ロングホイールベースモデルも追加設定

ポルシェ初の4シーター4ドアグランツーリスモとして、2009年にデビューを飾った「パナメーラ」が、ついに2世代目へと進化を遂げる。今回の発表で、数あるパナメーラのラインナップの中からもっとも大きな変更を受けたのは、やはりハイブリッド搭載モデルだ。去る2012年9月のパリモーターショーで登場した、次世代パナメーラのコンセプト「パナメーラ スポーツツーリスモ」のアイデアの多くを受け継いだモデルといえる。

新型「パナメーラS eハイブリッド」は、現行の「パナメーラS ハイブリッド」「カイエンS ハイブリッド」とおなじパラレル式ハイブリッド機構を進化させたパワートレインを採用するが、あらたに外部充電機能を追加。つまりプラグインハイブリッドモデルとなった。

エレクトリックシステムは、先代パナメーラ Sハイブリッドの電気モーター47ps（34kW）の2倍以上となる95ps（70kW）のパワーを発生。それに完全に新設計の3.0リッターV6エンジンが組み合わされ、システムトータルで最高出力416ps（306 kW）、最大トルク590Nmを発揮する。トランスミッションは8段ティプトロニクスが備わる。

エネルギーを供給する新開発のリチウムイオンバッテリーは、先代モデルのニッケル水素バッテリー（1.7kWh）を5倍以上も上まわる9.4kWhの容量のものを装備し、ドイツの通常の家庭用コンセント（230V）に接続した場合、4時間以内で充電が可能だという。

Porsche Panamera S E-Hybrid｜ポルシェ パナメーラ S Eハイブリッド

燃料消費量は、先代比で最大56パーセントも低減され、NEDC（新欧州ドライビングサイクル）値は、パナメーラS ハイブリッドの7.1ℓ/100km（およそ14.1km/ℓ）から、3.1ℓ/100km（およそ32.3km/ℓ）へと大幅に改善された。

パナメーラS eハイブリッドは、エンジンを一切使用しない、電気モーターのみのいわゆる“EVモード”での走行も可能とし、NEDCに基づくテストでは36kmを記録。日常使用における現実的な航続距離は、およそ18～36kmを想定しているという。

0-100km/h加速は、エンジンのパワーを電気モーターがアシストするEブースト機能により、先代から0.5秒短縮された5.5秒を記録。最高速度は270km/hで、エレクトリックシステムだけによる最高速度は135km/hに達する。

Porsche Panamera Turbo Exclusive｜ポルシェ パナメーラ ターボ エクスクルーシブ

Porsche Panamera Turbo Exclusive｜ポルシェ パナメーラ ターボ エクスクルーシブ

いっぽう、パナメーラS eハイブリッド以外のモデルにも大きな変更がくわえられた。パナメーラSとパナメーラ4Sに搭載されるエンジンは、これまでの4.8リッターV8から、ダウンサイジングをコンセプトに開発された新開発3.0リッターV6ツインターボに変更。従来のV8より最高出力で20ps、最大トルクで20Nmアップしたにもかかわらず、18パーセントの燃費向上を実現した。パナメーラ ターボおよびパナメーラ ターボ エグゼクティブは、従来どおり4.8リッターV8が搭載される。

また、パナメーラのあたらしいランナップとして、ロングホイールベースモデルも追加設定された。「パナメーラ ターボ エグゼクティブ」と「パナメーラ4S エグゼクティブ」の2モデルは、ホイールベースを150mm延長したことにより、車内後部のニースペースが拡大。より快適な室内空間を手に入れた。

なお、パナメーラ モデルレンジの中でもっともスポーティなモデル、「パナメーラ ターボS」と「パナメーラ ターボS エグゼクティブ」は、2014年にデビューを予定しているとアナウンスされた。 なお、車両本体価格は以下の通り。

パナメーラ ｜994万円
パナメーラ4｜1,091万円
パナメーラS｜1,422万円
パナメーラ4S｜1,480万円
パナメーラ4S エグゼクティブ｜1,748万円
パナメーラGTS｜1,612万円
パナメーラS eハイブリッド｜1,534万円
パナメーラ ターボ｜2,172万円
パナメーラ ターボ エグゼクティブ｜2,415万円