911ターボも991 IIに進化|Porsche
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2016年2月15日

911ターボも991 IIに進化|Porsche

Porsche 911 Turbo|ポルシェ 911 ターボ

Porsche 911 Turbo Cabriolet|ポルシェ 911 ターボ カブリオレ

911ターボも991 IIに進化

ダウンサイジングターボの搭載などをメインに、ビッグマイナーチェンジをおこなっている「911」シリーズ。その本命、「911ターボ」の進化したニューモデルが来年1月のデトロイト モーターショーでワールドプレミアされる。ベールモデルである911ターボのほか、高性能版となる「911ターボ S」と、オープン仕様「911ターボ カブリオレ」「911ターボ S カブリオレ」もそれぞれ同時に発表。12月1日より日本でも受注を開始している。

Text by SAKURAI Kenichi

いよいよ991 IIのラインナップが完成

ポルシェ「911」の最新モデル、コードネーム991型にマイナーチェンジが実施され、まずその第1弾として後輪駆動の「カレラ」と「カレラ S」が、今秋開催されたフランクフルト モーターショーで世界初公開されたのはまだまだ記憶にあたらしいところである。しかし、ポルシェは一息つくことなく、その進化版にあたる991型のセカンドジェネレーションたる991 IIに、あらたなバリエーションとして「カレラ 4」と「カレラ 4S」の両モデルを追加。この4輪駆動モデルは、先の東京モーターショーでワールドプレミアを果たし、一般公開されている。

しかしポルシェは手を休めることなく、991 IIのラインナップ完成を急いだ。来る2016年1月のデトロイト モーターショーで、911シリーズのカタログモデルではもっとも高性能版となる「ターボ」の追加を発表。これによって、「GT3」や「RS」といった、いわゆる「役モノ」といわれる特別なモデルを除くカタログモデルの911シリーズが、全車新世代に移行を果たしたことになる。ちなみに「911 ターボ」シリーズは、この12月1日より日本でも受注開始をアナウンスした。

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コードネーム991 IIの新型911のトップに君臨する「ターボ」は、これまでのラインナップを踏襲しクーペとカブリオレの2タイプのボディスタイルが用意される。エクステリアデザインは、先に登場している991 IIに準じたもので、4灯式のデイタイムランニングライトを備えたヘッドランプやリセスカバーのないドアハンドル、バーチカルルーバーにデザインし直されたリアリッド、よりシャープな印象を与える新デザインのテールランプなどなど、セカンドジェネレーションとしての特徴は、進化した「ターボ」にも共通している。

新デザイン20インチホイールの採用も、従来の991との識別ポイントだろう。ターボ Sではこれまでの10本のダブルスポークデザインにかわって、7本のダブルスポーク センターロック式ホイールのデザインを採用。ターボのホイールサイズは、フロントが9Jx20、リアが11.5Jx20となり各0.5インチずつワイド化を果たし、ターボ Sと同サイズになった。

また、ターボ全モデルにレーダーベースのレーンチェンジアシストと、低速時にフロントスポイラーリップ部を40mm上昇させるフロントアクスルのリフトシステムがあらたにオプションとして用意されており、安全性と実用性を向上させた。

Porsche 911 Turbo|ポルシェ 911 ターボ

Porsche 911 Turbo Cabriolet|ポルシェ 911 ターボ カブリオレ

911ターボも991 IIに進化(2)

パワー向上した3.8リッター水平対向6気筒ツインターボエンジン

こうした内外装のブラッシュアップ以上に注目すべきは、やはりエンジンである。セカンドジェネレーションとなった991 IIの各車には、ダウンサイジングされた(ポルシェではこれをライトサイジングと表現するが)3リッターの水平対向6気筒ツインターボエンジンが採用されたが、ターボでは、これまでどおり3.8リッターの水平対向6気筒を搭載。従来通り、高性能版として、ターボ Sもラインナップする。

この3.8リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンは、ターボ、ターボ Sともにそれぞれ先代モデルを15kW(20ps)上まわるパフォーマンスを得ている。ターボではインレットポートを見直したシリンダーヘッドや、より高い燃圧と組み合わされるあたらしいインジェクターなどの採用により、最高出力397kW(540ps)を発生。いっぽうターボ Sでは、大型のコンプレッサーを備えた新型ターボチャージャーによって427kW(580ps)を発揮する。トランスミッションは従来どおり7段PDK(デュアルクラッチ トランスミッション)となる。

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このエンジンには「ダイナミックブースト機能」も備わり、通常以上にパワーが欲しい時や、踏み込みを増したアクセルワークにおいて、エンジンレスポンスをさらに向上させているという。アクセルペダルを少しもどした時などの負荷変動時でも過給圧を維持するこの新機能は、スロットルバルブを開いたままフューエルカットすることによって実現。アクセルペダルを踏んだ時にエンジンがレスポンス良く反応するとともに、燃料の消費を削減するという副次的効果も得られる。

ちなみにパフォーマンスも大きく向上。ターボの0-100km/h加速タイムは3.0秒、最高速度は、先代を5km/h上まわる320km/hにのぼり、ターボ Sでは0-100km/h加速タイムが2.9秒、最高速度は、先代を12km/h上まわる330km/hに達した(ともにクーペのデータ)。

そうした性能アップのいっぽうで、燃料消費量はクーペでわずか9.1ℓ/100km(リッターあたり10.98km)、カブリオレでは9.3ℓ/100km(リッターあたり10.75km)に改善。これは、全グレードにおいて100kmあたりの燃料消費量を0.6ℓ低減したことになるという。これらは、ギアチェンジマッピングの変更をおこなったエンジンとトランスミッションマネージメントによって達成された。

Porsche 911 Turbo|ポルシェ 911 ターボ

Porsche 911 Turbo Cabriolet|ポルシェ 911 ターボ カブリオレ

911ターボも991 IIに進化(3)

google eathやstreet view対応の最新インフォテインメント

インテリアでも、先に登場している991 IIに準じた変更を実施している。ユニークな装備といえるのが、360mm径のあたらしいGTスポーツステアリングホイールに設けられたモードスイッチ。これは「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ プラス」、そして「インディビジュアル」の4つのことなる走行モードを任意に選ぶことができる。

さらにスポーツクロノパッケージには、このモードスイッチの中央にいわゆるブースト機能に似た「スポーツ レスポンス スイッチ」も備わる。スポーツ レスポンス スイッチの作動時には、エンジンとトランスミッションのレスポンスが最高レベルになり、追い越し時などでは20秒間加速を最適化することができるという。

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さらに、インフォテインメントシステムも新世代に進化。マルチタッチモニター式のオンラインナビゲーション付PCMがターボ全車に標準装備され、Google EarthとGoogle Street Viewの画像を表示することができるようになったほか、手書き入力での目的地検索もおこなえる。

日本での販売価格は、ベースとなる911ターボが2,236万円、911ターボ カブリオレが2,502万円、高性能版の911ターボ Sが2,599万円、911ターボS カブリオレが2,865万円という設定。全モデルとも7段PDKのみとなり、左右ハンドルが選択可能だ。

問い合わせ先

ポルシェ カスタマーケアセンター

0120-846-911

http://www.porsche.co.jp

           
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