アウディが電気自動車のSUVコンセプトを公開|Audi
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2015年9月16日

アウディが電気自動車のSUVコンセプトを公開|Audi

Audi e-tron quattro concept|アウディ e-tron クワトロ コンセプト

アウディが電気自動車のSUVコンセプトを公開

アウディは、開催中のフランクフルトモーターショーにて、「e-tron quattro コンセプト」を公開した。これはSUVタイプの電気自動車のコンセプトモデルであり、2018年の市販化を目指しているという。

Text by OHTO Yasuhiro

370kWの最大出力と800Nmの最大トルク

アウディがフランクフルトショーで初披露した「e-tron quattro コンセプト」は、スポーツSUVタイプの電気自動車。最大370kWを発揮するe-tron quattroドライブシステムと空気抵抗係数(Cd値)0.25を達成した流麗なスタイルが特徴だ。

アウディe-tron quattroコンセプトのハイライトはあたらしいEVパワートレインにある。

3つの電気モーターで構成され、トータルで320kWの出力を発揮。モーターの配置は、ひとつが前輪の駆動に使われ、残りふたつのモーターが後輪を受け持つ。システムには瞬間的にパワーを高めるブースト機能が備わっており、極めて短い時間ではあるが、370kWの最大出力と800Nmの最大トルクが提供される。それにより0-100km/h加速は4.6秒という高い運動性能を発揮する。最高速度は210km/hでリミッターに達するという。

Audi e-tron quattro concept|アウディ e-tron クワトロ コンセプト 008

Audi e-tron quattro concept|アウディ e-tron クワトロ コンセプト 043

この3モーターによるEVパワートレインは、アウディが研究を重ねてきたe-tron quattroのテクノロジーが初めて具現化されたもので、インテリジェントな駆動管理システムにより、走行状況に合わせたモーターの適切な制御が実現されている。ドライバーは、エネルギーの回生のレベル、「D」または「S」の走行プログラム、アウディドライブセレクトのモードを自由に選択でき、状況に合わせて効率を重視することや、パフォーマンスを優先することもできる。

キャビン床下に駆動用の大容量リチウムイオンバッテリーをレイアウトすることで、前後アクスル間の重量バランスが最適化と車両重心の低減を両立。バッテリー容量を95kWhまで高め、500kmを優に超える航続距離が確保されている。

充電は、コンバインドチャージングシステム(CCS)を採用し、直流、交流のどちらにも対応。出力150kWの直流急速充電プラグを利用すれば、約50分でフル充電することができる。また、アウディワイヤレスチャージングテクノロジーにより、非接触充電も利用できるほか、天候に恵まれた日ならば大型ソーラールーフからもバッテリーに電力が供給される。

Audi e-tron quattro concept|アウディ e-tron クワトロ コンセプト

アウディが電気自動車のSUVコンセプトを公開

3年後の2018年に市販として具現化

空力面での高い性能を考慮しつつ、電気駆動システムの様々なコンポーネントを巧みに収納させることで、エクスエリアはスポーティなSUVスタイルとした。5ドア仕様のボディは、全長4.88m×全幅1.93m×全高1.54メートルにまとめられており、ルーフはクーペのように低くおさえられているのが特徴。シルエットもクーペルックなスポーティかつダイナミックなものとされた。

流麗なスタイルはもちろん性能面でも優れており、空気抵抗係数(Cd値)が0.30を大きく上まわることも珍しくないSUVモデルでありながら、わずか0.25という優れた値を達成している。また電動可動式のエアロパーツをくわえることで、高速走行中におけるボディ周囲のエアフローを整えている。これは室内に伝わるウィンドノイズ低減にも効果があり、高い静粛性を誇るEVの長所をさらに伸ばすことができる。。

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Audi e-tron quattro concept|アウディ e-tron クワトロ コンセプト 024

視認性だけでなくフロントマスクの印象を左右するヘッドライトには、マトリックスレザーテクノロジーを採用。ライトユニットの下部には、LEDと極めて薄いOLED(有機LED)のエレメントが組み合わされる。アウディ開発のマトリックスOLEDが搭載されたのは、今回のコンセプトカーが初となる。これも今後市場投入が予定されている技術のひとつだ。

キャビンには、広く快適な4名分の乗用スペースと615リッターのラゲッジスペースを確保。コクピットにはフルデジタルメータークラスターが備わり、その左右下部にはふたつのタッチスクリーンが設置される。このうち右側のものは、自動運転システム制御に使われる。

アウディe-tron quattroコンセプトには、自動運転を可能とするあらゆるテクノロジーが搭載されている。

カメラやセンサーから提供されるデータはzFASと呼ばれるセントラル ドライバーアシスタンス コントローラーに集約。zFASでは、そのデータから車両周囲の状況を演算し、車載されたすべてのアシスタンス機能及び自動運転システムのあいだで共有をはかり、統合的に安全性や機能を高める。

このようなシステムが、市販車に搭載されるタイミングも、もう間近であるとアウディは予告する。

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e-tron quattro concept デザインスケッチ

アウディは2018年初頭に、あらたなラグジュアリースポーツSUV投入を計画しており、本モデルは、その市販車の搭載技術を具現化されたものとなる。3年後、どのような高級SUVが登場するのか、楽しみだ。

           
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