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CAR /
IMPRESSION
2021年8月13日
ドイツの競合よりバリューフォーマネー感が高い──キャデラックCT5に試乗|Cadillac
Cadillac CT5|キャデラック CT5
ドイツの競合よりバリューフォーマネー感が高い──キャデラックCT5に試乗
キャデラックCTSの後継モデルとして2019年のニューヨークモーターショーでワールドプレミアされ、2021年1月に日本に導入されたミドルサイズセダン「CT5」。メルセデス・ベンツ「Eクラス」やBMW「5シリーズ」などドイツの競合車にも匹敵するファン トゥ ドライブな乗り味が印象的なモデルだった。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by KAWANO Atsuki
躍動感あるスタイルとスポーティなドライブ感覚が特徴
いまどきのクルマは、スポーティさが重要なキーだ。SUV(スポーツユーティリティビークル)人気しかり。セダンも、クーペライクなスタイルがトレンドだ。2021年1月に日本発売が開始された4ドアセダン「キャデラックCT5」は、躍動感あるスタイルだけでない。スポーティなドライブ感覚も大きな特徴だ。
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クルマ好きなら、いまはむしろセダンに乗ってもらいたい。そう言いたくなるようなモデルが少なくない。昨今は実はセダンの当たり年だ。CT5も例外でない。キャデラックだとか米国車だとか聞くと、どんなイメージをもつかは人それぞれだとしても、ドイツ車や日本車と真っ向からぶつかる運動性能を身につけ、乗れば好きになれるといえるモデルなのだ。
日本でセダンの人気が低迷しているという。多くの人がSUVに流れている。でも、セダンにはセダンでないと手に入りにくい魅力がある。一つは全高が抑えられているがゆえの使い勝手。もう一つは、乗り心地をはじめとする快適性だ。そしてスタイリングも、実はSUVよりも、スポーツ性を表現しやすい。
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キャデラックCT5は、ほぼすべての点において期待を裏切らない。2016年に導入されたプレミアムクラスのセダン「CT」6の快適性やパッケージングのよさを引き続いていて、かつ、よりファン トゥ ドライブ。つまり運転しての楽しさが、これまで以上に強く打ち出されている。そこが大きな魅力だ。
試乗したCT5プラチナムは、全長4925mmのボディに、1997cc 4気筒ターボエンジンを搭載。10段変速機を介して後輪を駆動する。クルマとしては、正統的といえるメカニカルレイアウトだ。
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後輪駆動のセダンづくりにかけては長い伝統を持つキャデラック。このところ、「CTS」シリーズ(2003年〜)や「ATS」(2012年)など、乗るとドイツ車に匹敵する動力性能を楽しませてくれるクルマをつくってきた。そしていま、セダンではCT6とCT5(のガソリンエンジン車)が日本でのラインナップなのだ。