ベントレーが誇るSUV、ベンテイガの真価を探る|Bentley
Bentley Bentayga|ベントレー ベンテイガ
クルマに求める条件を全方位的にクリアするスーパーSUV
2015年にフランクフルトモーターショーでデビューし、今やラグジュアリーなフルサイズSUVとして、世界中のセレブリティを魅了しているベントレー「ベンテイガ」。日本にも導入されておよそ1年を経た今、あらためてその真価を考える。
Text by OGAWA FumioPhotographs by OKAMURA Masahiro
スーパースポーツカーなみのパフォーマンス
英ベントレーモーターズが手がけるスーパーSUVが「ベンテイガ」。スーパーをマルチタスクと言い換えてもいい。クルマに求められる条件を全方位的にクリアする高い性能を備えているモデルだ。
なにしろ、5,945ccのW12気筒エンジンにフルタイム4WDシステムの組み合わせ。全長5,150mm、全高1,755mmという堂々とした車体を900Nmもの大トルクでもって、軽快な感じで駆動する。
ひとことでいってスーパースポーツカーなみの加速性能だ。静止から100/kmに達するまでの所要時間は4.1秒。余裕あるサイズのSUVとは思えない速さである。
同時にぜいたくさと快適性でも群を抜いている。個人的に面白いと思うのは大型SUVだがスタイリングテーマとして、同社の軽快なクーペであるコンチネンタルGTとの共通性が散見されることだ。
ベンテイガのぜいたくさとは、たんに高価な素材を寄せ集めているのではない。スポーティなセダンやクーペで名声を博してきた同社のアイデンティティをしっかり活かしているところにある。
つまりデザイン ランゲージはスポーツモデルとある部分共用しながら、独自の世界を見事に作りあげている。そんなクルマはめったにない。
ベントレーのシンボル「ウイングドB」を表すという左右対称のダッシュボードが好例だ。インテリアにおけるベントレーのアイコンを使うということは、つまるところ自社製品に対するゆるぎない自信となって感じられる。
乗りこんでからも「ザ・ベントレー(ベントレーそのもの)」と主張するインテリアは大きな魅力だ。持ち主が誇りをもって選んでいることを意味するからだ。
レストランでもバーでも、はたまた自邸のリビングルームでもいい。ゲストを招いたとき、自分にとって最上なものを提供するのは、まぎれもなく最上のもてなしだろう。
ゴルフでもいいし、ちょっとしたドライブでもいい。クルマでも同じことがいえると思う。ベンテイガならではの“もてなし”を裏付けるものは多い。
あげていくと、豊富な装備、手が触れる操作系の質感、体を落ち着けるシートの触感、静粛性の高さ……枚挙にいとまがないほどだ。
最近ロンドンなどでの体験を思い出した。
スペシャルサイトはこちら
https://www.bentleymotors.jp/world-of-bentley/experiences/extraordinary-bentayga/
Bentley Bentayga|ベントレー ベンテイガ
クルマに求める条件を全方位的にクリアするスーパーSUV(2)
日常的なパートナーにもなってくれる
ベントレー ベンテイガのよさは、操縦するのも同乗するのも心躍るところにある。
最近ではロンドンやパリやロサンジェルスといった都市でイベントがあると、送迎用として大型SUVが使われることが多い。
理由は簡単。乗り降りが比較的ラクで、目線が高いので見晴らしが良好で気持ちよく乗っていられるからだ。
その意味でベンテイガはかなり高得点の乗りものといえる。なにしろいま挙げたSUV全般の利点に加えて、類のないほど豪華な内装と、低回転域から太いトルクが出る多気筒エンジンによるぜいたくな乗り味が味わえるからだ。
内装はもっともひんぱんにイメージ画像に登場するクロスステッチのレザーをはじめ、ほとんど望みのままの仕様に仕上げることができる。
素材も色の組み合わせもステッチなどのディテールもだ。Hi-Fiなども好みの音質で仕上げる人がいるけれど、それもよい趣味といえる。
もしよく一緒に乗る人が趣味を分かち合えればベストだし、そうでなくても、ぜいたくなバーラウンジの内装のように、現代的にも古典的にも好みに応じて仕上げることで、移動中は気持ちよい時間を過ごしてもらえる空間が実現するだろう。
「スーパーフォーミングで形成された極めてシャープなサイドのパワーラインから、熟練のクラフツマンたちによって手で仕上げられたインテリアにいたるまで、ベントレーならではのデザイン」
これはベントレー モータース ジャパンのホームページにあるベンテイガの謳い文句。608psのラグジュアリーSUVにとって市街地での使用は役不足をかこつと思われるけれど、他車に埋没しない堂々とした存在感は真骨頂だろう。
意外なほど取り回しがよいこともあり、街中のショッピングにも使いやすい。日常的なパートナーになってくれるモデルである。さらにもうひとつ、よきパートナーとしての資質を身につけている。
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クルマに求める条件を全方位的にクリアするスーパーSUV(3)
走りが楽しめるいっぽうで、環境に貢献する
ベントレーのスーパーSUV、ベンテイガはよきパートナーになってくれる。クルマでパートナーといっては違和感があるかもしれないけれど、つねに予想以上、期待以上のものを与えてくれるから、つい擬人化したくなるのだ。
人間同士の場合、よきパートナーとはお互いに高め合う関係性を持つことを意味しているのではないだろうか。ベンテイガにもそんなところがある。
ひとつはドライバーの立ち居振る舞いについて、乗っていると考えさせてくれるところがある。たとえばベントレー サルーンのドライバーのマナー。レーシングカーのDNAを色濃く残しているベントレーであるが、路上で他車を押しのけたりするような運転をするものではないとされていた。
他者より優れたものを持っている人は、それを誇示してはいけない。英国流のアンダーステーテッドな行動美学というか。実際、日本でも路上で遭遇するベントレーのドライバーの多くは、そのことを意識しているように感じられる。
ベンテイガはその気になればそんじょそこらのスポーツカーより速く走れる。しかもハンドリングも優れていて(乗員の快適性を考えてやたら重心高を低くすることなく)適度な車体のロールとともに、小さなコーナーが連続する道でも気持ちよく駆け抜けていける。
いっぽうで荷室にピクニックセットを組み込めるしゃれたオプションがある。ベンテイガは乗ること自体を楽しめるうえに、人とクルマともうひとつ、その先にある楽しみという3つを最高のかたちで結びつける手段ととらえることもできる。
もちろんそれがゴルフであってもいい。出来るだけ疲労感なく目的地に着き、最高の気分でグリーンに立てる。それを実現してくれるのがベンテイガなのだ。
現代性もきちんと備えている。W12気筒という最新技術を結集させたエンジンは気筒休止システムが組み込まれているのだ。それによって燃料消費を抑える。
ベントレーに乗ることの意味は大きい。特権と義務は往々にして背中合わせにあることを英国人はよく理解していると言われる。ある種の自己抑制があってこそ、本当にいいものは輝く。走りが楽しめるいっぽうで、環境に貢献する。ベンテイガのドライバーだから味わえるのだ。
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Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ
ボディサイズ|全長 5,150 × 全幅 1,995 × 全高 1,755 mm
ホイールベース|2,995 mm
重量(EU)|2,530 kg
エンジン|5,945 cc W型12気筒 ツインターボTSI
最高出力| 447 kW(608 ps)/ 5,250-6,000 rpm
最大トルク|900 Nm / 1,250-4,500 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD(前40:後60)
サスペンション 前/後|マルチリンク / マルチリンク
ブレーキ 前|400mm ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|380mm ベンチレーテッドディスク
タイヤ|275/45R21(オプションで285/50R20、285/40R22)
最小回転半径|6.2 メートル
トランク容量|430-590 リットル
0-100km/h加速|4.1 秒
最高速度|301 km/h
燃費(EU複合)|12.8 ℓ/100km(およそ7.8 km/ℓ)
CO2排出量|292 g/km
価格|2,739万円