セレブリティとビジネスリーダーたちが唸った、未体験ワールド|Dom Pérignon
Dom Pérignon|ドン ペリニヨン
「ドン ペリニヨン P2 エクスペリエンス」体験リポート!
セレブリティとビジネスリーダーたちが唸った、未体験ワールド(1)
まるでテーマパークのアトラクションに迷い込んだかのようだった。開催日は去る7月28日。東京・羽田空港に程近い東京流通センター倉庫の巨大空間が、この日、「ドン ペリニヨンP2-1998」の類まれなるエネルギーと創造性を示す一夜限りの幻想スペースへと変貌。百数十名の来場者に驚きと感動をもたらした。
Text by TSUCHIDA Takashi
ハレの日のシャンパーニュにたいするおもいが、格段に引き上げられていく
ああ、これは本当にうまい。一度この味を知ってしまったら、もはやほかで代替することができない味わいだ。ドン ペリニヨンといえば、だれもが知るヴィンテージシャンパーニュの雄。バランスの取れた味わいと、熟成されたまろやかさが秀でていることは、いまさら言及するまでもないのだが……。
ところが、上には上があった。このドン ペリニヨン P2-1998は、音源に例えるならばハイレゾである。味わいそのものはドン ペリニヨンの絶妙なバランスがキープされていて、その実、似て非なるエネルギーに満ちている。すなわち通常のドン ペリニヨンと比較したとき、ある一部分が突出して優れているのではなく、すべてにおいてエネルギーがみなぎっている感覚をおぼえるのだ。ちょうど味の方向性を示す五角形のチャートが、そのままボリュームアップした感じである。だから、ハイレゾなのだ。曲そのものは聴いたことがあっても、まるではじめて体験するかのような新鮮な感動をあたえてくれる。
いささか前のめりになってしまったが、ここからは改めてイベントの背景を説明したい。本日の主役は、昨年11月にドン ペリニヨンから、名称も装いもあらたに登場した稀有(けう)なる新商品。その名もドン ペリニヨン P2-1998である。P2とは、2度目のプレニチュード(熟成ピーク)を迎えた状態を指し、現在は1998年のヴィンテージが店頭に出ている。
ドン ペリニヨンのシャンパーニュは、すべてが8年以上の熟成を経たヴィンテージだが、このP2はさらなる熟成を経て到達する非常に貴重なシャンパーニュだ。実際、ドン ペリニヨン P2-1998は、2005年に1度目のプレニチュードを迎え、通常のドンペリニヨンとして市場に送られている。つまりドン ペリニヨン P2-1998とは、長期熟成用としてセラーのなかで通算16年以上もの長い年月を過ごし、いま、こうして披露されたものである。
本イベントのために来日したドン ペリニヨンの醸造最高責任者、リシャール・ジェフロワ氏は、スピーチのなかでこう語る。
「ドン ペリニヨンは、その長い生涯のなかで、幾つかの熟成のピークを迎えます。しかしそれはドン ペリニヨンが元来もっている潜在的ポテンシャルがあるからこそ、今回のようにセカンドプレニチュードを迎えられるわけです。
製品名にあるP2とは、2回目の熟成ピークを迎えたという意味です。2005年に1度目の熟成ピークを紹介し、さらにいま、こうして2度目のピークも紹介できるということは、ワインの成長、変化を細やかに見守っているからこそできることです」
プレニチュードという言葉は、本来、人間の円熟味を指す言葉だが、それをドン ペリニヨンでは熟成ピークを指す言葉としてもちいている。そしてその熟成は、段階的にピークを迎えるものらしい。各々のヴィンテージが飛躍的にポテンシャルを向上させるタイミングを見計らい、リリースする。そこにはワインメーカーの経験と感性が働くが、しかし相手は自然である。おもい通りには決していかない。だからこそ、貴重なのだ。
さて、イベントでははじめにP1の世界に身を置くことになる。各自、エントランスで手わたされたグラスで、通常のドン ペリニヨン ヴィンテージ 2005を味わう趣向だ。鳥がさえずり、教会の鐘が鳴り響く。映像で流されたのは、ドン ペリニヨンの精神的ルーツとなっている、オーヴィレール大修道院である。
そして、MHD モエ ヘネシー ディアジオ社プレジデント、ジェイムス・ペイトン氏が挨拶する。
「皆さんこんばんは。本日はドン ペリニヨンのエクスペリエンスディナーにお越しいただき、誠にありがとうございます。これより皆さまをP2の次元を越えた世界にお連れしたいとおもいます」
次の瞬間、P2空間につながるドアが開いた。そして、そこにはP1とはまったく異なる趣向が待ち受けていたのだ。
Dom Pérignon|ドン ペリニヨン
「ドン ペリニヨン P2 エクスペリエンス」を体験リポート!
セレブリティとビジネスリーダーたちが唸った、未体験ワールド(2)
P2、それはエネルギーに満ちた異次元の世界
ここからはドン ペリニヨン P2-1998が手わたされる。グラスからは芳醇なアロマがしっかりと漂ってくる。
会場には雷鳴がとどろき、正面のステージには滝が流れている。あれ? 滝? ここは倉庫空間のなかのはずなのに、強力な先制パンチだ。フロア奥に突如スポットが当たると、そこでは放電プラズマの閃光がほとばしる。会場がどよめいた。つづくは、伊東篤宏氏のオプトロン(蛍光灯楽器)によるライブインスタレーションだ。
この一連のプレゼンテーションで、3組のアーティストとともにインスタレーションを手がけた“現代の魔法使い”と称されるメディアアーティスト、落合陽一氏は語る。
「自然界のエネルギーを凝縮したドンペリニヨン P2-1998の世界を、科学の力で人工的に自然の凝縮を生みだすことにより表現しようとおもいました。光を凝縮したら強力なナノ秒レーザーとなり、気泡を倍増できる。音を極限まで集めたら物体が浮遊する。電圧を究極に高めれば、空気中に放電する。自然エネルギーの凝縮を味覚で表現するのがドン ペリニヨン P2-1998であるなら、僕はそのほかの感覚へ訴えてみたいとおもいました」
なかでも圧巻だったのは、シャボン玉のインスタレーションだ。
「シャボン膜とは、極限の薄さであり、光の波長よりも薄いから皮膜表面に色がついているように見える」と、落合氏。そこで、ドン ペリニヨンのやわらかなで上品な泡を地上で表現したら……そんな意味合いを込めたビジュアル表現だった。まるで自分がシャンパーニュの気泡に包まれているような感覚だ。
再び、次の空間へと誘うオーロラ(レーザーによる演出)に導かれ、来場者はそれぞれの席へ。ここからはドン ペリニヨン P2-1998を引き立てたディナータイムである。
さて、この「ドン ペリニヨン P2 エクスペリエンス」イベントは、ワインの熟成段階を空間と次元に置き換え、自身が高次元の世界へと誘われるような感覚を体験させるものだった。その鍵を握るのは、時間だ。
醸造最高責任者、リシャール・ジェフロワ氏が現職に着任したのが1990年。彼こそが、研究開発用としてドン ペリニヨンのセラーのなかにストックしていた古いヴィンテージに着眼し、その経過を約10年にわたり観察しつづけ、現在のP2へと導いた立役者だ。
彼の行為は、ある意味、ブランドとしてもリスクだったはずだ。しかし、結果は大成功である。時間の経過がもたらすシャンパーニュの潜在的ポテンシャルのダイナミックな変化が、ドン ペリニヨンの魅力をさらに大きく引き出したのだ。
実際、リシャール・ジェフロワ氏は、ドン ペリニヨンには3度の熟成ピークがあると説く。もちろん自然の力がもたらすものは、100パーセントおもい通りに行くものではないが、それゆえにドン ペリニヨンの世界は深淵なのだ。
Richard Geoffroy|リシャール・ジェフロワ
ドン ペリニヨンのシェフ・ドゥ・カーヴ(醸造最高責任者)。1954年、シャンパーニュ地方ヴェルチュの醸造家の家系に生まれるも、医学部に進学。1982年医学博士号を取得。その後ランスの国立醸造学校へ入学。 卒業後、カリフォルニアのナパ・ヴァレーでビジネスの基礎を学び、ドメーヌ・シャンドンのテクニカルアドヴァイザーに就任。ニューワールドとシャンパーニュのかけ橋となる。1990年ドン ペリニヨンの醸造最高責任者(シェフ・ドゥ・カーヴ)就任。現在に至る。
ドン ペリニヨン P2-1998
内容量|750mL
標準希望小売価格|5万3000円(税抜/ギフトボックス付き)
アルコール度数|12.5度
取り扱い店舗|全国業務店、全国主要百貨店
MHD モエ ヘネシー ディアジオ ドン ペリニョン コミュニケーション担当
Tel. 03-5217-9732