中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・3)|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョンロブ
中田英寿がジョンロブのビスポークとともに世界を旅する
中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・3)
ジョンロブ・パリのビスポークアトリエにいる約20名の職人のなかでも、3人のみがもつ“マスターラストメーカー”をあたえられたフランソワ・マドニーニ氏は、日本で年3回おこなわれる「ビスポークオーダー会」のために来日する。世界各国をオーダー会のために旅するうちに彼が気づいたのは、日本人の好きなものにたいするこだわりや、職人にたいする敬意だった。
Photographs by JAMANDFIXText by KAJII Makoto (OPENERS)
フランソワが語る、中田英寿さんの足
「強い足をしていますね。一流のフットボールプレイヤーだったことがわかります。人差し指が長い、いわゆる“グリークフット(ギリシャ人の足)”で、アジア人には多くないカタチです。親指の骨が当たるというお悩みをおもちで、じつは私もおなじような状態なので、それに伴う痛みなどは、よくわかります」
フランソワは、マスターラストメーカーとしてこれまで約1000足にのぼるビスポークを担当している。
「今回の中田さんのオーダーはローファーです。フェンコートとロペスの2足を試しに履いていただきましたが、やや丸みのあるローファーということで、ロペスのほうを気に入られたようですね。ロペスはもともとビスポークの靴で、ローファー専用の8695番ラスト(木型)を使用しています。古典的なラウンドトゥですが、彼が求めるスタイルにはきれいにフィットするでしょう」
ロペスは大リーガーの選手だったA.Lopezがビスポークで作ったローファーをもとに、1950年に登場したモデルで、アッパー、ライニングともに、それぞれ最高級のカーフの1枚革を贅たくに使用。熟練の職人による合わせモカ縫いなど、“どこから見ても美しいローファー”として、現在でも人気が衰えることはない。
「中田さんの足は、幅と甲、それと骨部分の調節を考えながら、ご希望に沿うぴったりなローファーを作りたいと思います」
トライオンはパリで、そして京都へ
東京の丸の内店でのメジャーメントを終えて、つぎなるステップの「トライオン(仮縫い)」はパリの工房を予定。さらに次回、フランソワが来日する7月には、中田さんのガイドで、京都の履き物職人との出会いもセッティングされる。
メジャーメントの最中に、「中田さんの職人にたいするリスペクトの念を感じました」というフランソワ。中田さんから直接、「日本の職人技で気になるものがあったらぜひご紹介して、日本とフランスの文化を繋げたい」と言われたという。
「日本の伝統的な履き物には以前から興味がありました。今回、中田さんとの出会いを機に、日本の職人と会える機会をあたえていただいて光栄です。自分たちのやり方と比べることもできるでしょうし、いまからとても楽しみにしています」とフランソワ。
中田さんの橋渡しによって、日本とフランスの職人があたらしい出会いを迎える。
中田英寿、ジョンロブの職人と対峙する(メジャーメント・4)へつづく
ジョンロブ「ビスポーク」
価格|99万3600円~(税込)
※同一ラストでの2足目以降は89万1000円
期間|メジャーメントから約4カ月でトライオン(仮縫い)、さらに約4カ月後に納品
ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp