BENTLEY CONTINENTAL GT|世界最速の4シーター
Car
2015年4月24日

BENTLEY CONTINENTAL GT|世界最速の4シーター

BENTLEY CONTINENTAL GT

ベントレー コンチネンタルGT

“世界最速の4シーター”

ベントレーがフォルクスワーゲンの傘下に入り、新しい体制のもと、ゼロから開発が進められた初めてのモデルが、2003年に登場した「コンチネンタルGT」だ。1952年登場の「ベントレーRタイプ」に強い影響を受けたというデザインは、“マトリックスグリル”や丸目4灯のヘッドライトなどにベントレーらしさが見られる反面、レトロさは微塵もなく、またこれまでとは異なる引き締まった曲線がつくるスタイリングには、ニューモデルに賭ける彼らの意気込みが伝わってくる。

新しいのはデザインだけではない。世界最速の4シーターを標榜するコンチネンタルGTは、ハードウェアにも最新のテクノロジーが惜しみなく投入された。たとえば、0-100km/h加速をわずか4.8秒でこなす駿足ぶりは、6リッター12気筒ツインターボエンジンの成せる技だ。
この12気筒は通常のV型ではなく、V6をふたつ組み合わせたW型で、エンジンの全長を抑えることで限られたエンジンルーム内にフルタイム4WDシステムの配置を可能としている。おかげで、560ps/650Nmの圧倒的なパワーを余すところなく路面に伝えることができるというわけだ。

6段オートマチックは、積極的なドライビングを助けるパドルシフト付き。サスペンションは、スポーティさと快適さを両立する電子制御のエアサスペンションを採用する。一方で、クラフトマンシップ溢れる上質なインテリアは健在で、ベントレーの伝統に則る仕上がりを見せている。

080507_eac_spec
BENTLEY CONTINENTAL GT|ベントレー コンチネンタルGT

ボディ|全長4815×全幅1920×全高1400mm
エンジン|6.0リッターW型12気筒ツインターボ
最高出力|411kW[560ps]/6100rpm
最大トルク|650Nm[66.3kgm]/1600rpm
駆動方式|4WD
トランスミッション|6段オートマチック
価格|2270万円

BRAND HISTORY
「クラス最高の速さと価値を持つクルマをつくりたい」。“W.O.”の呼び名で親しまれているBENTLEY MOTORS(ベントレー・モーターズ)の創業者、ウォルター・オーウェン・ベントレーの言葉である。

若い時分からエンジニアとして経験を積んできたW.O.だが、はじめはクルマではなく蒸気機関車を相手とする仕事だった。仕事の合間にモーターサイクルでレースに参加するうち、彼の興味はエンジンに向けられていき、退職後、レーシングエンジンの開発を本格化させたのが第一次大戦のあと。

1920年代になると、イギリス内外のレースに参加。なかでもルマン24時間レースでは、“ベントレー・ボーイズ”の活躍により、1924年から1930年の7年間に5度の優勝を手に入れ、その名を知らしめた。しかし、経営状況は厳しく、1931年にはロールス・ロイスに買収され、かろうじてその名を残すことになった。

その後67年のあいだロールスの支配が続くが、1998年に転機が訪れる。フォルクスワーゲンがベントレーの名前とイギリスのクルー工場を買収。これによりベントレーはロールスとは別の道を歩みはじめ、「コンチネンタルGT」を皮切りに、「コンチネンタル・フライングスパー」「コンチネンタルGTC」といったニューモデルの投入により、見事、高級車市場での復活をはかった。さらに、2003年のルマン24時間では73年ぶり、6度目の優勝を手中に収めている。

           
Photo Gallery