アウディ「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が開催|Audi
CAR / FEATURES
2019年2月27日

アウディ「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が開催|Audi

Audi e-tron|アウディ e-tron

「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が開催

アウディが満を持してリリースする初のピュアEV、アウディ「e-tron」のワールドプレミアイベントが、9月17日、サンフランシスコで開催された。「The Charge」と名づけられた同イベントの模様をリポートする。

Text by OPENERSPhotographs by AUDI AG

ジャーナリストやインフルエンサーなど1,800名のゲストが

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

“技術による先進”を企業テーゼに掲げるアウディ。そんな同社を象徴する初の市販EV、「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が、9月17日、アメリカはサンフランシスコで開催された。

世界中から招待されたジャーナリストやメディア関係者、ブロガー、そしてクリエイターやアーティスト、アスリートなどのブランドアンバサダーら1,800名のゲストは、サンフランシスコ港よりアウディがチャーターしたクルーズ船に乗船。

スーツやドレスで着飾った紳士淑女たちは、シャンパングラスを片手に夕陽に赤く染まるサンフランシスコ湾の絶景を眺めながら、1時間半ほどのクルーズを楽しんだ。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

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夜の帳が下り、サンフランシスコ湾が闇に包まれたころ、船はサンフランシスコの対岸にあるリッチモンドの埠頭に着岸。眼前にはプロジェクションマッピングに映し出された巨大な建造物が現れ、上空では850機のドローンの編隊がアウディのシンボルであるフォーシルバーリングスとe-tronのロゴを浮かび上がらせている。e-tronのワールドプレミアにふさわしい、デジタルテクノロジーを駆使したエンターテインメントに、ゲストたちは一瞬にして心を奪われ、歓声をあげた。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

イベント会場となる「クレーンウェイパビリオン」は、アメリカ人建築家、アルバート・カーンの設計により1931年に竣工した工場をリノベーションした、約4万2,000平方メートルの広大なスペースを有するイベントホール。ルーフに設置された1メガワットを発電するソーラーパネルなど、最先端のグリーンテクノロジーを備えているのが特徴だという。まさに、アウディが初となるEVをお披露目する場所として、おあつらえ向きといえるだろう。

Page 2.アフターパーティにはDJ ディプロが登場、会場は巨大なクラブに

Audi e-tron|アウディ e-tron

「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が開催(2)

アフターパーティにはDJ ディプロが登場、会場は巨大なクラブに

会場の中に歩を進めると、外部と同様、ライトやドローンによるドラマティックな演出がなされており、あたかもファッションショーやロックコンサートが始まるかのような雰囲気に圧倒される。ほどなくして、会場内に設えられたステージにアウディAGのアブラハム・ショットCEOが登壇。こうして、盛大なイベントの幕が切って下ろされた。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

「私たちは、デザイナーやエンジニア、ディーラーやお客様の総力を結集し、真にスペシャルなモノをつくりあげました。アウディ初となる電気自動車、アウディ e-tronです。私たちは電気自動車の新しい世界に、プレミアムカーメーカーとしての100年の歴史を融合させました。アウディは自動運転というモビリティの新しい潮流をつくりだし、電気自動車を新たなるレベルに導きます。まさに今がその時です」

そう語ると、鮮やかなブルーにペイントされたe-tronがステージ上に現れ、会場は盛大な拍手に包まれた。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The e-tron as starting signal: Audi launches e-offensive

プレゼンテーション後のアフターパーティでは、世界的なDJ/テクノミュージシャン、ディプロによるビートの効いたテクノミュージックが鳴り響き、アウディの最新テクノロジーが注ぎ込まれたe-tronのワールドプレミアをさらにドラマティックなものに演出。巨大なクラブ空間と化した会場でゲストたちは、アンヴェールされたe-tronを目の当たりにしながら、盛大なショーの余韻を楽しんでいた。

テクノロジーにより未来を切り拓くプレミアムカーブランド、アウディ。今回、歴史的建造物をリノベーションしたヒップなイベントホールを舞台に、デジタルアートや音楽を融合させたクリエイティビティあふれるエンターテインメントなショーを世界中から招待されたゲストとともに体験し、改めて同社がカーブランドに留まらない、ライフスタイルブランドなのだという認識を強くした。

Page 3.サンフランシスコの伝説的な公会堂を舞台に開催された「テックパーク」

Audi e-tron|アウディ e-tron

「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が開催(3)

サンフランシスコの伝説的な公会堂を舞台に開催された「テックパーク」

アウディの新しい時代の幕開けを告げるe-tronは、どんなクルマなのか。ワールドプレミアから遡ること約10時間前、デザインやシャシー、パワートレーンといったe-tronの技術的ハイライトについての展示とプレゼンテーションを行う「テックパーク」が開催されたので、その模様からひも解きたい。

サンフランシスコのフィルモア・ウェストやニューヨークのフィルモア・イーストなど、歴史的なロックの名演が行われてきたライブハウスを運営し、フラワームーブメントやサイケデリックムーブメントを育てた伝説のプロモーター、ビル・グラハム。テックパークの会場となったのは、そんなロック界のレジェンドの名が冠され、数多の伝説的ライブが繰り広げられたことでも知られるグラハム市民公会堂だった。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

内部に入ると、e-tronに関する展示やプレゼンテーションのほかに、2018年のペブルビーチ コンクール デレガンスでお披露目された未来の高性能スポーツカー「PB18 e-tron コンセプト」や、2017年のフランクフルトモーターショーに出展された完全自動運転のコンセプトカー「AICON」、そしてフォーミュラEのマシンが展示されるなど、会場はまさにモーターショーそのものであった。

フルサイズSUVたるe-tronのボディサイズは、全長4,901×全幅1,935×全高1,616mm。アウディのラインナッップではちょうど「Q7」と「Q5」の間に位置するサイズであり、2,928mmというロングホイールベースも相まって、大人5人が快適に過ごせる車内空間と、660リッターのラゲージスペースを確保している。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

アウディAGのデザイン統括責任者であるマーク・リヒテ氏が「テクノロジーとデザインの完全なる調和を実現させた」と語るスタイリングは、ワイドなプロポーションや天地方向にコンパクトなキャビン、シャープで立体的な造形のマトリクスLEDヘッドライト、そしてホイールアーチにあしらわれたフェンダーなど、アウディのデザインDNAが継承されている。

興味深いのは、八角形のシングルフレームグリルが採用されていること。前述のマーク・リヒテ氏によると、ノーズにエンジンが存在しないe-tronではフロントマスクに冷却機能は必要ないものの、アウディらしさを表現すべく、デザインアイデンティティであるシングルフレームグリルをあえて踏襲。ただし、グリルカラーをプラチナグレーとすることで、e-tronならではの新しさも演出したとのこと。

Page 4.アウディ初となるバーチャルエクステリアミラー

Audi e-tron|アウディ e-tron

「e-tron」のワールドプレミアイベント「The Charge」が開催(4)

アウディ初となるバーチャルエクステリアミラー

リヒテ氏が「空気抵抗を抑えることで燃費を向上させました」と語るとおり、エアロダイナミクス性能の追求もエクステリアデザインにおける大きなテーマだった。特に、従来のドアミラーの位置に小型カメラを設置し、車内の有機ELディスプレイにその映像を映し出すバーチャル エクステリア ミラー(オプション)を装着した場合、Cd値はSUVセグメントにおいて最高値となる0.27を達成。優れた空力性能により、1回の充電あたり約40km航続距離が延びたという。

エアロダイナミクスを追求したボディの効果はほかにもある。EVではエンジンノイズがない分、相対的にウィンドノイズが際立ってしまうのだが、優れた空力性能は車内の静粛性にも寄与するのだそうだ。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

テックパークにはe-tronのシャシーも展示されていた。パワートレーンのエンジニアによると、同車は電気モーターをフロントとリアに各1基ずつ搭載する4WDで、路面や走行状況に応じて前後アクスル間で駆動トルクの配分を連続的に可変制御するという。

2基の電気モーターは合計で265kWの出力と561Nmのトルクを発生。シフトレーバーをSモードにセレクトし、アクセルペダルを床まで踏込むとブーストモードが起動、出力とトルクは300kWと664Nmに達する。ちなみに、0-100km/h加速は5.7秒、最高速度は200km/h(電子制御リミッターにより制限)。一方、気になる航続距離は400km以上を実現。これは主に革新的な回生システムによるものだという。

e-tronはブリュッセルにあるCO2ニュートラルのアウディ工場ですでに生産がスタートしており、欧州でのデリバリーは2018年末の予定。ドイツでの価格は7万9,900ユーロ〜と発表された。

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

The Charge – world premiere of the Audi e-tron

2025年までに、全世界の主要都市において12の電気自動車を発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約1/3にすることを目指すというアウディ。2018年末のロサンゼルスオートショーではピュアEVのGT、「e-tron GTコンセプト」を発表し、2019年にはe-tron の派生モデルである「e-tron スポーツバック」をデビューさせるなど、電動化という新たなる時代のモビリティに向けて着実に進化を続ける。e-tronのワールドプレミアイベント「The Charge」は、世界中からかけつけた1,800名のゲストの心に、アウディの最新テクノロジーのみならず、ブランドが目指す未来やその世界観をも深く刻み付けたに違いない。


このショートプログラムは、ナショナル ジオグラフィックにて放送されたものです。
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