Jaguar|ジャガー 3車種の2012年モデルを発表
Jaguar|ジャガー
3モデルの2012年モデルを発表
ジャガーは、XF、XK、そしてフラッグシップであるXJの3車種の2012年モデルをニューヨークオートショーにてお披露目した。
Text by OPENERS
ジャガーのなかでもっとも高い環境性能
今回、発表された2012年モデルの変更点を順を追って説明していこう。まずはXFだ。エクステリアにかんしては、グリル、ボンネット、それぞれが筋肉質な印象を。あらたに三角形のサイドベントを採用し、ヘッドランプは明度の高い照射をおこなうHIDキセノン技術が用いられ、デザインは細目に生まれ変わった。この意匠は、かつてXFが市販される以前の2007年 北米国際オートショーで登場した「C-XF」に似た顔つきをつくりだしている。テールランプのユニットは、トランクリッドの中央部まで広げられ、ブレーキランプ、テールライトにLEDを採用。3色のあたらしいボディカラーを追加し、ホイールも17インチから20インチまで幅広い選択が可能だという。
2012年モデルのトピックだと言えるのが、XFにあらたに搭載される新開発の2.2リッター 4気筒ターボディーゼルエンジンだ。このエンジンは、低摩擦のピストンと、水冷式ターボチャージャーの採用、アクティブエンジンマウントやサンプ、エンジンブロックの見なおしをおこなったことでNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)レベルを低減し、乗り心地の向上を実現した。最高出力190ps、最大トルク450Nmで、0-100km加速は8.0秒で到達。最高速度は225km/hである。その一方で、欧州複合モードによる計測で、CO2排出量は149g/km、燃費52.3mpgという数値を記録。ユーロ5の基準にクリアし、ジャガー車でもっとも環境性能に優れたクルマとなった。
トランスミッションにかんしても、新開発のZF製8段オートマチックが採用され、たった0.2秒という迅速なギアシフトを可能にしたという。また、的確にエンジンのオン/オフをコンピュータで制御する「インテリジェント・ストップ/スタート」が、今回ディーゼルエンジンを搭載するプレミアムサルーンで、初採用された。
独特なキャラクターが際だった顔立ち
つぎにXKは、XFのようにヘッドランプがスリムになったのと同時に、LEDシグナル機能、ランニングライトを組み込んだ。ひとまわり大きくなった楕円のグリルに、あたらしいバンパーデザインは、独特なキャラクターをより強調しているかのようだ。ボディカラーは5色の新色をふくむ17色を用意。そして11種類のことなるデザインと18インチから20インチまでを選択できるアロイホイールと、自在な組み合わせを楽しめるのも魅力だ。
エンジンは、今回で第三世代となるV型8気筒 5.0リッターエンジン。軽量なアルミニウムでつくられるこのエンジンは、多孔式スプレーガイデッド燃料インジェクション(SGDI)やトルク駆動可変カムシャフトタイミング(DIVCT)などにより、パワーだけでなく、燃費も向上させているという。
インテリアにかんしては、センターコンソールが艶やかなブラックで染められ、あたらしいウッド素材を使用したトリム、さまざまなカラーバリエーションなどによって、豪華で包み込まれるような空間を演出したとしている。さらに、先日のジュネーブモーターショーで発表したXKのフラッグシップモデル「XKR-S」で標準装備されるスポーティなパフォーマンスフロントシート、イタリアの家具メーカー ポルトローナ・フラウ社製のヘッドライニングをオプションで取りつけることができる。
ラグジュアリーなインテリアを設えたジャガーのフラッグシップ
最後に、ジャガーのフラッグシップであるXJ。XF、XKほどの大きな改良点は見られないものの、インテリアを中心に、ラグジュアリーな仕様が追加されている。リアシートに採用された「リアシートコンフォートパッケージ」には、電動バックレストのリクライニング角度調整機能、4方向ランバーサポート、そしてマッサージ機能までつくという。
ロングホイールベースモデルの「ポートフォリオ」には、“キャビン内をモバイルオフィス化した”とジャガーが謳う「エグゼクティブパック」を新設定。その内容は、ラップトップを置くための折りたたみ式トレイや、プライバシー確保のための電動リアサンブラインド、そのほかグレードの高いカーペット、グロス仕上げのウッドパネルなどがふくまれる。
このたびの発表にたいしてデザイン ディレクターのイアン・カラムは「世界はここ数年で、まったくあたらしいジャガーの姿を目にしてきました。2012年モデルのXK、XF、XJ は、境界線を打ち破るデザインを纏った製品です。わたしたちのクルマによって得ることのできる感動、興奮が、お客様と共鳴することを確信しています」と、確固たる自信の言葉を述べた。