九島辰也が語る、ベントレー ベンテイガの真価|Bentley
CAR / FEATURES
2016年12月21日

九島辰也が語る、ベントレー ベンテイガの真価|Bentley

Bentley Bentayga|ベントレー ベンテイガ

九島辰也が語る、ベントレー ベンテイガの真価

世界の富裕層を満足させる内容の持ち主

2015年9月のフランクフルトモーターショーでデビューし、今年、日本にも導入された、ベントレー初となるSUV「ベンテイガ」。現行市販SUV最高峰を標榜するパフォーマンスや、存在感のあるスタイリング、そして贅を尽くしたインテリアなど、高い評価を得ているのはご存じのとおり。幸運にもアメリカはカリフォルニア州パームスプリングの山中で同モデルに試乗したことのあるモータージャーナリスト、九島辰也氏が、あらためてその真価を考える。

Text by KUSHIMA Tatsuya

各国で多くのアワードを受賞

2015年秋のフランクフルトモーターショーでベールを脱いだベントレー初のSUV「ベンテイガ」。日本では2016年6月に正式発表が行われたのも記憶に新しい。世界の各マーケットでアナウンスされる都度、ベンテイガはベントレーのこれまでのモデル以上に話題となっているようだ。

Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ

Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ

評価の多くはハードウェアとソフトウェアの両面にある。「世界最速のSUV」とか、「世界で最も豪華なSUV」といったキャッチコピーが躍る。そしてそれに反応するようにバックオーダーが入り、ベントレーは2016年に5,500台以上生産すると発表した。これは生産量を当初より増やし、顧客の待ち時間を短縮させるためだという。ベントレーモーターズの会長兼CEOのヴォルフガング・デュルハイマー氏は、「すでに56のマーケットでデリバリーを開始、顧客の手に届きはじめている」と2016年11月にコメントした。

そんなベンテイガはメディアの反応がいいことからもわかるように、多くのアワードを受賞した。ラグジュアリーメディアで知られるロブレポート英国版では「SUV of the year」に、オートカー英国版では「Game Changer」賞に輝いた。また、中国、中東、シンガポールでもそれぞれのメディアで高く評価され賞を授与されている。かなり限られたマーケットに向けての商品コンセプトではあるのだが、それ以上に存在感は示されているようだ。

Bentley Bentayga|ベントレー ベンテイガ

九島辰也が語る、ベントレー ベンテイガの真価

世界の富裕層を満足させる内容の持ち主 (2)

スーパーカー級のパフォーマンス

ベンテイガのスペルは「BENTAYGA」となる。これは2つの言葉を起源とする造語で、グランカナリア島(スペイン領カナリア諸島)の岩山「Roque Bentayga(スペイン語)」とシベリアの針葉樹林「TAIGA(ロシア語)」に由来するらしい。なんともワイルドな印象だろう。もちろん、このネーミングはベントレー史上初登場。「コンチネンタル」や「フライングスパー」、「ミュルザンヌ」といった過去のモデルからの伝承組とは違う。つまりは新しいチャレンジということになる。

Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ

Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ

そのベンテイガのプロファイリングを簡単に記すと、エンジンは6リッターW12ツインターボで最高出力は608ps、最大トルクは900Nmを発生させる。0-100km/h加速は4.1秒、最高速度は301km/hというからまんまスーパーカー級だ。5メートルを超える全長と2,530kgという車両重量を鑑みると立派である。それにシリンダー休止システムもついているから、省燃費面でも工夫されていることがわかる。

電子デバイスでは、ドライバーアシスト機能が豊富に備わる。ナイトビジョンやブラインドスポットアシスト、ハイビームアシストなどがその一例だが、それらを実現するためベンテイガにはカメラやセンサーがたくさん搭載される。最大5個のカメラと最高12個の超音波センサー、それと短距離&長距離レーダーがそれにあたる。また、オーディオ、エンターテイメント、コネクティビティ、ナビゲーションなど、インターフェイスが充実しているのも見るべきポイント。高級車としての装備が充実する。

Bentley Bentayga|ベントレー ベンテイガ

九島辰也が語る、ベントレー ベンテイガの真価

世界の富裕層を満足させる内容の持ち主 (3)

王道を知るベントレーならではの作品

ラッキーなことにそんなラグジュアリーSUVを本格的なオフロードコースで試したことがある。場所はカリフォルニア州パームスプリングの山中で、赤土の中を走り回った。しかも快適に。ドライバーはシャシーをコントローラーでセットアップするだけで、あとはクルマがすべてをこなしてくれる。

具体的には、車高からはじまり、ダンパーの減衰力、ロール制御、エレクトリックスタビリティ&トラクションコントロール、さらにはエンジンとドライブトレーンの各種設定が変わるという仕組みだ。オンロード4種類、オフロード4種類の計8種類の走行モードが用意される。オンロードはスポーツやコンフォート、オフロードは雪道や砂地用といったものだ。サスペンションストロークは225mmあるので最低地上高を最大に引き上げると、渡可水深は500mmになる。

Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ

Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ

といったのはベンテイガの特徴のほんの一部。とにもかくにも、このクルマにはこれまで以上にたくさんのデバイスが装着される。つらつら書きはじめたら本が一冊出来上がりそうなボリュームだ。

なので、結論を言うと、まさに世界の富裕層を満足させる内容の持ち主。そりゃそうだ。そこをターゲットにしてきたエキスパートたちの最新作である。よって富裕層を自認する方もこれから富裕層になると決めている方もチェックする必要があると思う。そこにはグローバルレベルの富裕層ニーズがあるからだ。そう考えると、SUVはベントレーにとって新境地ではあるが、ベンテイガは王道を知る彼らならではの作品に仕上がっている。今回東京で久しぶりにそのステアリングを握ったが、高級サルーンをも超えるそのなめらかな走りにただただうっとりするだけであった ――

080507_eac_spec
Bentley Bentayga |ベントレー ベンテイガ
ボディサイズ|全長 5,150 × 全幅 1,995 × 全高 1,755 mm
ホイールベース|2,995 mm
重量(EU)|2,530 kg
エンジン|5,950 cc W型12気筒 ツインターボTSI
最高出力| 447 kW(608 ps)/ 5,250-6,000 rpm
最大トルク|900 Nm / 1,250-4,500 rpm
トランスミッション|8段AT
駆動方式|4WD(前40:後60)
サスペンション 前/後|マルチリンク / マルチリンク
ブレーキ 前|400mm ベンチレーテッドディスク
ブレーキ 後|380mm ベンチレーテッドディスク
タイヤ|275/50R20(オプションで285/45R21、285/40R22)
最小回転半径|6.2 メートル
トランク容量|430-590 リットル
0-100km/h加速|4.1 秒
最高速度|301 km/h
燃費(EU複合)|12.8 ℓ/100km(およそ7.8 km/ℓ)
CO2排出量|292 g/km
価格|2,695万円

問い合わせ先

Bentley Call

0120-97-7797

http://www.bentleymotors.jp/

           
Photo Gallery