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2021年10月20日
新型シビックに試乗──6MTモデルは最高の仕上がりだった|HONDA
近年の新型車の中でもトップクラスのコーナリング性能
新型シビックが搭載するパワーユニットは、今のところ1.5リッター直列4気筒ガソリンターボエンジン一択だ。電気の補助を一切搭載していない純内燃機関のそれは、高効率ターボ&低圧損過給配管、4-2エキゾーストポートシリンダーヘッドをはじめ、高剛性のクランクシャフトとオイルパン、VTECエキゾーストなどで“武装”。最高出力134kW(184ps)/6,000rpm、最大トルク240Nm/1,700〜4,500rpmを発生する。初期受注の4割近くが選んでいるという6段MTモデルを中心に、八ヶ岳周辺のワインディングに走り出してみた。
まずはマニュアルシフトの操作感。シフトゲートを先代の樹脂製からアルミを混ぜた剛性の高いものに変更したおかげか、レバーの動きが程よく硬く正確で、しかもショートストローク。手のひらの返しだけでコクコクと狙ったギアに入っていくので、それだけで楽しくなる。そして回転計の針が3,000回転あたりを過ぎると、ちょっと低めのホンダミュージックが聞こえ始めるからたまらない。ギア比がワイドレシオなので、そこからトップエンドまでの長い時間で音の変化を聞き続けられるのもいいし、エンジン音と車速の伸びがピッタリとマッチしていることも、快感が味わえる要因になっている。
一方、シフトレバーの位置は少し左側に寄っていて、シフトダウンの時に奥に向けて動かすのがちょっと遠くに感じた点と、エンジンの回転落ちに時間がかかるのは、数少ないちょっと気になるポイントだ。
とはいえ、ダンパーやボールジョイント、ハブやブッシュなど各部の徹底的な低フリクション化や適正化を行ったことで、試乗コースの荒れた路面を軽々といなしつつ、気持ちよくコーナリングし続けるその出来栄えは、近年の新型車の中でもトップクラスに位置していると断言できる。さらに、グッドイヤー製「イーグルF1アシンメトリック2」スポーツタイヤが発するロードノイズもきっちりと遮断され、巡航速度では静粛な室内空間も保たれている点も素晴らしい。
もう一台のCVTモデルも、ラバーバンド感のないシフトフィーリングやパドルシフトによる意のままの加減速、静かな車内などが印象に残ったけれども、MTモデルのあまりの楽しさに、少し影が薄くなってしまったのも事実。来年登場すると噂される「タイプR」への期待がグンと高まる試乗だった。
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