時間を慈しむ。大人のリゾートに生まれ変わったSheraton Grande Ocean Resort|TRAVEL
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2018年1月12日

時間を慈しむ。大人のリゾートに生まれ変わったSheraton Grande Ocean Resort|TRAVEL

TRAVEL|安・近・短、かつ外資ホテルの高品位な空間を楽しめる

ホテルバーとグランピングを一夜にして満喫。
東京から1時間30分のフライトで切り替わる別世界(1)

宮崎シーガイアって、ゴルフリゾートだと思っているヒト、多くないですか? じつは私もその一人でした。だって、あのインターナショナルツアー「ダンロップフェニックストーナメント」の開催地だし。実際に、ホテルにはゴルフコースがふたつも併設されてるわけなんだし。まぁ、たしかにゴルファーにとっての夢の地ではあるわけですが、ところが2017年10月に完了したホテルのフルリノベーションに伴い、首都圏からわずか1時間30分で到着できる高品位な大人のリゾートとしての側面がプッシュされてきてるんです。というわけで今回は、いまホットなデスティネーションとして生まれ変わった「フェニックス・シーガイア・リゾート」のフラッグシップホテル「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」にスポットを当てていきます。

Photographs by SUZUKI TakuyaText by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)

新しく“離れ”に作られたメインバー「KUROBAR」

というわけで、新生シーガイアのアクティビティとしてお勧めするのは、ずばり“ホテルバー巡り”です。

バーは大人の佇まいを身につける場所でありますが、もう大人として熟しちゃったヒトには必要ない、なんてことはありません。俗世から一時離れ、時間をかけて今一度、自身を見つめ直すのです。そのきっかけになるのが、ゆったりと時が流れるバー空間に身を置くこと。時には他人の行動をそれとなく観察するのもいいかもしれません。翻って、自分がどう見えているか、鏡の役割をしてくれるはずです。バーとは、大人の社交場。他人に迷惑をかけないように、そのシンプルなルールさえ守っていれば、誰にも文句は言われません。

「KUROBAR」は、2017年10月に完成しました。ホテルバーなのに、離れです。できたてホヤホヤで、建材の木の香りがいまだ仄かに漂います。しかもメインバーなのに、雰囲気バッチリなのに、宿泊者限定。

加えてホテルバーとは思えない良心価格。街ナカのバーとほぼ変わらない設定です。ここは量飲むぞ派には、たまらないメリット。品揃えもメインバーらしく、JWブルーラベルを筆頭に良質なラベルが棚に並んでいます。また昨今流行りのクラフトジンもフォローされ、そんなクラフトジンを使用した季節のジン・トニックなども出していただけます。

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KUROBAR
天井までガラス張りとした開放感! 窓から眺めるライトアップされたガーデンエリアがまるで異国の様相。これもまた酒の肴となる。営業時間18:00〜23:00(LO22:45)、〜24:00(LO23:45)※金・土曜 座席数40席

お客が宿泊者限定ということは、バーの雰囲気もとても落ち着いているということです。ここでは客室同様に、ゆったり、好き勝手に自分の時間を楽しめます。そしてテイクアウトメニューも充実。「KUROBAR」の外は、「焚火のリビング」が設えられ、飲み物を持ち込んで、外気を楽しむことも可能。気分は、グランピングです。このエリアも宿泊者専用となっていて、朝や午後にはマシュマロやコーヒーの無料サービスも用意されています。リゾート気分をぐっと高めてくれるエリアなんですね。

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黒松の林に囲まれた「焚火のリビング」、その奥に見えるのが「KUROBAR」。江戸時代に防風林として植えられた黒松が立派に育ち、宮崎シーガイアの一帯を埋め尽くしています。ホテルを除き、付近に高い建物はなく、黒松と月が光と影の見事なカラーコントラストを生み出します。

喧騒を求めて、2軒目。カクテルラウンジ「パシフィカ」へ

このスペースは、むしろかつての宮崎シーガイアとしての色が残る場所です。ホテルエントランスの吹き抜けに設えられた、南国気分のバー。中央には水槽が設けられ、熱帯のサカナたちが優雅に泳いでいます。このバーは唯一、宿泊客以外も利用できる場所。それゆえ、食事を終えた地元の皆さんもこちらでくつろいだ時間を過ごされています。

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PACIFICA
ザッツ・リゾート! なムードで、異国気分を味わって。営業時間16:00〜22:45(日〜木)、16:00〜23:45(金・土)、12:00〜23:45(土・祝前日)、12:00〜22:45(日・祝日) 下左/バーテンダーの則松さん。注文で忙しいなかでも、笑顔を絶やさず。下右/カクテルタイムと生演奏、こちらもテッパンの組み合わせ。

毎週火曜日以外は、夜10時45分までピアノとボーカルの生演奏が入ります。取材時はポルトガルから来日しているふたり組のアーティストが、演奏を担当しています。ちなみに、ピアノを弾いている男性の方が、映画「ラ・ラ・ランド」に登場する俳優ライアン・リングに少しだけ似ていますが、どうでしょう? まだ日本人好みのレパートリーが少ないそうですが、唄のリクエストも受け付けています。いわゆる外資系ホテルの王道とも言うべき、賑やかな雰囲気。「KUROBAR」との対比を楽しんで、いよいよ、今宵最後の楽園へ。

Page02. そして、行き着く3軒目「さけのみや」

TRAVEL|安・近・短、かつ外資ホテルの高品位な空間を楽しめる

ホテルバーとグランピングを一夜にして満喫。
東京から1時間30分のフライトで切り替わる別世界(2)

そして、行き着く3軒目「さけのみや」

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この場所に到着するまでに、すでに何杯あおってきたでしょうか。酒に潰れず、周囲に迷惑をかけず。

自分の人生を肴にして、今宵を満喫する最後の銘柄は、焼酎。だって宮崎といえば、焼酎王国なのですから。

この宮崎焼酎BAR「さけのみや」は、地元焼酎との出合いを演出する場所。首都圏ではお目にか

かれないラベルのオンパレードです。

でも珍しいのはラベルだけではありません。ここで試したいのは、アルコール度数が20度の焼酎。なぜなら全国流通している25度の焼酎に比べて、ロックで飲んだ時にスッキリと飲めるんです。この20度の焼酎は、宮崎県内で流通しているもの。理由はさだかではありませんが、宮崎の人たちは焼酎をストレートまたはロックで飲むことが多く、アルコール度数がやや低めの20度が好まれるようになったとか。

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さけのみや
宮崎県内の酒蔵から集めた地元でしか流通しない焼酎を、こだわりのおつまみとともに提供。「KUROBAR」と同じく宿泊者のみ利用でき、価格もリーズナブル。営業時間20:00〜25:00 右/バーテンダー穴井さんが注ぐのが、有名ブランド霧島の20度地元レーベル。試飲用のぐいのみで。

さて、バーを3軒ハシゴするような猛者の皆さんなら、地元の皆さんと同じく焼酎をストレートまたはロックで飲むはず。20度と25度の口当たりの違いを確かめながら、今宵の仕上げと行きましょう。焼酎マティーニ。正確には、「芋焼酎とへべす酒のマティーニ」。へべすとは宮崎で採れる柑橘類のことで、スダチやかぼすに似ているが、酸味がそれほどキツくありません。最後にフレッシュへべすを軽く絞って、焼酎本来の甘みをフワりと開かせるのは、バーテンダー穴井さんのマジック。その甘みを味わって、今宵のツアーは完成です。

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「芋焼酎とへべす酒のマティーニ」1000円(税込)。

夜だけじゃない、フェニックス・シーガイア・リゾートの楽しみ方

さて、ここまでバーの紹介に終始してきましたが、ここから先は、その他の旅の情報を。まずは食事なんですが、ここはぜひ宮崎牛でガツンと腹ごしらえを。あのタイガー・ウッズもわしわしと食べた宮崎牛は、芳醇なコクがありながら、しつこくなく、肉の脂が口の中でさっぱりと溶け出す上品な味わい。これを焼き加減レアでいただくのがお薦めです。脂が鉄板の熱で完全には溶け切らず、口の中に入れて体温でジワリと溶け出す味わいといったら!! 思い出すだけでヨダレが落ちてくるわけでして、こればかりは、どーぞ、実際にお召し上がりくださいませ、お確かめくださいませ、です。

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鉄板焼「ふかみ」
和牛のオリンピックと称される全国和牛能力共進会の肉牛部門において、内閣総理大臣賞を受賞した日本一の宮崎牛を食べられるコースは、1万2500円から。

そして、このホテルに宿泊するなら、ぜひクラブフロアにご予約を。クラブフロアの設えは、一般の客室よりもぐんとリッチ。なかでも注目は、特注のソファです。

このソファ、正面の海を心ゆくまで眺められるように、回転させることができるスグレモノ。朝日や、満月には月の道ができる真東に向いたオーシャンビューの眺めを存分に堪能できるのです。お酒で火照った身体を冷ますように、揺れる水面をボーっと眺める時間も、きっと至高のひと時となるはずです。

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左/クラブフロアのツインルーム。中央に見えるのが特注のソファ。右/スイートにアップグレードすると、バスルームまでもオーシャンビュー。

また宿泊者は全員、風待ちテラスの利用が可能になります。

テラスには、まるで図書館のように素敵な書籍がたくさん。旅情報、写真集など、旅情を盛り立ててくれる書籍がたくさんあり、しばし時間を忘れさせてくれます。しかも、カフェメニューがこれまたオトク。ボリュームたっぷりのシェフおまかせクラブサンドのポテト添え800円、豆にこだわったハンドドリップコーヒー500円、ケーキ類も300円から。お財布を気にせずに利用できて、のんびり過ごせるのがベリーグッドです。ここに住みたい〜と、みんな笑顔。ただ「美味しい」「デザインが素敵」だけじゃなく、ナットク価格にこだわっているところもいいですね。

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風待ちテラス
この場所の居心地の良さに、気がつけば皆んなが集まっている。オープンスペースではあるが、第2の客室のようにのんびりできる憩いのスペース。営業時間8:00〜23:00(フード10:00〜22:30、スイーツ10:00〜18:00、ドリンク8:00〜22:30)。

極めつけは、風待ちテラスの一番奥にあるレタールーム。ここでは旅の思い出を手紙にしたためたくなる演出が効いています。しかも書いた手紙はホテルが切手を貼って、投函してくれるという気の回しようです。

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レタールーム
万年筆も、色鉛筆も、絵葉書も、便箋もすべてが揃っている皆んなの書斎。営業時間8:00〜23:00。

ほかにも、3種類の温泉があったり、国内唯一のバンヤンツリー・スパがあったり、松林をめぐるセグウェイツアーなど、アクティビティにことかかないのですが……、そこを敢えてあとひとつだけピックアップするなら、ホテルの敷地を飛び出し、クルマでおよそ5分の「The BEACH BURGER HOUSE」への訪問を提案します。このお店は、2017年7月15日にオープンしたばかり。“カリフォルニアビーチスタイル”をコンセプトにした設えと、東京・原宿のTHE GREAT BURGERが監修したハンバーガーメニューがポイント。地元でも、いま話題のスポットとして注目され、今後はビーチパーティやマルシェも計画しているのだとか。

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The BEACH BURGER HOUSE
宮崎市新別府町前浜1400−16 サンビーチ 一ツ葉 南ビーチ
営業時間6:00〜17:00(LO 16:00) ※季節によって営業時間が変わります
Tel.0985-34-9085  http://thebeachburgerhouse.com

と、いうわけでバーを中心に、生まれ変わったSheraton Grande Ocean Resortを紹介してきたわけですが、ほらゴルフ以外にもこんなに充実しているでしょ? こんな大人のリゾートを、ゴルファーだけに独占させておくのはもったいないです。もちろん、ゴルフも合わせて楽しんじゃえ、という欲張りさんのニーズもしっかり満たします。東京・羽田からのフライトで1時間30分。宮崎空港からのアクセスもクルマでおよそ30分程度と、決して悪くありません。

そして、この冬からLCCであるジェットスターの成田〜宮崎空港路線が就航。片道5990円の航空券も出始めました。こうなると移動時間だけでなく、交通費もぐっと身近に。どうです? 次の旅のデスティネーションは、宮崎にしてみませんか?

問い合わせ先

フェニックス・シーガイア・リゾート 総合予約センター

Tel.0995-21-1113(9:00〜19:00)

http://www.seagaia.co.jp

           
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