ブルー・ブラック・グラデーション文字盤を搭載したNEW年次カレンダー|PATEK PHILIPPE
PATEK PHILIPPE|パテック フィリップ
万年筆のインクのような、ニュアンスのある
色彩を、PVD技術を用いて文字盤に表現
曜日、日付、月を3つの表示窓で示す、年次カレンダー5205モデル。その18KWGバージョンが、2018年、新たに誕生したブルー・ブラック・グラデーション文字盤を搭載することになった。それにともない年次カレンダー18KWGケースのグレー文字盤、ブラック文字盤は製造終了となる。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
これが、パテック フィリップのさらなる高みを目指す姿勢
文字盤の外側に向かって色が濃くなり、18KWGとのカラーコントランストを明解なものとするブルー・ブラック・グラデーション文字盤。これまでのラッカー文字盤では出せなかった雰囲気です。
そして、その効果は18KWGと合わせるのが一番。なぜなら純白の輝きを一層、引き立たせるからです。そこでパテック フィリップは18KWGモデルをこの1リファレンスに絞ることにしたのでしょう。
これまではやや控えめな印象だった年次カレンダー18KWGバージョンですが、今年からは違います。煌めきが存在感を高めるモデルへと大変身です。
もちろん既存モデルを否定するわけではないですが、より良きものが提供できるなら、そちらへとシフトしていくのが、パテック フィリップの考え方です。
さて、年次カレンダーとは月末の30日と31日の月を自動的に判別、ただし3月1日のみ日付調整を必要とする機構です。言わば、永久カレンダーの弟分のような機構ですが、この2月の月(および閏年)を機械で判別させないことで、メカニズムの簡素化が実現。壊れにくいことから“実際に日常で使えるコンプリケーション”という側面がクローズアップされ、人気モデルとなりました。
今では他ブランドも年次カレンダーを出すようになりましたが、年次カレンダー人気の功績は、パテック フィリップにあると見ています。パテック フィリップはこの年次カレンダーモデルの開発に力を注いできたからです。なかでもRef.5205シリーズは、3つの表示窓で端的にカレンダーを示すので実用的。そのうえで、クラシカルな表情を損ねていないところがいいと思っています。
そして、このブルー・ブラック・グラデーション文字盤は、ムーンフェイズディスクの紺とも相性いいですね。甘くなり過ぎず、キリッとしている。白、青、黒のコーディネイトですから、合わないはずがありません。
このムーンフェイズは、122年に一日の誤差のみを許す高精度なものとなっています。そこから先はマニアックな話になっていきますが、つまり“飾りじゃない”ってこと。ポエティックに終わらせず、精度や正確性を狙っていくのが王者の誇りです。
リュウズの上下には調整ボタンがふたつ。ケースの左サイドに同様の調整ボタンがふたつあり、計4つの調整ボタンでカレンダーやムーンフェイズを調整することが可能。久しぶりに時計を出してきても、パパッと調整できることは、実はマストな機能です。またラグを中抜きにして、ケースを軽くするなど、今どきなディテールも備えています。