良品廉価なハイブリッドモデルが追加されたダイハツ「ロッキー」 / トヨタ「ライズ」に試乗|DAIHATSU / TOYOTA
CAR / IMPRESSION
2021年12月17日

良品廉価なハイブリッドモデルが追加されたダイハツ「ロッキー」 / トヨタ「ライズ」に試乗|DAIHATSU / TOYOTA

DAIHATSU Rockey|ダイハツ ロッキー
TOYOTA Raize|トヨタ ライズ

“電動化”で燃費を35%改善したダイハツ「ロッキー」 / トヨタ「ライズ」に試乗

コンパクトSUVとして2019年にデビューしたダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」の兄弟車。SUVらしいエクステリアと5ナンバーサイズの取り回しやすさ、さらに広い室内空間を兼ね備えたことでたちまち人気モデルとなり、販売台数は常に上位をキープし続けてきた。そしてデビューから2年経った今年11月には、まだまだのびていくこのカテゴリーでさらに競争力を高めるべくパワートレーンへのテコ入れがなされ、ついにハイブリッド化されることに。しかもそれを主導したのはトヨタではなくダイハツ側であり、システム的には「e-SMARTハイブリッド」と名付けられたダイハツ初の自社開発となる「シリーズ式」フルハイブリッドであるというから驚きだ。都内で開催された試乗会に参加し、その出来栄えを試してみた。

Text & Photographs by HARA Akira

良品廉価を実現するシリーズ式ハイブリッド

パワートレーンとなるe-SMARTハイブリッドシステムは、すでに述べた通りダイハツが自社開発したもの。トヨタのハイブリッドシステムは今までダイハツ車にも供給されていたが、今回はその逆。トヨタが他社からハイブリッドの供給を受けるのは初めてとなる。
そのシステムは、トヨタのTHSⅡのようなエンジンとモーターを使い分ける「シリーズパラレル方式」や、ホンダのようなエンジンをモーターがサポートする「パラレル方式」とも異なり、エンジンが発電した電力でモーターを駆動して走る「シリーズ方式」を採用したというから興味深い。
同方式は、人気の日産「e-POWER」と同じ考え方で、つまり国産としてそれを採用するのは2番目ということになり、トヨタとしてもまた新たなハイブリッドシステムを獲得したことになる。
開発を担当したダイハツの仲保俊弘チーフエンジニアによると、この方式の採用には「シンプルな構成のハイブリッドを載せることで、良品廉価をモットーとするダイハツらしい車づくりができたこと。さらに将来の軽自動車に導入するための技術的な蓄積ができたこと」という2つのメリットがあるのだそうだ。
発電専用となるエンジンは、新開発の1.2リッター3気筒自然吸気「WA-VEX型」。ストロングハイブリッドシステムで使用することをあらかじめ想定し、効率よくパワーを発生できるような特性を作り込むことで「最大熱効率は40%に達しています」(仲保氏)とのこと。
これにパワーを伝えるモーターとジェネレータを並列配置してコンパクト化し、エネルギー密度の高く軽量な容量4.3Ahのリチウムイオンバッテリーを組み合わせた。エンジン周辺機器である各パーツをはじめ電池パック、パワーコントロールユニット(PCU)などの多くにトヨタ製を流用しているとのことで、コストダウンについても抜かりない対応を行なっているのだ。
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