世界各国で称賛されたドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』|MOVIE
MOVIE|父と娘の普遍的な関係をあたたかく、ユーモアを交えて描く
『ありがとう、トニ・エルドマン』
父と娘の普遍的な関係を、あたたかさとユーモアを交えて描いたドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』が6月24日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開される。
Text by YANAKA Tomomi
監督は『恋愛社会学のススメ』を手掛けた女性監督マーレン・アデ
仕事一筋で笑顔を忘れかけている娘を心配した父が“トニ・エルドマン”という別人に扮して、神出鬼没に娘のもとにあらわれ、騒動を巻き起こしていく『ありがとう、トニ・エルドマン』。昨年のカンヌ国際映画祭でワールドプレミアされ、米国アカデミー賞ノミネートなど各国で40を超える賞に輝いた作品が日本でも上映される。
脚本、監督を手掛けたのは、ドイツ人女性監督のマーレン・アデ。自身の長編2作目であり、ベルリン国際映画祭で審査員グランプリと銀熊賞(最優秀女優賞)に輝いた『恋愛社会学のススメ』(2009年)につづく長編3作目の作品となる。
アメリカ公開の際に本作を見てほれ込んだジャック・ニコルソン主演で、ハリウッド・リメイクもすでに決定しているという注目の作品だ。
入れ歯とカツラで“トニ・エルドマン”に扮した父親が神出鬼没に娘の前に登場
冗談好きの父親ヴィンフリートと、故郷を離れ、外国でコンサルタントとして働く娘のイネス。性格が正反対のふたりの関係はうまくいっていない。
たまに会っても仕事ばかりで笑顔を忘れかけている娘を心配し、ヴィンフリートは出っ歯の入れ歯とカツラを装着し、“トニ・エルドマン”という別人になってイネスのもとにあらわれるのだった。
職場やレストラン、パーティーなど、神出鬼没のトニ・エルドマンの行動にイライラするイネス。衝突の末に見える関係とは−−。
本作では、ストーリーに合わせホイットニー・ヒューストンが生前もっとも大切にしていたという『GREATEST LOVE OF YOU』やアヴィーチーの『Wake Me UP!』、ザ・キュアの『plainsong』など、名曲の数々が登場。クスリと笑え、ほろりと涙する物語とともに注目してみたい。
『ありがとう、トニ・エルドマン』
6月24日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本|マーレン・アデ
出演|ペーター・ジモニシェック、サンドラ・ヒュラー
2016年/ドイツ・オーストリア/162分