Mercedes-Benz|メルセデスの環境適合車3台をブリーフテスト(2)
Mercedes-Benz Blue Efficiency Models|メルセデス・ベンツ ブルーエフィシエンシー
メルセデスの環境適合車3台をブリーフテスト(2)
メルセデス・ベンツ日本は「ブルーエフィシエンシー」の名のもとに、環境適合車種を続々と日本市場に導入している。クリーンディーゼル、ハイブリッド、そして小型軽量エンジンなど。なかでもE250CGIブルーエフィシエンシーアバンギャルドは、輸入車初のエコカー減税対象車の認定を取得した。
文=小川フミオ写真=河野淳樹
メルセデス・ベンツ E250CGIブルーエフィシエンシー
──あたらしい魅力を備えたEクラス
Sクラスのハイブリッドに対し、Eクラスはどうか。E 250CGIブルーエフィシエンシーおよび同アバンギャルドは、排気量を10分の1にした数字を車名にもつメルセデスの伝統を知っていても思いつかない、小さな1.8リッターの4気筒エンジンを搭載している。CGIのIは燃料直接噴射を意味していて、マルチホールインジェクターを採用して燃料筒内噴射をおこなうことで燃焼効率を高め、環境適合性とパワーを両立させている。かつ、CGIのCはチャージド、つまりターボチャージャーによる過給を意味している。それによって、2.5リッタークラスのエンジンと同等の出力を確保しつつ、20パーセント以上の燃費低減をはかった。これが車名の250の意味だ。
全長4870mm、車重1.8トン弱という、比較的大柄なボディに1.8リッターはパワー不足では?という懸念もあるが、はたして乗ると、パワフルで軽やか。2000rpmから最大トルクの31.6kgmが得られるというだけあって、低回転域でも意外なほどパワフルだし、3000rpmからは明確にターボの領域に入って、2段目の加速に移る感覚だ。
既存のEクラスより軽快なハンドリング
直線で速いだけでなく、コーナリングなどで運転の楽しさも味わえる。Eクラスのハンドリングのよさはすでに知っているつもりだったが、E250CGIブルーエフィシエンシー アバンギャルドは、これまで体験したE350やE550といったモデルより軽やかで、ハンドリングは自然。エンジンともよく合っているのだろう、この車体の大きさからは想像できないほど、気持ちのいい運転感覚を味わえる。
E クラスとCクラスのどちらが買いか。自動車ジャーナリズムの世界に身を置く者はときどきこの議論を楽しむが、縦並びのヒエラルキーを重視するメルセデスだけに、Cは若々しくアクティブである一方、乗り心地から室内各部の質感にいたるまで、お金がかかっていると思わせるのはEだ。しかし、個人的にはSクラスの魅力を超えられない新型Eクラスにあまり食指が動かなかったのは事実。そこにもってきて、E250CGIブルーエフィシエンシー アバンギャルドでEクラスを見直した。これはあたらしい魅力を備えたモデルだ。かつ、2875mmのホイールベースの上に載った適度な広さの室内といい、使い勝手もよい。634万円と比較的値頃感のある価格とともに、2009年の棹尾を飾るにふさわしいモデルだ。
メルセデス・ベンツ E250CGI ブルーエフィシエンシー/アヴァンギャルド
ボディ|全長4870(4880)×全幅1855×全高1470(1455)mm
エンジン|1.8ℓ 直列4気筒DOHC+ターボチャージャー
最高出力|50kW[204ps〕/5500rpm
最大トルク|310Nm[31.6kgm〕/2000~4300pm
駆動方式|後輪駆動
トランスミッション|5速AT
価格|634(698)万円
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