MOVIE|“韓国のゴダール”ホン・サンス監督作品、2作品同時ロードショー『へウォンの恋愛日記』『ソニはご機嫌ななめ』
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2015年4月2日

MOVIE|“韓国のゴダール”ホン・サンス監督作品、2作品同時ロードショー『へウォンの恋愛日記』『ソニはご機嫌ななめ』

MOVIE|“韓国のゴダール”ホン・サンス監督作品が2作品同時ロードショー

『へウォンの恋愛日記』『ソニはご機嫌ななめ』

韓国のみならずヨーロッパでも人気を誇るホン・サンス監督作品が、2作品同時に公開。『へウォンの恋愛日記』『ソニはご機嫌ななめ』が、8月16日(土)よりシネマート新宿でロードショーされる。

Text by YANAKA Tomomi

『へウォンの恋愛日記』ではジェーン・バーキンが本人役として出演

“韓国のゴダール”と評されるなど、独自の映像世界が注目を集めるホン・サンス監督。昨年には、フランスの名女優イザベル・ユペールがおなじ名前でありながらちがうキャラクターの女性を演じて話題となった『3人のアンヌ』が日本でも公開されるなど、日本でもその存在感が増している。

そして、『へウォンの恋愛日記』には、「ホン監督と一緒に仕事をしてみたい」と熱望したジェーン・バーキンが本人役として登場。このほかにも主人公へウォンには、モデルとしても活躍するチョン・ウンチェが恋と未来のあいだで揺れる感情を熱演。へウォンと不倫関係となる大学教授役を、韓国の人気俳優イ・ソンギュンが演じている。

物語はいつも日記をつけている女子大学生へウォンが主人公。妻子ある教授ソンジュンとの秘密の関係に飽き、終わらせたいと思っていた矢先、カナダに移住する母親とソウルで最後のひと時を過ごすことに。母親と別れたあと、寂しくなり落ち込んだ彼女は、寂しさを紛らわすかのようにソンジュンに連絡してしまう。久しぶりに会った二人が夜の街を歩いていると、偶然クラスメートたちに出くわしてしまい、明らかになる二人の関係。動揺するへウォンにソンジュンは駆け落ちしようと言い出して――

年頃の女性が、現実と夢のはざまで抱える漠然とした不安と孤独を軽やかに、伸びやかに描いた本作。一人の女性を見つめる的確なまなざしはホン・サンス監督の新境地を感じさせる。


ロカルノ国際映画祭で監督賞に輝いた『ソニはご機嫌ななめ』

いっぽう、媚びることなく、男たちの間をすり抜けるどこか憎めない女性を描いた『ソニはご機嫌ななめ』では、ホン監督のミューズともいえるチョン・ユミが主演。ソニに翻弄される3人の男には『へウォンの恋愛日記』につづき、イ・ソンギュン、キム・サンジュン、チョン・ジェヨンの実力派が顔をそろえた。

ソニをめぐる四角関係が描かれ、軽妙な会話と、やけにリアルなやり取りで男女のちがいを浮き彫りにするホン・サンス流の恋愛コメディは世界を席巻。運命と偶然の間を行き来するホン・サンスのスタイルが絶賛され、昨年のロカルノ国際映画祭では見事、監督賞に輝いたほか、韓国でもホン・サンス監督作品史上最大のヒットとなった。

強い意志をもったへウォンが垣間見せる傷つきやすさと脆さ、猫のようにするりとすり抜ける小悪魔的な魅力をもつソニという、対照的な二人の女性。そんな彼女たちをめぐるホン・サンス監督ならではの恋愛スケッチをどうぞご堪能あれ。

『へウォンの恋愛日記』
8月16日(土)よりシネマート新宿でロードショー
監督・脚本│ホン・サンス
出演│チョン・ウンチェ、イ・ソンギュン、ユ・ジュンサン、イェ・ジウォン、ジェーン・バーキン
配給│ビターズ・エンド
2013年/韓国/90分

『ソニはご機嫌ななめ』
8月16日(土)よりシネマート新宿でロードショー
監督・脚本│ホン・サンス
出演│チョン・ユミ、イ・ソンギュン、キム・サンジュン、チョン・ジェヨン
配給│ビターズ・エンド
2013年/韓国/88分
http://www.bitters.co.jp/h_s/

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