BOOK|「記録になる」作品集『Windows Mirrors Tabletops』
BOOK|ホンマタカシ氏をゲストに招いたイベントも開催
アメリカ人アーティスト、ルーカス・ブレイロック作品集
『Windows Mirrors Tabletops』
アメリカ・ロサンゼルスを拠点に活躍するアーティスト、ルーカス・ブレイロックの作品集『Windows Mirrors Tabletops』が日本でも発売。国内での販売スタートを記念したレクチャー&サイン会が2月11日(火・祝)に原宿、VACANTで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
無造作に残されたデジタル加工の痕跡があらわになった「記録になる」作品
ルーカス・ブレイロックは1978年、アメリカ・ノースカロライナ生まれ。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の美術学修士号を取得し、精力的な活動をみせるアーティストだ。
そんな彼が昨年末、イギリスの出版社から出版した作品集『Windows Mirrors Tabletops』では、無造作に残されたデジタル加工の痕跡があらわになった作品が次々に登場する。
メディアでも、一般の私たちでもデジタル写真の修整がごく普通におこなわれるようになった昨今。そこにブレイロック氏は「デジタルを前提とした環境で写真を撮るということはなにを意味するのか」と問いかける。普通、写真を修整する対象は人や風景などであり、その加工もあくまで“透明”であろうとする。しかし、ブレイロック作品では、この写真が製作される過程をあえて“不透明”にするのだ。
ブレイロック氏は、スタジオやカメラ、デジタル加工ツールといった通常は“舞台裏”とされる部分を、あえて見えるようにして撮影。アナログの大判写真をスキャンし、デジタル加工してから、再度印刷をしてつくられる彼の写真は、なにかを「記録する」だけでなく、作家自身の撮影行為や、さらには写真が製作されたツールや条件そのものの「記録になる」のだ。
この作品集をもとにしたレクチャーでは、ブレイロック氏がその制作の秘話や、アトリエの様子などをスライドショーやムービーで紹介。また写真家のホンマタカシ氏をゲストに招き、ミニトークも繰り広げられる。
18カ月にもわたり撮影され、完成にたどり着いたという『Windows Mirrors Tabletops』。不協和音やズレから生み出される、ブレイロック氏の思考の痕跡を、作品集とレクチャーで追ってみたい。
『Windows Mirrors Tabletops』
作者|ルーカス・ブレイロック
出版社│モレル
仕様│ハードカバー/238ページ、200×250mm、カラー、
David Companyとの対談(別冊)付き
発行部数│限定1000部
価格│7350円 ※レクチャーではイベント限定特価6500円で販売
レクチャー&サイン会
日程│2月11日(火・祝)
時間│14:00~16:00 ※サイン会は16:00~17:00
会場│VACANT 2F
東京都渋谷区神宮前3-20-13
出演│ルーカス・ブレイロック
ゲスト│ホンマタカシ
予約方法│VACANTの公式ホームページ
http://www.vacant.vc/d/47より申し込む
入場料│1000円