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2021年12月10日
BMW 318i ツーリングに試乗──運転する楽しみを与えてくれるという点で傑出したワゴン|BMW
BMW 318i Touring|ビーエムダブリュー 318i ツーリング
欧州のワゴン車を代表する1台、BMW318i ツーリングに試乗
メルセデス・ベンツCクラス、アウディA4、ボルボV60をはじめ、ヨーロッパのカーメーカーは今でも魅力的なワゴンをラインナップしている。荷物の積載力や車高が高くないがゆえの利便性や走りのよさなどが、一定のユーザーを引きつけているからだろう。そのなかでも、今回はBMW3シリーズのエントリーモデルである318i ツーリングに試乗した。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by KAWANO Atsuki
市街地でも高速でも気持ちいい、しなやかな乗り心地
欧州はワゴンを諦めていない。優れたステーションワゴンがいまも送り出されているのは、乗り心地の快適性を重視する人、あるいは駐車場で車高の制約がある人、いろいろな面で、ありがたい。代表的な1台であるBMW3シリーズのツーリングは高得点のワゴンだ。
BMWが現行3シリーズを発売したのは、2019年。セダンと、それに続いてステーションワゴン版のツーリングが発売された。今回の「318iツーリング」は20年9月に追加された2リッターエンジン車だ。これがなかなかヨイ出来で、3シリーズの健在ぶりを印象づけられた。
BMWジャパンでは、この318iツーリングを3シリーズの「エントリーモデル」と位置づけている。上には、やはり2リッターであるもののパワフルなガソリンモデルの320iと、ディーゼルの320d、それに3リッター6気筒のM340iが設定されている。
318iツーリングの1998cc4気筒エンジンは、115kW(156ps)の最高出力と、250Nmの最大トルクを発生。8段オートマチック変速機を介して後輪を駆動する。レイアウト自体は、昔っから変わっていない。おなじみの3シリーズである。
私は、3シリーズのバランスのよさが好きで、自分のクルマとしても何台も乗ってきた。G20(ツーリングはG21)と呼ばれる最新モデルに初めて試乗したのは、発表直後のポルトガルだった。
海岸のリゾート地を起点に、海岸沿いの崖の上の道を走った。屈曲とともに、上りと下りが交互に現れる道で、ファミリーセダンとして使われることの多い3シリーズでも、こういうところでの実力ぶりを見せるのがBMWの狙いなんだなあと印象深かった。
そのときは、面白いようにスムーズなコーナリングができるスポーティなハンドリングとともに、ただし、足まわりの硬さにびっくりした。路面に不整があると、ガツンガツンと響いたのだ。
今回の318iツーリングは、足まわりから硬さもほとんどとれて、市街地でも高速でも、しなやかな乗り心地が気持ちよい。当初は“ここまでやるか”と驚いた極太のグリップ径のステアリングホイールも、実は操作しやすいと、今や多くのメーカーが追随するようになっている。