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IMPRESSION
2021年2月19日
トータルに素晴らしくよく出来たクルマ──BMW M440i xDriveクーペに試乗|BMW
BMW M440i xDrive Coupe|ビー・エム・ダブリュー M440i xDrive クーペ
ストレートシックスを積んだBMW車ならではの特別感をもつクーペ
2020年6月にフルモデルチェンジを受け、同10月に日本に導入された2代目「4シリーズ」。流れるような美しいボディに伝統のストレート6を搭載したM440i xDrive Coupeに箱根で試乗した。
Text by OGAWA Fumio
Photographs by KAWANO Atsuki
徹頭徹尾運転を楽しめるように造られている
美しいクーペを探しているなら、まずBMWのラインナップをあたるのが、もっとも早道かもしれない。「BMW M440i xDriveクーペ」(2020年10月に日本発売)は、流れるようなルーフラインで、クーペにもっとも重要なパーソナル感を強調。同時にスポーツカーなみのドライビング体験を提供してくれている。
BMWでは、車名にいくつかの“コード”を使っている。ファンの人は先刻ご承じと思う。たとえば、SUVならX(エックス)と1けたの数字、また、クーペのようないわゆるライフスタイルカーでは3けたの数字のうち最初を偶数としている。
クーペといえば戦前からの伝統を持ち、戦後は3.0CS(68年)や6シリーズ(76年)など、傑作の数かずを生み出してきたBMW。今回の新しい4シリーズクーペの審美性も、期待にたがわず、かなり高いものだ。かつ、大型化したキドニーグリルの存在感は強烈で、アグレッシブな印象が強い。
8シリーズ(これも偶数で始まっている)ともファミリーアイデンティティを持つボディスタイルは、こぶりに作られたキャビンと、長くすーっと尾をひくようなテールの組み合わせで成り立つ。後輪フェンダーは力強くふくらみ、大地を強く蹴って走るような雰囲気をかもしだしている。
新しい4シリーズクーペのラインナップは、135kW(184ps)の2リッターエンジンに後輪駆動のドライブトレインを組み合わせた420iクーペと、今回試乗した、285kW(387ps)の3リッター直列6気筒に全輪駆動システムというM440i xDriveクーペで構成。
後者は、スポーツモデルを意味する「M」を車名にもつだけあって、徹頭徹尾運転を楽しめるように造られている。剛性感がたっぷりあるシャシーに、痛快なほどよく回るエンジンを搭載。アクセルペダルの踏み込みに対して、はじけるような加速を味わわせてくれる。スポーカー好きには大きな魅力のはず。