pop」「Popstar」「Lounge」という3つで展開され、エントリーグレードとなるPOPには、7エアバッグ、「Uコネクト ラジオ5」インフォテイメントシステムと6個のスピーカー、 AUX-IN & USBポート、LEDデイタイムランニングライトなどが標準装備。
Popstarはそれにくわえ、マニュアルエアコン、クロームメッキのサイドミラーカバー、ビンテージスタイルのホイールが、そして最上級グレードのLoungeには、パノラミックグラスサンルーフ、15インチアロイデザインホイール、クロームメッキされたフロントグリルにくわえ、スマートフォンと連携可能な「Uコネクト ラジオ5 ライブ」インフォテイメントシステムが搭載され、多くのアプリケーションを利用することができるという。