モンブラン|SIHH 2016 ジュネーブサロン速報|MONTBLANC
MONTBLANC┃モンブラン
創業110周年を祝う4810コレクションが登場(1)
2016年、筆記具ブランドとして知られるモンブランは創業110周年を迎えた。時計事業は1990年代に始まり、1997年にスイスのジュネーブサロンで華々しくデビューした。その後も進展は目覚ましく、マニュファクチュールブランドとして、一目置かれるブランドとなった。110周年でも頼もしい新コレクションが出揃った。
Text by KAWADA Akinori
4810コレクションの確立
モンブランの創業110周年を記念するモデルとして、お披露目されたのが、この新コレクション「4810」だ。この「4810」とは、アルプスの最高峰であるモンブラン山頂の標高を意味している。元々2006年に登場した「スター 4810」コレクションに着想を得ており、オーセンティックで丸みを帯びたケーススタイル、文字盤6時寄りにモンブランのトレードマークである星、そして波紋が広がるようなギョーシェ装飾を継承。それらを新しく構築したコレクションとなっている。
コンセプトは、モンブランの創業当時、「世界への玄関口」と呼ばれていたモンブランの創業地であり、巨大な港町であるドイツ・ハンブルグである。さまざまな人、船、技術が行き交い、活気あふれる街を想起するイメージである。
非常に幅広いライナップで、続々と時計がローンチされるが、ここで注目したいのは、船旅や航海というイメージをかき立てるモデルである。それこそ、記念の年にふさわしい時計のテーマであり、記念モデルとレギュラーモデルのいずれにも、ピッタリのモデルが登場している。
細密画で描かれた世界はアート級のデキ
「4810」の門出を祝う記念コレクションのうち、ハイエンドモデルに当たるのが、この「4810 エグゾトゥールビヨン スリム 110周年記念エディション」である。
メカニズムに関しては、もはやモンブランの看板機構と呼ぶにふさわしい、エグゾトゥールビヨンを搭載している。この機構は、本来なら回転するキャリッジ内に収まっているはずのテンプを、キャリッジの外、上部に重ね置きするように配したことにある。これによって、キャリッジという枠にとらわれることなく、より大直径のテンプを採用することが可能となり、一段と精度の向上に寄与することができるのだ。
限定数は北米36本、ヨーロッパ36本、アジア38本というレアモデル。ヨーロッパから北米やアジアへのグランドツアーを思い起こさせる希少で芸術的なモデルであり、愛好家の注目が集まりそうだ。
4810 エグゾトゥールビヨン スリム
110周年記念エディション ノースアメリカ36/ヨーロッパ36/アジア38
ケース|18Kホワイトゴールド
直径|42mm
厚さ|10.14mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.MB 29.24)
機能|エグゾトゥールビヨン(テンプをキャリッジの上面に配置)
ストラップ|アリゲーター
防水|5気圧
限定数|36本(ノースアメリカ)、36本(ヨーロッパ)、38本(アジア)
発売時期|2016年9月予定
予価|3万9500ユーロ
Page02. 実用性も兼備するトラベルクロノグラフ
モンブラン コンタクトセンター
0120-39-4810
http://www.montblanc.com/
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創業110周年を祝う4810コレクションが登場(2)
実用性も兼備するトラベルクロノグラフ
記念限定モデルとしては、比較的アプローチしやすいモデルが、この「4810 ツインフライ クロノグラフ 110周年記念エディション 1100」である。ベゼルは丸みを帯びエレガントで、星から波が発するような文字盤の装飾も丁寧に施され、これが「4810」コレクションの、いわばデザインコードである。
メカニズムはモンブランが自社開発したツインフライバックを搭載する。クロノグラフの計測中にリセットボタンを押すと、クロノグラフの針が瞬時にゼロ位置へ戻り、即、計測を再開する仕組みだが、この機構ではクロノグラフ秒針だけでなく、6時位置の60分積算計の針も、零帰/計測再開を行う。
そして、海外旅行には不可欠な第2時間帯表示を装備し、現地時間は通常の時針で、本国時間はブルーのスケルトン針で表示。12時位置に描かれた地球儀の絵の部分は、ブルーの針と連動した、本国時間を24時間方式で表示するインダイヤルだ。インダイヤル外周の青い部分は夜、白い部分は昼であることを示す。
このように機能が盛りだくさんである上、実用的。ゴールドカラーに仕上げられたインデックスや針は特別仕様にふさわしい仕様となっている。狙ってみたい一本である。
4810 ツインフライ クロノグラフ 110周年記念エディション 1110
ケース|ステンレススチール
直径|43mm
厚さ|14.58mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.MB LL100.1)
機能|クロノグラフ(60分積算計、秒分ともにフライバック機能)、第2時間帯表示(ブルーの針が本国時間)、24時間表示(本国時間に連動)、日付表示
ストラップ|アリゲーター
防水|5気圧
限定数|1100本
発売時期|2016年6月予定
予価|89万5000円(税別)
Page03. 画期的なワールドタイマーを再び
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創業110周年を祝う4810コレクションが登場(3)
画期的なワールドタイマーを再び
2015年に「ヘリテイジ スピリット」の一作として登場したワールドタイマー「オルビス テラルム」を、新コレクションのためにあつらえ直したのが、この「4810 オルビス テラルム」である。
通常なら、24時間の時刻入りリングと、世界中のタイムゾーンの代表都市名が入ったリングとの組み合わせで、世界中の現在時刻を把握できるようにした時計が、ワールドタイマーである。表示時刻の調整方法には、各社それぞれ工夫をこらしているが、モンブランも例外ではない。
「オルビス テラルムでは、ケースの8時位置にあるボタンを押すと都市名リングが送られ、それに連動して時刻リングも送られる。そして、時針は、6時位置に来た都市の時刻を表示する。海外旅行に出ても、現地時刻との調整は簡単だ。お目当ての都市名が6時位置に来るまで、連続してボタンをプッシュするだけでいい。
さらにグラフィカルが秀逸だ。文字盤中央には北半球図が描かれているが、これは都市名リングに合わせて描かれており、完全に同調する。そして、地図の上には透明なディスクがあり、時刻リングと連動して動く。透明デスクは、夜の部分が半透明に着色されており、夜の時間帯にある部分の地図は暗く表示される。直感的に、世界の時差がわかりやすいというだけでなく、地球が自転していることが自覚でき、工夫に満ちたワールドタイマーである。
この機能が「4810」にリバイスされて常設モデルになるのにあたり、地図は気候帯ごとに塗り分けが施され、見た目に一段と楽しくなった。海外へ旅する機会の多い人に、ウィットの効いた、しかも便利な時計としてオススメである。
4810 オルビス テラルム
ケース|ステンレススチール
直径|43mm
厚さ|11.87mm
ムーブメント|自動巻き(Cal.MB 29.20)
機能|ワールドタイム表示(時針は6時位置の都市名の時刻を表示、地図は世界の昼夜を表示)
ストラップ|アリゲーター
防水|5気圧
発売時期|2016年8月予定
予価|76万5000円(税別)
モンブラン コンタクトセンター
0120-39-4810
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