フルモデルチェンジした「Sクラス」が日本で正式発表|Mercedes-Benz
CAR / NEWS
2015年4月6日

フルモデルチェンジした「Sクラス」が日本で正式発表|Mercedes-Benz

Mercedes-Benz S-Class|メルセデス・ベンツ Sクラス

Lセグメントのあらたなるメートル原器

新型Sクラス、日本上陸

8年ぶりのフルモデルチェンジをおこなった「Sクラス」が、早くも日本上陸を果たした。時代の先端を行く安全性と環境適応性の、8年分となる進化はいったいどのようなものなのか。同時に発表されたAMGモデルの存在も、見逃せないポイントである。

Text by SAKURAI Keiichi
Event Photographs by AKIZUKI Shinichiro(OPENERS)

エントリーグレードが、いきなりハイブリッドモデル

5月に本国で発表されたばかりのメルセデス・ベンツのフラッグシップモデル、「Sクラス」が早くも日本で発表された。日本でのお披露目は、過去に例のない東京湾に浮かぶ「にっぽん丸」の船上で実施。

これだけでも、「Sクラス」の8年ぶりとなるフルモデルチェンジに、どれほど力を入れているのかが理解できるが、今回はAMGモデルも同時に発表し、存在感を強烈にアピールした。

「エフィシェントテクノロジー=徹底した効率向上」をコンセプトに、安全性と快適性、環境適合性などを高次元でバランスさせた「新時代のプレステージカー」とメルセデスが謳うように、新型「Sクラス」では、ラグジュアリーモデルのあらたなるメートル原器となるべく、最新デバイスを余すことなく投入。そこに出し惜しみなどはない。

現状メルセデスが持つ市販可能な全分野のテクノロジーが、この「Sクラス」に結集しているということは、つまり「Sクラス」を選びさえすれば、現状のカーテクノロジーにおける最新・最高峰を手に入れるということに等しい。時代をかたちどっていく、まさにリーダーたちのクルマとして相応しい存在である。

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S 63 AMG 4マチック ロング

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S 63 AMG 4マチック ロング

新型「Sクラス」のキーワードは、時代の最先端を行く「インテリジェントドライブ=知能を備えた革新的テクノロジー」と「エナジャイジング コンフォート=究極の快適性」。ハイテクを存分に採用したシャシーやドライブとレーンにならび、クーペライクなデザインを採用するエクステリアデザインや、あたらしい形状のダッシュボードにそなわる12.3インチのTFT液晶画面を2つ横に繋げたメーターパネルの採用も注目ポイントである。

日本での発表に当たってメルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長は、新型「Sクラス」の紹介の冒頭で、ダイムラー社取締役会会長兼メルセデス・ベンツ・カーズ統括のディーター・ツェッチェの言葉を引用し、「安全性かデザインか。パワーか効率か。快適性か運動性か。そんな二者択一よりも、あらゆる面で『最善か無か』を選びました。そんなメルセデスのスローガンを忠実に体現したのが、この新型Sクラスです。このクルマが、ラグジュアリークラスのあたらしい基準となるはずです」と、スピーチ。製品クオリティと、販売に自信の程をうかがわせた。

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S63 AMG 4マチック  ロング

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S63 AMG 4マチック ロング

Mercedes-Benz S 550 long|メルセデス・ベンツ S550 ロング

Mercedes-Benz S 550 long|メルセデス・ベンツ S550 ロング

エクステリアでは、これまでと変わらずフラッグシップモデルならではの堂々たる大きさのフロントグリルを採用。塊から削りだしたような量感たっぷりのフォルムは、クーペをおもわせる流麗なデザインでまとめられている

約100kgもの大幅な軽量化を達成したアルミニウム ハイブリッド ボディシェルの採用や、セグメントトップとなるエアロダイナミクスを実現したのも大きなニュースだ。実車では、ボディサイドのキャラクターラインが印象的で、質感と躍動感を表現し、若々しさも感じとれた。ただし、旧型にあった、トランクリッドをリアフェンダーよりも一段上に上げた例の特徴あるデザインは見られず、わずかにイメージの踏襲程度にとどめられていた。

Mercedes-Benz S-Class|メルセデス・ベンツ Sクラス

Lセグメントのあらたなるメートル原器

新型Sクラス、日本上陸(2)

快適性能も安全性能もフラッグシップに相応しい

いっぽうのインテリアは、ダッシュボード下端がカーブを描き、ドアに至るまで一体感のある特徴的なデザインを採用した。通常のアナログメーターは廃止され、表示はすべてTFT液晶画面によっておこなうシステムだ。擬似的にメーターは表示されるが、これは液晶画面に映し出された画像となる。

しかしその反面、エアコンの風量調整やジョグダイヤルを採用したオーディオのボリュームコントロールなど、物理スイッチも用意。これは運転中のブラインドタッチや直感的操作に対応するためで、ダイヤルひとつですべてを操作させようとする今どきのコントローラーシステムになれた身には反対に新鮮だ。もちろん、ほとんどの操作は、いままでどおりコマンドシステムでもおこなえるようになっている。

フラッグシップモデルに相応しいのは、見た目ばかりではない。より上質な走りを実現するため、前方の路面の凹凸をステレオ マルチパーパス カメラで捉え、路面状況にあわせてサスペンションの動きを制御する、「マジックボディコントロール」を「S 63 AMG long」に標準装備(「S 550 long」にオプション)。

これ以上乗り心地をよくしてどうするとおもわれそうだが、ボディに伝わる衝撃を最小限におさえたフラットで快適な乗り心地は、まさにトップ・オブ・メルセデスに相応しいものだという。

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S 63 AMG 4マチック ロング

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S 63 AMG 4マチック ロング

そんな新型「Sクラス」を語るうえで、やはりはずせないのが、安全性である。『知能をそなえた』とメルセデスがいう、セーフティ テクノロジー「インテリジェント ドライブ」を装備し、おなじみとなった安全運転支援システム「レーダー セーフティ パッケージ」は、従来の短距離/中長距離ミリ波レーダーにくわえ、ステレオ マルチパーパス カメラとマルチモード ミリ波レーダー(後方)をあらたに追加。障害物だけでなく、歩行者の検知も可能としている。先行して搭載された「Eクラス」同様、追突防止では全方位に死角がなくなったといえる。

「ディストロニック プラス」、「BAS(ブレーキアシスト)プラス」、「プレ セーフ ブレーキ」もそれぞれ進化をはたし、より多くの領域とシチュエーションをカバー。さらに後方からの衝突にそなえ、前車への玉突きといった二次被害を軽減する「リアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)」もあらたに装備した。

ハイブリッドシステムをはじめとするパワートレインのパフォーマンスは別項のとおりだが、すべてに共通しているのは、動力性能を高めながら燃費効率を大きく向上させている点だ。フラッグシップだからこそ、効率化と燃費性能には腐心したあとがうかがえる。

Mercedes-Benz S 400 Hybrid|メルセデス・ベンツ S 400 ハイブリッド

"Mercedes-Benz S 400 Hybrid|メルセデス・ベンツ S 400 ハイブリッド"

ラインナップは、3.5リッターV6直噴エンジンに第2世代ハイブリッドシステムを組みあわせた「S 400 HYBRID」がエントリーモデルとなり、そのS 400 HYBRIDをベースに内外装と快適装備の充実をはかった「S 400 HYBRID エクスクルーシブ」、ロングホイールベースを採用した上級モデルの「S 550 long」、そしてこれらにくわえ、ラグジュアリーセダン最速となる最高出力585ps/430kWを誇るメルセデスAMG社製5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンを搭載した「S 63 AMG long」、さらには、これにAMG専用4輪駆動システム「AMG 4MATIC」を搭載した「S 63 AMG 4MATIC long」の全5モデルをラインナップする。

エントリーグレードが、いきなりハイブリッドモデルというのも異例なら、日本導入当初からAMGモデルをラインナップしているのも異例。それだけこの新型「Sクラス」に力を入れている証明でもあろう。1年以内の近い将来に、リッター33kmの燃費を誇る「S 500 プラグインハイブリッド」も導入し、さらなるラインナップの拡充をおこなう予定だというから、しばらくは、この王者の動向に注目が必要だ。

新型「Sクラス」のオーダーの受け付け開始は10月1日からで、11月上旬より順次デリバリーをおこなってゆく。

また、Sクラスの発売を記念して、S 550 longをベースに専用レザーの内装や快適装備を盛り込んだ特別仕様車、「S 550 long Edition 1」を280台限定で発売する。こちらの価格は1,750万円だ。

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Mercedes-Benz S 400 Hybrid|メルセデス・ベンツ S 400 ハイブリッド
ボディサイズ|全長 5,116 × 全幅 1,899 × 全高 1,493 mm
ホイールベース|3,035 mm
トレッド 前/後|1,624 / 1,637 mm
最低地上高|124 mm
トランク容量(VDA値)|510 リットル
重量|- kg
エンジン|3,497 cc V型6気筒 直噴DOHC + 電気モーター
最高出力| 225 kW(306 ps)/ 6,500 rpm
最大トルク|370 Nm(37.7 kgm)/ 3,500-5,250 rpm
モーター出力|20 kW(27 ps)
モータートルク|250 Nm(25.5 kgm)
トランスミッション|7段オートマチック
駆動方式|FR
タイヤ 前/後|245/50R18
0-100km/h加速|6.8 秒(本国値)
燃費(NEDC値)|6.3 ℓ/100km(≒15.9km/ℓ)(本国値)
ハンドル位置|右
価格|1,090 万円(エクスクルーシブは1,270 万円)

Mercedes-Benz S 550 long|メルセデス・ベンツ S 550 ロング
ボディサイズ|全長 5,250 × 全幅 1,900 × 全高 1,495 mm
<全長 5,280 × 全幅 1,915 × 全高 1,495 mm>
ホイールベース|3,165 mm
トレッド 前/後|1,625 / 1,635 mm<1,630 / 1,645 mm>
最低地上高|130 mm
トランク容量(VDA値)|530 リットル
重量|2,180 kg<2,190 kg>
エンジン|4,663 cc V型8気筒 直噴DOHC ツインターボチャージャー付き
最高出力| 335 kW(455 ps)/ 5,250-5,500 rpm
最大トルク|700 Nm(71.3 kgm)/ 1,800-3,500 rpm
トランスミッション|7段オートマチック
駆動方式|FR
タイヤ 前/後|245/50R18
0-100km/h加速|4.8 秒(本国値)
燃費(NEDC値)|8.6 ℓ/100km(≒11.6km/ℓ)(本国値)
ハンドル位置|左 / 右
価格|1,545 万円
※<>内はAMGスポーツパッケージ装着時の値

Mercedes-Benz S 63 AMG long|メルセデス・ベンツ S 63 AMG ロング
ボディサイズ|全長 5,287 × 全幅 1,915 × 全高 1,499 mm
ホイールベース|3,165 mm
トレッド 前/後|1,630 / 1,644 mm
最低地上高|141 mm
トランク容量(VDA値)|510 リットル
重量|- kg
エンジン|5,461 cc V型8気筒 直噴DOHC ツインターボチャージャー付き
最高出力| 430 kW(585 ps)/ 5,500 rpm
最大トルク|900 Nm(91.7 kgm)/ 2,250-3,750 rpm
トランスミッション|7段オートマチック
駆動方式|FR
タイヤ 前/後|255/45R19 / 285/40R19
0-100km/h加速|4.4 秒(本国値)
燃費(NEDC値)|10.1 ℓ/100km(≒9.9km/ℓ)(本国値)
ハンドル位置|右
価格|2,340 万円

Mercedes-Benz S 63 AMG 4MATIC long|メルセデス・ベンツ S 63 AMG 4マチック ロング
ボディサイズ|全長 5,287 × 全幅 1,915 × 全高 1,499 mm
ホイールベース|3,165 mm
トレッド 前/後|1,643 / 1,644 mm
最低地上高|135 mm
トランク容量(VDA値)|510 リットル
重量|- kg
エンジン|5,461 cc V型8気筒 直噴DOHC ツインターボチャージャー付き
最高出力| 430 kW(585 ps)/ 5,500 rpm
最大トルク|900 Nm(91.7 kgm)/ 2,250-3,750 rpm
トランスミッション|7段オートマチック
駆動方式|4WD
タイヤ 前/後|255/45R19 / 285/40R19
0-100km/h加速|4.0 秒(本国値)
燃費(NEDC値)|10.3 ℓ/100km(≒9.7km/ℓ)(本国値)
ハンドル位置|左
価格|2,340 万円

メルセデスコール
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