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2021年8月19日
スポーツハッチバックをドライブする醍醐味が味わえる──新型アウディS3スポーツバックに試乗|Audi
Audi S3 Sportback|アウディ S3 スポーツバック
スポーツハッチバックをドライブする醍醐味が味わえる
アウディのプレミアムコンパクト「A3」とともに、2021年5月に国内で販売がスタートしたスポーツモデル「S3 スポーツバック」に試乗。その進化やいかに。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
228kWを発生する2リッター4気筒+クワトロ
ボディは大きくなくていいから、運転が楽しめるクルマが欲しい。そんなふうに思っている人には、新型アウディS3スポーツバックがいいだろう。スタイリングも適度にエッジが効いていて、感度の高い人に勧められる。
アウディS3スポーツバックは、同時発売されたアウディA3スポーツバックの上に位置する。まず導入されたA3TFSI30スポーツバックが999ccの3気筒エンジン(最高出力81kW、最大トルク200Nm)であるのに対して、2リッター4気筒(228kW、310Nm)を搭載する。A3が前輪駆動であるのに対して、S3はフルタイム4WDであるクワトロシステム搭載だ。
S3スポーツバックのいいところは、全長4,350mmと扱いやすいサイズでありつつ、操縦性も乗り心地もそしてインテリアの質感も高い点にある。ボディが大きければいい、なんていうのと正反対の価値観をもった、成熟したユーザーに評価されている。欧州でも人気の高いセグメントだ。
アウディは、イタリアでも人気の高いブランドであり、なかでもスポーティな、今回のような「S」モデルや、アウディスポーツが肝煎りでチューニングした「RS」モデルは、年齢を越えて広い層から支持を集めている。日本でも同じような状況になっても不思議でない。
剛性感が高く、どんな道でもミシリとも言わないボディに、回転が上がっていくにつれ大きなトルクを生み出すエンジン、反応の速いステアリング、という具合に内容が濃い。
S3には専用のスポーツサスペンションと、切り始めの反応がより速い「プログレッシブステアリング」が標準装備される。加えて試乗したモデルには、オプションの「ダンピングコントロールサスペンション」が搭載されていた。
電子制御ダンパーによって、シャシーの動きは路面の状況にかかわらずフラットに保たれ、ドライバーは安心してコーナリングが楽しめる。かつ、乗り心地がいい。これは絶対に欲しいオプションだ。
エンジン回転を2,000rpmから上に保つように走れば、山道の上りを速いペースで駆け上がっていける。下りは大得意な種目で、スポーツカーのように車体のロールを適度に抑えながら、駆け下っていける。まさにスポーツハッチバックをドライブする醍醐味が味わえるモデルだ。