PHEVのランボ「アステリオン LPI 910-4」を公開|Lamborghini
Lamborghini Asterion LPI 910-4|ランボルギーニ アステリオン LPI 910-4
ランボルギーニ初のPHEV「アステリオン LPI 910-4」を公開
アウトモビリ・ランボルギーニは、パリ・モーターショーの開催にあわせておこなわれたフォルクスワーゲン グループの特別イベントで、同社初のプラグインハイブリッドとなるコンセプトカー、ランボルギーニ「アステリオン LPI 910-4」を初披露した。
Text by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)
900psオーバーのプラグインハイブリッド
パリ・モーターショーの前夜祭として開催されたフォルクスワーゲンナイトで、アウトモビリ・ランボルギーニは、同社初のプラグインハイブリッドカー(PHEV)となるランボルギーニ「アステリオン LPI 910-4」を発表した。
高出力ながら日常のドライブバビリティと快適性を実現し、あたらしいランボルギーニ エクスペリエンスを提供すると同社が謳う、このコンセプトモデルについてCEOを務めるステファン・ヴィンケルマン氏は「ランボルギーニは常に前を見据え、最新技術に投資をおこない、あたらしいベンチマークを設定し、予想を超えた製品をお届けする」と語る。
搭載されるパワートレインは、5.2リッターV型10気筒NAエンジンと3基の電気モーターによる組み合わせ。ミドに縦方向に配置されたエンジン単体で、560Nmの最大トルクと449kW(610ps)の最大出力を発揮し、これに出力220kW(300ps)の3基の電動モーターがくわわることで、ハイブリッドモードの合計出力は、最大669kW(910 ps)となる。
これはフラグシップモデル「アヴェンタドール LP 700-4」を210ps上まわり、「ラ フェラーリ」の963psに迫るものだ。もちろんこのフェラーリの特別モデルはV12エンジを搭載する。
ランボルギーニはこのアステリオンで、“魅力的で感動を与えるランボルギーニの走行体験を維持しながらも、CO2排出量を大幅に削減すること”を目的のひとつとしているが、それはCO2排出量98g/kmという他社を圧倒する数値をもって達成されたという。アステリオンは、EVモードのみでも50kmの距離を走行可能とし、燃費はヨーロッパの複合サイクル(NEDC)で、100km当たりわずかに4.12リットル(24.27km/ℓ)だ。
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0-100km/h加速は、わずかに3秒
トランスミッションは、最新のベイビーランボ「ウラカン」にも搭載された7段デュアルクラッチをエンジン後方のリアトランスアクスルに設置し、リアにパワーを伝える。リチウムバッテリーは、通常トランスミッションが置かれる中央トンネル部分に縦方向にレイアウト。これにより車体のバランスが改善され、衝突によって側面から衝撃を受けた場合にもバッテリー部分が保護されるという。
アステリオンのハイブリッド構成は、前述したとおりエンジンと3基の電気モーターによる組み合わせとなるが、3基ある電気モーターのひとつはリアホイールを、トルクベクタリング機能をそなえた残りの2基はフロントホイールを駆動する。ことなる2つの走行モードが用意され、ハイブリッドモードでは、バッテリーの充電状態に左右されずに常時4輪の駆動を確保。EVモードではフロントの2基の電動モーターのみで走行する。
ハイブリッドモードでのトップスピードは320km/h。0-100km/h加速は、わずかに3秒だ。EVモードでも最高速度は125km/hにまで達するという。
シャシーはカーボンモノコックを採用。エクステリアは他のモデル同様、アステリオンもランボルギーニのチェントロ・スティーレでデザインされた。アヴェンタドールやウラカンなどで見られた多角形をモチーフとしたトレンドを活かしながらも、曲線を多用し官能的なイメージをもち、アステリオンの力強さを際立たせながらも、スマートで優美なラインを実現している。フロントエンドは、一体化した部品として形成され、フォージドカーボンとチタンで製造されたヘッドライトは4つの“目と眉”を連想させる。
フロントのエアインテークは、ランボルギーニでは初の2層グリッドを持つアクティ ブ空冷システムを採用。一層目のメタルグリッドと二層目のチタングリッドが噛み合った状態で組み合わされ、Y字状と六角形状の模様が立体効果を生み出している。
いっぽう、ドアは斜め上方に開くシザードアではなく、上斜め横に開くタイプのドアを採用し、乗り込む人が快適に座れるよう人間工学に基づいた空間設計をおこなったという。他モデルと比べ直立したフロントガラスを用い、頭上の空間をより広く拡張。それにより快適な車内空間を生み出した。
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「アステリオン LPI 910-4」という名称
アステリオンのインテリアは、これまでのランボルギーニと比べると、極めてコンフォートだ。シートは他のスーパースポーツと比べても高い位置にあり、快適に日々の走りを楽しめるよう設定されている。アイボリーとブラウンのレザーの組み合わせが優雅さを引き立てている。
ステアリングホイールには3つのドライビングモードを選ぶセレクトボタンが備わる。“Zero”は「ゼロエミッション」、“I”は「Ibrido(ハイブリッド)」、“T”は「Termico(スポーツ)」だ。
またセンターコンソールには、ポータブルタブレットがレイアウトされ、天気、GPS、インフォテインメントシステムなどの機能を管理することもできるという。
最後に、「アステリオン LPI 910-4」という名称だが、今回も伝統にのっとり牛に関連する名前が与えられた。アステリオンは、神話上のミノタウロスの名前であり、ミノタウロスは一部が人間で一部が牛の、まさにハイブリッド(異種交配種)を象徴する存在なのだという。
そしてLPI。ランボルギーニファンならば、LPが意味する“Longitudinale Posterior(後方縦置き)”はご存知だと思うが、あらたにくわえられた“I”は、もちろん「Ibrido(ハイブリッド)」だ。
いよいよ今日から幕を開けるパリ・モーターショー。さらなる詳細が分かり次第、追って現地からのレポートもお届けする予定だ。