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2022年6月13日
マセラティ MC20に試乗──サーキットからリゾートまで何にでも使える万能スーパースポーツ|Maserati
Maserati MC20 Cielo|マセラティ MC20 チェロ
Maserati MC20|マセラティ MC20
マセラティの最新スパイダー MC20チェロがワールドプレミア
マセラティは、ミッドシップレイアウトのスーパースポーツ「MC20」のスパイダーモデル「MC20チェロ」を、イタリア・モデナの本社でワールドプレミア。現地に赴いたモータージャーナリスト小川フミオ氏がその模様と、MC20の試乗リポートをお届けする。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by Maserati
ルーフ部分は電動で開閉可能なハードトップを採用
攻めに入ったマセラティから、いま目が話せない。2020年にF1マシンと同様の燃焼技術を採用したクーペ「MC20」を発表。22年5月25日に、フルオープンモデルの「MC20チェロ」をモデナの本社工場を使った特設会場でお披露目した。
私が参加したのは、このプレス向けプレミア。チェロって変わった名前だなと思うかもしれない。イタリア語だとcieloって書く。空のことだ。マセラティでは「エンジョイ・ザ・スカイ」オープンを楽しむクルマなんてキャッチコピーも使っている。
MC20を生産しているモデナ工場の一角に設けられたステージ。目を引いたのは、天井だ。空の映像が投影されていて、それがまるで一日を早送りするように、めまぐるしく変化していく。
やがて時間がくると、舞台が暗転。そして630psの3リッターV6の「ネットゥーノ」エンジンのいさましい音とともに、MC20チェロが、マセラティのダビデ・グラッソCEOの運転でステージ中央へと登場したのだった。
「マセラティのブランドヒーローはスポーツカーです。イノベーション、エクスペリエンス、デザインといったすべての要素で顧客の期待に応えます。一時期マセラティは品質も性能もやや低迷した時期がありました。いまは、かつての栄光を取り戻す時期なのです」
グラッソCEOは、インタビューに応えて、誇らしげにそう語ってくれた。
MC20の特徴は、カーボンバスタブ型のシャシーによる高剛性かつ軽量シャシー。それに、先に触れた通り、プリイグニションチャンバーという点火技術を採用した3リッターエンジンをミドシップしたレイアウトだ。
車名はマセラティ・コルセ(レーシング)に由来。数字は、マセラティが大きなターニングポイントとして設定した2020年。
ルーフ部分はハードトップで、電動で開閉。その際、リアのルーフ格納部分には大きなマセラティの「トライデント」マークが描かれている。街中でルーフの開閉をするたびに、後続車や通行人にそのトライデントを見せつけることに。開閉時間はいずれもわずか12秒だそう。
このハードトップには特殊なガラスがはめこまれている。車内からスイッチ操作で、透明度が変わる。マクラーレンのように多段階ではないものの、ほとんど透明か、日光を遮断するぐらいのシェイドかが選べる。
マセラティでは「スマートグラス」と名づけている。低電圧駆動が可能なPDLC(ポリマー分散液晶)フィルムにより、この機能が可能になっているのだ。