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2014年12月16日
特集|目利きたちが選ぶ、朝に聴きたいジャズ55選 SPICE No.3
1日のはじまりにジャズのスパイスを
特集|目利きたちが選ぶ、朝に聴きたいジャズ55選!
風のひんやり冷たい朝、目覚めを楽しい時間に変えてくれる1曲。ちょっと時間に余裕のある朝、ゆっくり取る朝食の時間をさわやかに演出してくれる1曲。通勤途中の足どりを軽やかにしてくれる1曲……。この秋、そんな1日のはじまりを楽しくしてくれる“朝ジャズ”を試してみてはどうだろう。あなたの朝にも、ジャズのスパイスを。
SPICE No.1/第1弾の17曲はこちら
SPICE No.2/第2弾の17曲はこちら
第3弾では、DJの松浦俊夫さん、代官山 蔦屋書店の及川亮子さん、クオシモードの平戸祐介さん、澤野工房 オーナーの澤野由明さん、ラジオMC/DJのクリスさん、Bar Music 店主の中村智昭さん、そして音楽ライターの島田奈央子さんが選んだ、朝に聴きたいジャズ21選を紹介。
SPICE No.3/第3弾の21曲!
DJ、松浦俊夫が選ぶ
すこし早起きした朝……ココロとカラダに染み込む音楽

『Into The Sky』に収録
Nick Rosen
「Ancestral Echoes」
Build An Arkに参加するロスの若きベーシスト、ニック・ローゼン。彼の2010年のデビュー作に収録されているこの曲は、ピアノによるアジアン・テイストのテーマとストリングスのコンビネーションが幻想的な美しさを醸し出している名作です。

『oneself - LIKENESS』に収録
クオシモード
「1000 days for spirit」
2006年のデビュー作に収録された作品。ファラオ・サンダースの「Astral Traveling」を彷彿とさせる、静けさのなかに情熱を感じるスピリチュアル・ジャズ。時を経ても色褪せない素晴らしさがここに。

『Guiding Spirit』に収録
Nat Birchall
「Keep The Light Shining」
ジョン・コルトレーンからトミー・マクック(スカタライツ)といったアーティストに影響を受け、イギリス北部を拠点に活動するジャズ・サクソフォニストの2010年の作品。浮遊するサックスのメロディが心地よく胸に響く。

松浦俊夫(DJ)
1990年にUnited Future Organization (U.F.O.)を結成。日本に於けるクラブカルチャー創世記の礎を築く。12年間で5枚のフルアルバムを全世界32ケ国で発売。高い評価を得た。2002年の独立後も精力的に世界中のクラブやフェスティバルでDJ を続ける。またJames Brown、Earth Wind&FireからAstor Piazzolla、Gotan Projectまで幅広いジャンルのアーティストのリミックスを手がけ、ファッションブランド等のコンピレーションの監修も行っている。 その世界を舞台に培われた感性とネットワークを駆使して、イベントのプロデュース、コーディネイト、コンサルタントやアーティストのエージェ ント業務を行うなど、その活動は各方面から注目を集めている。
インターFM"TOKYO MOON"(日曜24時)好評オンエア中。
http://openers.jp/culture/matsuura_toshio/index.html(連載「from TOKYO MOON」)
http://t-matsuura.blog.openers.jp/(OPENERS BLOG更新中)
http://www.toshiomatsuura.com/
代官山 蔦屋書店 ジャズコンシェルジュ、及川亮子が選ぶ
これからはじまる1日を、楽しく快適に過ごすための軽やかジャズ

『ブルース・ムーズ』に収録
ブルー・ミッチェル
「アイル・クローズ・マイ・アイズ」
スタンダードなポップチューン。ウイントン・ケリー(P)とブルー・ミッチェル(Tp)の息のあった快演は、快適な朝にぴったりです。おもわずスキップしたくなるかも。
『リターン・トゥ・フォーエヴァー』に収録チック・コリア
「ホワット・ゲーム・シャル・ウィ・プレイ・トゥデイ」
エレクトリック・ピアノ、フルート、ボーカル、躍動的なリズムで、楽しいことが起こりそうな気分にしてくれます。

『ホワッツ・ニュー』に収録
ラーシュ・ヤンソン
「ヒルダ・スマイルス」ヨーロッパを代表するピアニスト、ラーシュ・ヤンソンのオリジナル曲。ヒルダ(Hilda)は、彼の孫。何とも微笑ましく美しいサウンドが、優しい1日を予感させる。

及川亮子(代官山 蔦屋書店 ジャズコンシェルジュ)
CD制作のプロデュースも手がける代官山 蔦屋書店の“ジャズコンシェルジュ”。ジャズの仕事にかかわって四半世紀というベテランで、アーティストとのネットワークも豊富。
今回おすすめしている、ヨーロッパを代表するジャズ・ピアニスト、ラーシュ・ヤンソンのライブが11月9日(金)、代官山 蔦屋書店2号館2階のラウンジ「Anjin」にて開催される。ラーシュ・ヤンソン・トリオのニュー・アルバム『KOAN』は、東日本大震災の多くの犠牲者と被災者にささげた作品。ラーシュに声をかけ、来日ツアーの合間をぬってソロライブを開催することに。さまざまな縁が重なり実現するこのライブ。ラーシュ・ヤンソンの美しいピアノを堪能したい。問い合わせは、03-3770-2525(代官山 蔦屋書店音楽フロア)まで。
http://tsite.jp/daikanyama/
クオシモード リーダー、平戸祐介が選ぶ
朝の目覚めを最高に気持ちよく演出する音のカンフル剤

『カリフォルニア・シャワー』に収録
渡辺貞夫
「カリフォルニア・シャワー」貞夫さんのなんとも言えない、優しくて懐の深い音色が気持ちよく朝を目覚ませてくれます。体からじんわり染み渡る感じ。さーベッドから起きて。シャワーでも。

『ピープル・タイム』に収録
スタン・ゲッツ
「イースト・オブ・ザ・サン、ウェスト・オブ・ザ・ムーン」
今日も1日忙しくなりそう……。そんな日は、コーヒーでも入れて、心落ち着かせてがんばろう。この2人の音を聞けば、そんな鎮静作用も倍増するはず。

平戸祐介(クオシモード リーダー)
ジャズ喫茶を経営する父親とクラシック・ピアノの先生であった母親の間に生まれ、4才の頃からピアノを弾きはじめる。父親の所有する膨大なジャズ・レコードを聴きながら育ち、中学生の頃からジャズ・ピアニストとして活動を開始。高校時代にはニューヨーク・マンハッタン音楽院のサマー・ワーク・ショップでトップ・レベル・コンボに抜擢され、最優秀賞を獲得。卒業後渡米し、ニューヨークにあるニュースクール大学ジャズ科に進み、ウォーター・ビショップ・ジュニアに師事する。1995年には、リチャード・デイビス(Bs)、ウィナード・ハーパー (Ds)と共演し、ジャパン・ツアーで成功を収める。大学卒業後に帰国し、東京でクオシーモード(quasimode)を結成。現在はリーダーとしてバンドを牽引しながら、さまざまなジャズ・クラブでのライヴ、レコーディングなども積極的に行なっている。
http://quasimode.jp/
澤野工房 オーナー、澤野由明が選ぶ
エネルギー源は、朝の新鮮な空気を優しく包み込む音

『WITH A SONG IN MY HEART』に収録
トヌー・ナイソー・トリオ
「Isn’t It Romantic」
あたらしい1日のはじまり。弾むようなサウンドは今日1日のエネルギーを与えてくれる。気力あふれるパワーをもらえる、そんな作品です。

澤野由明(澤野工房 オーナー)
元々は趣味のオーディオ好きが高じ、日本で入手出来るジャズを「聴き尽くした」事から始まった、ジャズ探求の旅。ヨーロッパを中心に入手困難な廃盤の復刻や、ミュージシャンのネームバリューにとらわれず、良質の作品を制作・プロデュースするジャズ・レーベル「澤野工房」オーナー。あくまでもファン目線で捉え、自らの耳で確かめた心地よいジャズを発信しており、世に送り出す作品の音質、ジャケットデザインなど、そのこだわりは細部にまで及ぶ。じつは大阪新世界にある、1913年創業の老舗履物屋の4代目主人という顔を持つ。世界から集まるジャズを吟味していたかとおもうと、履物を求める買い物客の声が聞こえるたび、店の外に飛び出してゆく。まさに「二足のわらじ」で今日も新世界を闊歩中。
http://www.jazz-sawano.com/
ラジオMC/DJ、クリスが選ぶ
今日も笑顔で爽やかに! とびっきりの笑顔をくれるゴキゲンジャズ

『ザ・ケープ・ヴァーディーン・ブルース』に収録
ホレス・シルヴァー
「ザ・ケープ・ヴァーディーン・ブルース」
青空を感じさせるハードバップ。ラテンとカリブ海のカリプソ音楽を取り入れたアップテンポのナンバーで、きれいな青空を見上げながら、1日を元気にスタートできる曲。

『ライク・マインズ』に収録
パット・メセニー
「ライク・マインズ」積極的な空間を作り上げるくれるサウンド。このオールスターで構成されたクインテットがもつグルーヴ感、アンサンブルプレイと広い空間を感じさせるハーモニーは絶妙で、爽やかな休日の朝にぴったり!

クリス(FM COCOLO 「ワールド・ジャズ・ウエアハウス」 DJ)
ジャズの本場ニューヨーク出身。ジャズ好きな父親の影響で、ジャズとクラシックを聴いて育った。1982年に来日し、語学教育に携わったのち、85年にみずから会社を設立して代表取締役を務めた。その後、FM COCOLO(76.5 MHz)のDJとなり、99年から始まった「ヒガシマル・ジャズ・ナイツ」に続いて、現在「ワールド・ジャズ・ウエアハウス」(日曜日 22:00~24:00)という関西のFM局の中で製作されている唯一のジャズ専門番組を担当している。
http://cocolo.jp/
Bar Music 店主、中村智昭が選ぶ
毎日聴いても色褪せない、朝の風景をドラマチックに演出するメロディー

『ザ・ドリーマー』に収録
ホセ・ジェイムス
「The Dreamer」起床。夢の中と現実の狭間を揺らぐような、永遠に聴き継がれるべき名曲。来年1月に名門ブルーノートからリリースされる、あたらしいアルバムも素晴らしすぎる。

『シェルブールの雨傘-ルグラン・プレイズ・ルグラン』に収録
ミシェル・ルグラン
「ハンズ・オブ・タイム」
朝食。1971年に映画「Brian's Song」のためにミシェル・ルグランが作曲した美しいテーマ。自身が後年ソロ・ピアノで優しく奏でるその姿は感動的。香り豊かなコーヒーとともに。

『Eric Byrd Trio』に収録
Eric Byrd
「A Wmc Autumn」出発。目前に迫る冬、澄んだ街の空気を想わせるメロウ・バラード。あなたの日常の風景を、ほんの少しだけドラマティックにしてくれるはず。

中村智昭(MUSICAANOSSA 主宰/Bar Music 店主)
DJ/選曲家/音楽ライターとして「ムジカノッサ」を主宰、渋谷「バー・ミュージック」店主。ユニバーサル/ビクター/インパートメント/キングより複数のコンピレーションCDをリリース、ディスク・ガイドの企画・監修も手掛けるとともにUSENやFM各局にも選曲を提供。最近ではジョン・コルトレーンのトリビュート・コンピレーション『Dear J.C.』(ユニバーサル)、ベニー・シングス『The Best Of Benny Sings』(ビクター)のライナーノーツや、HMV発行の「Quiet Corner」への寄稿など。CALMベスト・アルバム『Mellowdies for Memories』(ラストラム)の選曲とその解説も担当している。また、渋谷「カフェ・アプレミディ」にて1999年のオープンから2009年までの10年間店長も務めた。今冬、コンピレーションCD「Bar Music」をディスクユニオンよりリリース予定。
http://www.musicaanossa.com
http://barmusic-coffee.blogspot.jp/





