RRとなった新型トゥインゴ発表|Renault
Renault Twingo|ルノー トゥインゴ
RRとなった3代目ルノー トゥインゴ発表
ルノーは、ジュネーブモーターショーにおいて新型「トゥインゴ」を発表した。歴代トゥインゴはもとより、「ルノー5」からも多大な影響をうけたというデザインをまとった3代目は、リアエンジンで後輪を駆動するRRレイアウトをもって生まれ変わった。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
2種類のガソリンエンジンを搭載
ジュネーブモーターショーにおいて、ルノーは3代目となる新型「トゥインゴ」をワールドプレミアした。事前発表のとおり、従来よりも短いボディにより広い室内空間、そしてRRという最近では数すくないレイアウトをもつコンパクトモデルとしての登場だ。
最近のルノーの新型車にならい、このトゥインゴも人生の重要なシーンを6つで表現する、ライフサイクルストラテジーにふくまれ、第5のPLAYをあらわす。
新型トゥインゴは全長3.59×全幅1.64×全高1.55メートルというボディサイズに、四輪を極限まで外側に寄せることでホイールベース2.49メートルを確保。2代目にくらべて全長を10cm短くしながら、ダッシュボードからハッチドアまでの室内長は13cmも長くなっており、最大で220cmもの長尺物を搭載可能とする。
先代トゥインゴはもちろん、往年の「ルノー5」の影響も色濃く受けたというスタイリングは、コンセプトモデルとして発表されたEV「Twin'Z」や、V6エンジンをミドシップした「Twin'RUN」の特徴をそのまま受け継ぐ。そのフロントは、最新のルノーフェイスをつ。ヘッドライト端からボディサイドをまわりこみリアまでつながるラインは、フェンダー部分の盛り上がりを反映して太くなり、その力強い踏ん張り感を強調する重要なアクセントだという。
3代目はトゥインゴ史上初となる5枚ドアモデルだが、リアドアは新型「ルーテシア」とおなじようにCピラーとともにブラックアウトして隠され、遠目には2ドアのように見せる処理がほどこされる。
Renault Twingo|ルノー トゥインゴ
RRとなった3代目ルノー トゥインゴ発表 (2)
2種類のガソリンエンジンを搭載
ラゲッジルーム下に配されるエンジンは2種類。ともに水冷直列3気筒ガソリンエンジンで、狭い空間に設置するため、エンジン自体を斜め49度傾けているのが特徴だ。
「SCe 70」と呼ばれる新開発の999cc直列3気筒NAエンジンは、最高出力70psと最大トルク91Nmを発揮。このエンジンには販売地域のニーズにあわせてアイドリングストップ機能を組み合わせることもできる。もうひとつは、898cc直列3気筒ターボで最高出力90ps、最大トルク135Nmを誇る「Energy TCe 90」。こちらは排ガス規制EU6にあわせるため、アイドリングストップが標準で組み合わせられる。
バックレスト一体型となったフロントシートは、アップライトな運転姿勢になるよう設計されている。これはもちろん後席スペースを少しでも広くとるためと、さらには、新型トゥインゴの特徴である機敏なドライビングフィールをたのしんでもらうためでもあるとルノーは謳う。
運転にかんする情報は、ドライバーの正面に設置されたおおきな単眼メーターセナル内にすべて集約。周囲の白いリングはスピードメーターを兼ねており、その中央に情報がデジタル表示されるようになっている。コンソール中央には、ラジオをはじめとするインフォテイメント機能のスペースだ。
欧州仕様で用意されるマルチメディア端末は2種類。ひとつはほかのルノー車にも用意される最新式のインフォテイメントシステム「R-Link Revolution」。そしてもうひとつが「R&GO」とよばれるもので、車載ラジオと連携するスマートフォン向けアプリケーションとして提供される。
R&GOを装備すると、ラジオユニットにスマートフォンを固定できるユニバーサルマウントがそなわる。ここに、iOSまたはAndroid OS搭載のスマートフォンを設置しアプリケーションを起動すると、そのまま3Dナビやメディアプレイヤー、さらには車両の情報を受け取って表示する車載コンピューターとしての機能まで提供される。
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RRとなった3代目ルノー トゥインゴ発表 (3)
次期スマートと共同で開発
荷室の容量は219リットル。後席には50:50の可倒分割式のシートバックを採用し、リアシートを倒せば長さ1.35メートルまで、そして助手席まで倒すと2.20メートルのものまで積載が可能だ。
下にエンジンスペースがとられるため、FFレイアウトのコンパクトカーよりも荷室の床面が上昇しており、ドアシルとおなじ高さに設定されている。結果として、荷物の出し入れが容易であることと、ホイールアーチの影響を受けず空間をスクエアに利用できるというのは、不利を逆手にとった工夫といえる。
このほかにもセンターコンソールやグローブボックスをはじめ、ドアポケットやリアシート下に多くの収納やそれに付属するオプションが設けられ、ちいさなスペースを最大限活用できる仕掛けもほどこされる。
新型トゥインゴが、いままでのプラットフォームを一新し、スペース効率を追及したこのRRレイアウトを単一モデルで生産に漕ぎ着けたのも、ダイムラーと共同開発をおこなうことでコストを低減できたおかげだという。ダイムラーからは、現行型でもRRレイアウトをもつ「スマート」の次期モデルがちかい内にデビューする見込みだ。