CITROEN C4|シトロエン C4 マイナーチェンジを経たC4に試乗
CAR / IMPRESSION
2015年4月22日

CITROEN C4|シトロエン C4 マイナーチェンジを経たC4に試乗

CITROEN C4|シトロエン C4

よりオーソドックスなモデルへと変貌した新型C4に試乗(1)

シトロエン C4はフォルクスワーゲン ゴルフ・クラスの4ドアハッチバック。さきごろ日本発売された新型は、従来の欠点ともいわれた荷室容量を拡大。個性的だったスタイリングも一般的なものとなり、マーケットの拡大をめざすという。

文=小川フミオ

ボディ拡大により実用性がさらにアップ

2011年7月1日より日本発売開始の新型シトロエン C4。従来型は2005年に日本市場に導入され、シトロエン登録台数の45パーセントを占めるヒットだった。今回は外観がオーソドックスになり、ロングルーフが強調され実用性のアピールが強くなった感がある。内装は質感があがった一方、先代の半透明型メーターなどは廃止され、ぐっとノーマルになった。1.6リッターの自然吸気とターボの2本立て。とくにターボ装着の「C4 エクスクルーシブ」はとりわけ楽しい。

新型C4の特徴は、機能性を前面に押し出したことともいえる。ボディサイズは、全長でプラス35mm、全幅でプラス15mm、全高でプラス10mm、従来型より大型化している。従来型は荷室の容量の小ささを指摘する声が(欧州で)あったとかで、今回はリアのオーバーハングをプラス65mm延長。荷室容量は従来型から28リットル増して380リットルとなった。

同クラスではもっとも容量が大きく、たとえばフォルクスワーゲン ゴルフと比較すると30リッター、C4のほうが大きい。

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ラインナップはエンジンを中心にふたつとなる。

・C4 Seduction(セダクション) 1.6リッター自然吸気エンジン 120ps 256万円

・C4 Exclusive(エクスクルーシブ) 1.6リッターターボエンジン 156ps 299万円

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よりオーソドックスなモデルへと変貌した新型C4に試乗(2)

アンダーパワーのセダクションと力強い走りのエクスクルーシブ

ボディは基本的におなじだが、エンジンとともにトランスミッションもちがう。C4 セダクションには4段オートマチック変速機が備わり、ハイパワーのC4 エクスクルーシブには6段の自動クラッチつき2ペダルマニュアル変速機が搭載される。

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C4 セダクションとC4 エクスクルーシブ、2車はサブネームのちがい以上に、パワートレインの差異により、キャラクターがことなっている。C4 セダクションはマイルドで快適性重視であるのにたいして、C4 エクスクルーシブは積極的に走りを楽しめる。

C4 セダクションはややアンダーパワーの120psエンジンで、燃費重視の設定となる4段オートマチックが組みあわされることで、市街地あるいは高速での一定巡航がとくに向いている。

C4 エクスクルーシブは、6段のギアがエンジンのトルクバンドを有効に使える設定になっていることにくわえ、各ギアが4,000rpmを超えるまで引っ張る(学習機能だったのだろうか)。そのため1,400rpmから3,500rpmで240Nmの最大トルクを発生する156psエンジンのパワーを存分に味わうことができる。

C4 エクスクルーシブの6段変速機は、変速のタイムラグも短く、性能向上がめざましい。エンジンは比較的よくまわり、1.3トンの車体を力強く引っ張る。

トルクバンドに入っているときのエンジンの反応はするどく、アクセルペダルを踏む足にすばやく応え、クルマを加速させる。エンジンと変速機はいいコンビネーションになっている。

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よりオーソドックスなモデルへと変貌した新型C4に試乗(3)

質感は高く、デザインはシンプルなインテリア

ハンドルは人間の手に合わせた立体的な断面形状をもつうえ、巻かれた革はしっとりとした感触。ダッシュボードにも質感の高い素材が貼られたことと合わせて、専門用語でいうところのパーシブドクオリティ、触覚をとおした上質感が大きく上がっている。

走行中の乗り心地は、16インチタイヤを装着するC4セダクションとC4エクスクルーシブで大きな差が見られない。C4セダクションはミシュランのエナジーセイバーなる、いわゆるグリーンタイヤで、やや踏面が硬い印象。

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たいするC4エクスクルーシブはハンドリング性能の向上も視野に入れたミシュラン・プライマシーを履いていた。これがハンドリングに多少の差をもたらしていたように感じられた。ゴツゴツ感はなく、快適な志向性だ。

ライバルのひとつと目されるフォルクスワーゲン ゴルフと比較すると、価格ベースでみた場合、1.2リッターターボのTSIトレンドライン(257万円)とC4 セダクション(256万円)がぶつかり、C4 エクスクルーシブ(299万円)は、シングルターボの1.4リッターTSIコンフォートライン(278万円)よりスポーティな1.4リッターTSIハイライン(315万円)と競合するように思える。

フォルクスワーゲン ゴルフ TSIハイラインはバケットシートを装備するなど、あえて「やりすぎ」をセリングポイントにしているモデルなので、乗るひとをクルマが選ぶ傾向がある。C4エクスクルーシブはスポーティさを感じさせつつ、座り心地のいいシートなど、より多くのひとが楽しめる設定だ。

C4セダクションには、ルーフに埋め込まれるガラスの「パノラミックルーフ」(17インチ軽合金ホイールとセットで17万円)がオプション設定される。

居住空間を快適に、という配慮が、C4のもうひとつの魅力だ。ただ現在、ファブリックシートは「ラマ」と呼ばれるオフホワイトしか選べない。きれいな色だが、シートの汚れが気になりそうだ。それを避けるには25万円のレザーパッケージ(黒色)を選ぶしかない。ここはぜひ設定の再考を願う。

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CITROEN C4|シトロエン C4
ボディサイズ│全長4,330×全幅1,790×全高1,490mm
ホイールベース│2,610mm
エンジン(セダクション)│1.6リッター直列4気筒DOHC
エンジン(エクスクルーシブ)│1.6リッター直列4気筒DOHC ツインターボつき
トランスミッション(セダクション)│4段オートマチック
トランスミッション(エクスクルーシブ)|6段エレクトリックギアボックスシステム
最高出力|88kW(120ps)/6,000rpm(セダクション)、115kW(156ps)/6,000rpm(エクスクルーシブ)
最大トルク(セダクション)│160Nm(16.3kgm)/4,250rpm
最大トルク(エクスクルーシブ)│240Nm(24.5kgm)/1,400-3,500rpm
JC08モード燃費|12.1km/ℓ(セダクション)、13.1km/ℓ(エクスクルーシブ)
CO2排出量|143g/km(セダクション)、148g/km(エクスクルーシブ)
定員│5人
価格|256万円(セダクション)、299万円(エクスクルーシブ)

           
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