MARGARET HOWELL|“英国”由縁のアイテムをピックアップ
Fashion
2015年4月14日

MARGARET HOWELL|“英国”由縁のアイテムをピックアップ

MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル

今シーズンのアイテムから“英国”由縁のアイテムをピックアップ

マーガレット・ハウエルの服づくりにおいて、デザイナーズブランドでありながらも「英国伝統」というキーワードはつねに欠かせないものとなっている。とくに今季は原点回帰を打ち出し、原点──つまり「英国的なるもの」を再認識したコレクションとなっている。

文=細村剛太郎Photo by Jamandfix

強固な信頼関係から生まれるコラボレーション

ひとくちに「英国的」といってもいろいろあるが、マーガレット・ハウエルの服を語るうえで欠かせない要素のひとつが、その伝統的な技術や職人技へのアプローチといえるだろう。1970年代にメンズ衣服の実用性や機能性の素晴らしさに気づいたマーガレット・ハウエルは、かつてこう語っている。
「わたしはメンズ用衣服の表、裏、両面のつくりにも魅了されました。すべてが伝統的な手法でつくられています。わたしは、専門的な技術を持つ工場を探しはじめ、彼らのスキルを楽しみながら仕事に取り組みました」。

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上質なマテリアルに大胆なアーガイルチェックが映えるクルーネックニット 3万7800円

英国的な服の真髄への畏敬が、“餅は餅屋”的発想へとつながった。つまり品質を高めるがために、専門家と組んだのである。これはマーガレット・ハウエルの創業から変わらないスタンスである。こうして、アーガイルパターンのニットなら名産地であるスコットランドの工場、コートなら英国の名門であるマッキントッシュやバラクータとのコラボレーションなどへと発展したのだ。

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バラクータにスペシャルオーダーしたコート 8万7150円

まず今季のアイコニックなアイテムとしてフィーチャーされている「66レインコート」をご紹介しよう。これは「マーガレット・ハウエル」×「バラクータ」のコラボレーションで、バラクータ社で廃番となっているモデルを復刻したスペシャルオーダーシリーズの第4弾となる。その名があらわすとおり1966年に、サッカーのイングランド代表がオフィシャルコートとして着用したモデルを、マーガレット・ハウエルらしい解釈でコンテンポラリーに昇華させたもの。素材はオリジナルを忠実に再現という徹底してこだわった逸品で、もちろん完全英国生産。これをモダンなコーディネートにより、あたらしいスタイリッシュなブリティッシュトラッドを表現するアイテムとして提案している。付けられた「MARGARET HOWELL」×「BARACUTA」のジョイントラベルは、長い歴史をもつバラクータ社において、1937年の創業以来はじめて実現したもの。いかに信頼関係があるかわかるだろう。

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マッキントッシュにスペシャルオーダーしたコート 15万7500円

また近年のマーガレット・ハウエルでは、おなじみの存在となっているのが1822年創業の老舗マッキントッシュ。世界ではじめて完全防水のゴム引きコートを世に送り出した名門である。そことタッグを組んでリリースされる、「MARGARET HOWELL」×「MACKINTOSH」も見逃せない。すべて職人の手によって当時の製法のままつくりつづけられており、そのため一定の数しか生産できないというこだわりのコートだ。伝統技術にマーガレット・ハウエルのデザイン性を配した、スペシャルオーダーである。

しかし老舗とのコラボレーションは、あくまで表現の手段であり目的ではない。マーガレット・ハウエルの表現形式は、彼女の個人的な価値感が反映されたものなのである。それが新コレクションに見事に発露している。

アングローバル
Tel. 03-5467-7874
www.margarethowell.jp

           
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