トータルに素晴らしくよく出来たクルマ──BMW M440i xDriveクーペに試乗｜BMW

あらゆるところがこのクルマの“居場所”

クルマ好きの人だったら、いちどは体験してみていただきたいBMW製の6気筒エンジン。このクルマはその大パワーをぞんぶんに楽しめるように、しっかりした足まわりと、正確なステアリング、それに思いのままにカーブを曲がっていけるハンドリングを備えている。トータルに素晴らしくよく出来たクルマなのだ。

トータルに素晴らしくよく出来たクルマ──BMW M440i xDriveクーペに試乗｜BMW

全長4775mmのボディはけっして大きすぎず、いっぽう、コンパクトにまとまりすぎてエレガンスを欠くこともない。街中だろうと高速だろうと山岳路だろうと、あらゆるところが、このクルマの“居場所”になっている。

500Nmの最大トルクを1800rpmから発生するエンジンは、低速でも十分扱いやすい。燃費はリッターあたり11.2km（実際の燃費にかぎりなく近いWLTCモードでの測定値）なので、遠出も得意だ。ゴルフでも長距離旅行でも、どんなときでもいいパートナーとして扱えるはず。

昨今は、セダンまでクーペ化といわれている。以前は、エンジンルーム、乗員用のキャビン、それにトランクと、3つの箱をくっつけたようなスタイルがセダンの基本だった。いまは、ロールス・ロイスだろうとクラウンだろうと、キャビンのリアクォーターピラーがトランクの後ろのほうまで伸ばされて、後席スペースの存在感が薄められている。

そこにあって、M440i xDriveクーペは、先にも触れたとおり、ルーフラインを前席の背後からぐっと下げていくことで、後席をかぎりなく小さく見せている。実際は2850mmあるホイールべースを活かし、室内の後席空間は大人2人にも十分余裕あるけれど、あくまでも2プラス2のスタイルを守っている。そこがうまい。