新型フォルクスワーゲン ゴルフGTIに試乗──痛快な走りの魅力は8代目でも健在だった|Volkswagen
CAR / IMPRESSION
2021年12月22日

新型フォルクスワーゲン ゴルフGTIに試乗──痛快な走りの魅力は8代目でも健在だった|Volkswagen

スポーティとコンフォートの二面性がしっかり楽しめる

新型GTIは、ただし、いわゆるシャシーがとても良くなっている。ちょっとマニアックだけれど、ドライブトレインにいろいろ手が加えられているのだ。電子制御の油圧式ディファレンシャルロックと、ESPを組み合わせた「XDS」なる機能が標準で装備される。
上記ESPとは、コーナリング中に、アクセルを踏みすぎたり路面で滑ったりしたときの車両の挙動を安定させるシステム。エレクトロニック・スタビリゼーション・プログラムといい、エンジン出力をしぼったり、必要な車輪にのみブレーキをかける。
小さなカーブでも面白いように曲がれる新型GTIにとって、XDSは大事な武器。さらに、今回はオプションで「DCC」というシステムも用意された。サスペンションシステムのダンパーの減衰力を、車内から選べる。コンフォートからスポーツまで、段階がかなり細かいのが注目に値する。
ゴルフGTIは、スポーティな走りがセリングポイント。「サーキットの高速走行においても非常にニュートラルな走行特性」を示すと、フォルクスワーゲンでは謳うぐらいだ。でも、そこまでやるつもりはなくても、日常的に楽しいクルマが欲しい。そんな人も、かなり幅の広い楽しみ方ができると思う。
ドライバーは、「デジタルコックピットプロ」と名づけられた10.25インチ液晶ディスプレイから、乗り味を好みで選択できる。私も試してみたところ、スポーツの最大にすると、足まわりがシャキッとしてダンピングも硬く、車両の応答性がぐんと上がったのが体感できたのには驚いた。
DCCの目盛りをコンフォートにすると、こんどはいっきに乗り心地が快適になる。路面の突き上げをていねいに吸収して、荒れた路面も高速道路も、前後席の乗員はリラックスしていられる。試乗のとき、後席に乗っていたフォトグラファーが「こんなに変わるのか」と感嘆したような声をあげたほど。ややおおげさにいえば二面性がしっかり楽しめる。いい出来だ。
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