INTERVIEW|映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』伝兵衛役・要 潤インタビュー
INTERVIEW|映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』
伝兵衛役・要 潤インタビュー(1)
TBS系で毎週金曜夜10時に放送されていたドラマ『大奥~誕生[有功・家光篇]』。その最終回の翌週、12月22日(土)から全国300館規模で公開されるのが、家光後30年を経た元禄、五代将軍・綱吉を描く映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』だ。映画では、綱吉を菅野美穂が、大奥総取締の右衛門佐(えもんのすけ)を堺 雅人、そして、綱吉の側室である伝兵衛(でんべえ)を要 潤が演じる。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by HARA Emiko
撮影を進めていくうちに、“男女逆転”の設定が面白くなってきた
──よしながふみさんの原作は読まれましたか?
はい、綱吉編(4~6巻収録)を読みました。時代劇というと真面目なものが多いですが、原作はコメディ・タッチだったので、サラッと読めました。
──普段からマンガは読まれるんですか?
『スラムダンク』など井上雄彦さんのマンガは読みますよ。
──今回の映画の“男女逆転”という設定についてはどう感じますか?
大奥の“男女逆転”は女性がよろこぶ設定なので、男の僕は複雑な気持ちでマンガを読みましたが(笑)、撮影を進めていくうちに、こういう視点で演じるのは面白いとおもうようになりました。
チャーミングで、魔性の魅力をもった菅野さんはまさに綱吉
──時代劇に出演された経験は?
これまであまり時代劇に出たことがなかったので新鮮でしたね。
──今回は、将軍綱吉とのあいだに松姫をもうけるが、突然の病で亡くしてしまう側室の伝兵衛を演じます。
伝兵衛は普通では考えられないぐらいピュアな役で、自分のなかにまったくないキャラクターでしたが、金子文紀監督の独特な感性のおかげでうまく演じられたとおもいます。僕は金子監督のピュアな人間描写が好きなんです。金子監督に自分のあらたな一面を引き出してもらったという感覚がありますね。
──完成した作品を観ていかがでしたか?
大人なラブストーリーで、観終わったあと考えさせられる深い映画だなとおもいました。菅野美穂さんとははじめての共演でしたが、チャーミングで、魔性の魅力をもった女性──まさに綱吉に適役で、すばらしかったですね。
INTERVIEW|映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』
伝兵衛役・要 潤インタビュー(2)
もし江戸・元禄にタイムスリップしたら?
──時代劇の面白さを教えてください。
俳優というのは、学生時代に歴史の授業で習った時代の人物を、なりきって演じるという特殊な体験をする仕事です。今回の大奥でも、みんなが上下を着て、おなじ所作でと、“当時はほんとうにこうだったのかな”という違和感をもちつつ演じていたのが面白かったですね。
──時代劇の難しさは?
やはり台詞(せりふ)の言い回しがすごく難しい。まるで英語を話しているようで、感情を乗せづらいですね。
──要さんがもしこの時代にタイムスリップしたら?
そうですねー。自分にも欲がありますから、ずるをしてでも堺さんが演じる大奥総取締の右衛門佐(えもんのすけ)のように、のし上がっていくかもしれませんね。
今の時代と呼応する大人の純粋なラブストーリー
──歴史上の人物で演じてみたいひとはいますか?
時代劇は、日本人らしさのルーツに触れられるというか、ひとつの出来事に対して魂を傾けて、みんなが一喜一憂するのが面白いとおもいます。個人的に演じてみたいのは、明治維新の時代の偉人たちですね。
──昨年デビュー10年を迎えましたが、これから取り組みたい役は?
30代になって役が変わってきているので、力まず、等身大の自分を素直に出せるような芝居をしていきたいですね。
──30代は意識しますか?
そうですね。仕事のオファーも子持ちやお父さんの役などに徐々に変わりつつあって、おいていかれないように自分が感じているモノを出せるといいなとおもっています。映画もテレビも、長く語り継がれる作品に出られるとうれしいですね。
──では、『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の見どころを要さんから。
とても“大人な作品”になっています。僕たちの世代から上の世代の方に共感していただける作品です。今の時代と呼応する大人の純粋なラブストーリーになっているので、原作のファンの方はもちろんですが、恋人や大切なひとと観ていただければとおもいます。
要 潤|KANAME Jun
1981年2月21日生まれ、香川県出身。
2001年、『仮面ライダーアギト』の氷川誠 / 仮面ライダーG3役でデビューし注目を集める。
2013年は、映画『謎解きはディナーのあとで』、主演映画『劇場版タイムスクープハンター』が公開予定。
出身地・香川県をPRするキャンペーンで架空の県名「うどん県」の副知事として広報活動を担当。また、三豊市の「三豊ふるさと大使」も担当している。
オフィシャルサイト
http://www.kanames-cafe.com/