MOVIE|28歳の新鋭デイミアン・チャゼル監督が描く才能と狂気『セッション』 
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2015年4月16日

MOVIE|28歳の新鋭デイミアン・チャゼル監督が描く才能と狂気『セッション』 

MOVIE|助演男優賞などオスカー3部門、サンダンス映画祭グランプリを受賞

28歳の新鋭デイミアン・チャゼル監督が描く才能と狂気『セッション』

名門音楽大学を舞台に鬼教師とドラマーとの狂気に満ちた師弟関係を描いた、28歳の新鋭デイミアン・チャゼル監督による『セッション』。今年のアカデミー賞で助演男優賞など3部門、さらに2014年のサンダンス映画祭のグランプリ、観客賞などに輝いた話題作が4月17日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほかで全国順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

監督のトラウマが生み出した“音楽×心理スリラー”という新ジャンル

撮影当時ほぼ無名だった28歳の映画監督デイミアン・チャゼルが、長編2作目でありながら、サンダンス映画祭で作品賞、観客賞のダブル受賞、さらにはアカデミー賞3部門という金字塔を打ち立てた『セッション』がついに日本上陸。

じつは本作は、デイミアン・チャゼルの自伝的な物語。音楽の才能に恵まれた彼は、高校の名門バンドでジャズドラマーとして活躍していたという。そこで出会った厳しい指導者との苦行の日々、そしてトラウマが彼にアイディアを与えたのだ。

セッション|MOVIE

セッション|MOVIE

その後、ハーバード大学で専攻した映画制作の道へと進んだチャゼルは、1年をかけて脚本を執筆。音楽と心理スリラーを組み合わせた斬新な物語を生み出した。そして彼の才能にほれ込み、製作者として名を上げたのが、『JUNO/ジュノ』や『マイレージ、マイライフ』、『とらわれて夏』などで知られる名匠ジェイソン・ライトマンだった。

「偉大になりたい」という野心にとりつかれた主人公のドラマーに『ダイバージェント』のマイルズ・テラー。そして自分の手で本物の天才を生み出すという使命にとりつかれた鬼教師には、『JUNO/ジュノ』のJ・K・シモンズが扮し、その熱演にアカデミー賞の助演男優賞が与えられている。

恋人、家族、人生さえも擲ち、極みへと這い上がろうとするニーマン

セッション|MOVIE

名門音楽大学に入学したドラマーのニーマン。伝説の鬼教師フレッチャーのバンドにスカウトされ、「偉大な音楽家になる」という夢と野心は叶ったも同然と、ニーマンは喜ぶのだった。

しかし、ニーマンを待っていたのは、0.1秒のテンポのズレも許されない以上なまでの完璧さを求めるフレッチャーの狂気のレッスン。さらにフレッチャーは精神を鍛えるため、さまざまな心理的ワナを仕掛けてニーマンを追い詰めていく。

それに応えようと恋人、家族、人生さえもなげうち、フレッチャーの目指す極みへと這い上がろうとするニーマン。果たしてフレッチャーはニーマンを栄光へと導くのか、はたまた叩き潰すのか――

音楽×心理スリラーという未体験のジャンルながら、観る者をカタルシスに導く『セッション』。私たちはデイミアン・チャゼルという、あらたな俊才の誕生を目の当たりにすることになる。

『セッション』
4月17日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほか全国順次ロードショー
監督・脚本│デイミアン・チャゼル
出演│マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー、オースティン・ストウェル
配給│ギャガ
http://session.gaga.ne.jp

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