BMW 3シリーズがマイナーチェンジ|BMW
BMW 3 Series|ビー・エム・ダブリュー 3シリーズ
BMW M3|ビー・エム・ダブリュー M3
3シリーズ初の3気筒モデルをラインナップ
BMW 3シリーズがマイナーチェンジ
BMWは先日、欧州にて「3シリーズ」のマイナーチェンジモデルを発表した。注目は3シリーズ初となる3気筒モデルやプラグインハイブリッドモデルの追加ラインナップ。低燃費に注力したクリーンディーゼルエンジン搭載車「320dエフィシェントダイナミクス エディション」の燃費効率をさらに向上するなど、環境性能のアップデイトを中心におこなわれている。
Text by SAKURAI Kenichi
登場から40周年。1,400万台余りを販売
BMW「3シリーズ」は、1975年に初代モデルが登場。以来40年にわたってBMWの屋台骨を支えてきた中核モデルである。これまで全世界のユーザーに届けられた3シリーズは1,400万台以上、総生産台数の約25パーセントを占めるのだという。BMWは3シリーズセダンとツーリングを「BMWブランドでもっとも成功したモデル」と位置づけ、重要視している。
今回のマイナーチェンジでは、内外装デザインの変更点を最小限に留め、パワートレインを中心に実質的なリファインを敢行している。エクステリアでは、よりシャープでスポーティなデザインに改められたフロントヘッドライトと、リアコンビネーションライトのリデザインに気づくはずだ。ヘッドライトでは、LEDのポジションランプがキドニーグリルから左右の丸目4灯部分にまで続く新意匠に改められた。
リアコンビネーションライトは、全体的に表面のレンズが赤一色に統一され、バックライトがL字型をモチーフとしたデザインの上部から下部へと移設されている。細かな変更点だが、BMWを見慣れた人にはちがいがわかりやすいはずだ。
注目はパワーユニットで、従来型の4気筒から6気筒のガソリン及びディーゼルエンジンではターボチャージャーをアップデイトし、さらに燃費性能を向上。従来のパワーユニットと比較して、最大で11パーセントの燃費向上を果たした。これにともない二酸化炭素の排出量も各エンジンで低減されている。
欧州市場でエントリーモデルとしてラインナップしていた4気筒ガソリンエンジンを搭載していた「316i(セダン/ツーリング)」は「318i」となり、あたらしい3気筒エンジンに置き換えられた。この3気筒エンジンは、すでに「2シリーズアクティブツアラー」に搭載され日本にも導入されているパワーユニットで、3シリーズへの搭載は初めてとなる。総排気量1,499ccのDOHC4バルブターボとなるこのエンジンは、最高出力100kW(136ps)/4,400-6,000rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1,250-4,300rpmを発揮。アイドリング+αの回転域から最大トルクを発生する街中でも使いやすいエンジンとして定評がある。
BMW 3 Series|ビー・エム・ダブリュー 3シリーズ
BMW M3|ビー・エム・ダブリュー M3
3シリーズ初の3気筒モデルをラインナップ
BMW 3シリーズがマイナーチェンジ (2)
2016年にプラグインハイブリッドモデルも
現在の日本でのエントリーモデルは、最高出力135kW(184ps)のパフォーマンスを得た排気量1,997ccの直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載する「320i」だが、この3気筒の318iに置き換えられる可能性が濃厚だ。
Dセグメントのダウンサイジングエンジンもついにここまできたかという印象を持つ方も多いだろうが、トルクフルな特性は街中でも使いやすく、BMWというブランドの持つ走りへの期待値を裏切るものではない。BMWでは3気筒エンジンのこうしたキャラクターを、「3気筒の燃費と4気筒のパワーを併せ持ったエンジン」と紹介している。ちなみに欧州仕様の燃費は、8段ATのECE複合値でリッターあたり18.5 - 20kmをマーク。この数値だけでもじゅうぶん魅力的だろう。
さらに、総排気量1,995ccの直列4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した燃費性能をセールスポイントしている「320dエフィシェントダイナミクス エディション」では、これまで以上に効率的な走行性能を実現。低転がり抵抗のタイヤや8段ステップトロニックトランスミッション、エアロダイナミクスに改良を施した専用のマスクド キドニーグリル、車高の引き下げなどのリファインによって8段ATのECE複合値でリッターあたり24.3 - 26.3kmの好燃費と99g/kmの低二酸化炭素排出量をマークする。これは、従来比で3パーセントの燃費向上になるという。
くわえて2016年には「330e」と呼ぶ、外部電源による充電が可能なプラグインハイブリッドモデルも追加される。搭載されるパワーユニットは、135kW(184ps)の2リッターの直列4気筒ガソリンエンジンと、80kWの電気モーターを組み合わせたもので、最高出力185kW(252ps)、最大トルク420Nm(42.8kgm)のシステム合計出力を発生する。225km/hの最高速度と、0-100km/h加速が6.3秒というパフォーマンスをもちながら、フル充電時には約35kmのゼロエミッション走行(EV走行)が可能。気になる燃費はECE複合値でリッターあたり47.6km、二酸化炭素排出量は49km/gとなる。
3シリーズのマイナーチェンジモデルは、早ければ年内に日本でも販売されると予想されている。特に3気筒エンジンを搭載したエントリーグレードは、どちらかといえばこれまでマルチシリンダー高級志向がメインストリームだった、Dセグメントセダンの常識を覆す可能性を秘めたダウンサイジングモデルとして注目したい。
BMW 318i|ビー・エム・ダブリュー 318i
ボディサイズ|全長 4,633 × 全幅 1,811 × 全高 1,429 mm
ホイールベース|2,810 mm
トレッド 前/後|1,543 / 1,583 mm
重量|1,400 kg
エンジン|1,499 cc 直列3気筒ツインパワーターボ
ボア×ストローク|94.6× 82.0 mm
圧縮比|11.0 : 1
最高出力| 100 kW(136 ps)/ 4,400–6,000 rpm
最大トルク|220 Nm(162 kgm)/ 1,250–4,300 rpm
トランスミッション|6段MT / 8段ATステップトロニック
駆動方式|FR
サスペンション 前|ダブルジョイント スプリングストラット
サスペンション 後|5リンク
ブレーキ 前|ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|205/60 R16
0-100km/h加速|(MT)8.9秒 (AT)9.1秒
最高速度|210 km/h
燃費(ECE)|(MT)5.5–5.1ℓ/100km (AT)5.4–5.0ℓ/100km
CO2排出量|(MT)129–119 g/km(AT)126–116 g/km
トランク容量|480 ℓ
BMW 320d Touring|ビー・エム・ダブリュー 320d ツーリング
ボディサイズ|全長 4,633 × 全幅 1,811 × 全高 1,429 mm
ホイールベース|2,810 mm
トレッド 前/後|1,543 / 1,583 mm
重量|1,510 kg
エンジン|1,995 cc 直列4気筒ディーゼル ツインパワーターボ
ボア×ストローク|90.0× 84.0 mm
圧縮比|16.5 : 1
最高出力| 140 kW(190 ps)/ 4,000 rpm
最大トルク|400/ Nm(295 kgm)/ 1,750–2,500 rpm
トランスミッション|6段MT / 8段ATステップトロニック
駆動方式|FR
サスペンション 前|ダブルジョイント スプリングストラット
サスペンション 後|5リンク
ブレーキ 前|ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前/後|205/60 R16
0-100km/h加速|(MT)7.6秒 (AT)7.4秒
最高速度|(MT)230 km/h (AT)226 km/h
燃費(ECE)|(MT)4.7–4.3 ℓ/100km (AT)4.5–4.1ℓ/100km
CO2排出量|(MT)123–113 g/km(AT)119–109 g/km
トランク容量|495–1,500 ℓ